ep.3 焼け残った執着
灰崎の無茶振りにより、湊は死後すぐにコープス討伐へと駆り出されていた。
湊「灰崎さんっていつもあんななんですか。」
鉄「あの人はいい人だよ。少し雑なだけだ。長いことアンリースにいれば慣れるさ。それより…」
街の一角から燃え盛る炎が見える。入り混じる悲鳴から明らかに何かが起きているのがわかる。
鉄「焼死のコープスのお出ましだ。」
焼けただれた黒い肌に炎を纏った姿だが、亡くなった人の生きたいという思いが感じられた。
――― 熱い、熱い、熱い ―――
コープスの内部から叫び声が聞こえてくるようだった。
湊「今助ける!うぉおおっ!!」
湊が水の剣で切りかかる。しかしコープスの熱は予想以上だった。湊の水は触れる寸前で蒸発し、コープスには傷をつけられなかった。
湊「そんな!?水が効かないなんて…!」
ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛
効かないどころか、さらに温度を上げた焼死のコープスが突撃してくる。
鉄「おっと危ない!怪我はないか、湊。」
間一髪で鉄がコープスと湊の間に入り攻撃を防ぐ。
鉄「いいことを教えてやる!対コープスで大事なのは相性だ!」
全身を鉄にしてコープスに突っ込んでいく。連続のパンチは効いていないように見えるが構わず殴り続ける。
鉄「鉄はなぁ!熱くなることで柔らかくなるもんだぁ!!」
徐々に鉄の腕は柔らかくなっていく。コープスからの反撃などお構いなしだ。
鉄「誓ったのさ、もうなにも失わないと…!!」
鉄の揺るぎない意志の具現化である能力の名は
『潰えぬ鋼』
鉄「ぶち抜いてやるよ!!」
鉄「 圧穿拳!!!」
鉄の放った拳は硬い腕部分を避けてコープスの中心部にめり込む。凄まじい衝撃でコープスは吹き飛ぶ。
湊「す、すごい…!」
鉄は単なる戦闘力だけではなく、長年の経験値から相性や弱点を見つけるなど総合的に湊の格上であった。
鉄「見て学んだか、俺の熱い戦い方を。それじゃ、帰って灰崎さんに報告だな。」
アンリースの拠点へ戻ると澪と灰崎が待っていた。
灰崎「ご苦労さん、2人とも。坊主には相性があることを学んでもらいたくて、あえて不利な焼死のコープス討伐へ向かわせた。悪かったな。」
湊「性格悪いな、ほんと。」
鉄「いいだろう、経験ってもんさ。」
澪「それより2人とも、怪我はありませんか?」
澪は湊の腕の軽い火傷を見つける。澪が手をかざすと火傷が治っていく。
湊「すげぇ…!」
澪「湊さんの血液循環を活性化させました。怪我の治りも早いとおもいます!」
こうして湊の初任務は終わった。




