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シャッターの隙間から  作者: 菱屋千里
「サイドストーリー」
30/32

解放

あの雨の夜。

私の狂気を。

彼の前に。

全て曝け出して。


感情が。

洪水のように。

制御もできずに。


あの子。

止めてくれてよかった。

壊してしまう前に。


あの正しい言葉に。

何か別のものが。

見えてしまう。

私には分かる。

強くまっすぐな。

あの視線の奥に潜むもの。


それでもいい。

私の歪んだ愛。

彼女の方が。

きっと相応しい。


レンズ越しの幻想より。

温もりのある現実。

それが。

彼の幸せなら。


短く切った髪が。

重荷から解き放たれたように。

軽い。


カフェで。

彼の前で。

私は。

もう。


感謝を。

祈りを。

そして。

永遠の未練を。


短く切った髪が。

風に。

揺れている。

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