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栄光の帳簿  作者: 酣睡


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4/12

奇妙な任務と、片思いと、久しぶりの再会

「此岸」と「彼岸」の衝突が激しさを増す現代。主要な都市には、彼岸に起因する特異事象に対処するための専門機関――「特別対策室」が設置されていた。


軍部とは緊密な情報連携を保ちつつも、指揮系統としては完全に独立した組織である。隊員たちに重苦しく堅苦しい軍服の着用義務はなく、軍特有の煩雑な規律に縛られることもない。


彼らが存在する唯一の目的は、ただ極めて純粋かつ効率的な手段で、彼岸より生じるすべての脅威を排除することにあった。


ブラインドの隙間から差し込む午後の柔らかな陽光が、無機質な直線で構成されたプライベートオフィスを照らし出している。


白髪に妖艶な紫の瞳をたたえた美女が、大きなオフィスチェアにだらしなく身を沈めていた。


片手で形の良い顎を優雅に支え、もう一方の白皙の指先で、端末に投影されたばかりの機密ファイルを気だるげにスクロールしている――それは、「伊織」という少女の経歴書だった。


その執務机の前には、伊織を含む四名の隊員が絨毯の上に正座し、縮こまって沙汰を待っていた。


それもそのはず、本来なら和やかに行われるはずだった新隊員の歓迎会は、突如巻き起こった竜巻によって名うての人気カフェが木っ端微塵に吹き飛び、隊員数名が頭から生クリームとシュークリームを被って惨敗するという、最悪の結末を迎えていたからだ。


「コードネーム・伊織。戸籍上の本名はなし」


白峰凛花の、清澄でありながらどこか気怠げな声が、静まり返った室内に響いた。


「六歳のとき遺伝子再編成を受け、体内に『太古の真龍』と『滅世の魔竜』の複合キメラ遺伝子を強制移植。十一歳にして『処分兵器』の規格で正式にSSS級防衛戦へと投入。今日に至るまでの八年間で、参加した任務数は実に千三十六件……単純計算で、二、三日に一度は戦場を一つ終わらせてきた計算になるわね」


オフィス内の空気が、目に見えて凍りついた。


伊織の両脇に控えていた三名の正規隊員は目を丸くし、ごくりと喉を鳴らした。


SSS級任務――それは彼らのような者には、悪夢の中でさえ足を踏み入れたくない禁忌の領域だ。その次元の彼岸災害となれば、最高位である「不渡」クラスの覚醒者を数名投入したところで、全滅する可能性すら極めて高い。


軍の暗黙の了解において、そうした死地にはまず強力な「溺亡者」を消耗品として突撃させて魔神を削り、最後に安全圏で控えていた正規の覚醒者が手柄を回収するのが常だった。


それなのに、目の前でうつむいている、まるで精巧なフランス人形のように小柄で儚げな黒髪の少女が……そんな血塗られた人間地獄を生き延びてきた本物の化け物だというのか?


「配属された小隊数は累計四百九十五。そして記録によれば……それ以外の隊員は全員戦死」


凛花はすんなりとした指先でホログラムスクリーンを軽く払い、わずかに語調を上げた。


「過去の作戦中、沈降率が80パーセントの限界点を超えたことによる暴走記録は計三百六回。けれど奇妙なことに――三百回以上もの我を忘れた狂乱状態にありながら、死傷者リストに巻き込まれた一般市民の名前は一件もない。それどころか、失控した兵器が自らの肉体を盾にして衝撃を防ぎ、負傷した市民を庇っていたという生存者の証言すら複数あるわ」


「よ、四百九十五組の……仲間が全滅……!?」


並んで跪いていた三人は、示し合わせたかのように息を呑み、戦慄の叫びを漏らした。ただ端っこで平穏に日々をやり過ごしたいだけの凡庸な小隊にとって、「味方全滅」の呪いなど、聞くだけで背筋が凍りつく不吉さでしかない。


「そう怯えるものじゃないわ」


凛花は縮こまる部下たちを一瞥し、感情の読めない声音で淡々と告げた。


「四百九十五の部隊が遭遇したのは、例外なく彼岸の深淵に座す至高の魔神たちよ。この子が生き残ったという事実は、ただ一つ――彼女の実力が死んでいった連中を遥かに凌駕していた、それだけのこと。彼女が仲間を見殺しにしたんじゃない。周囲が弱すぎて、この子が敵を八つ裂きにするまで持ちこたえられなかっただけよ」


そう言い捨てて端末を閉じると、凛花は濡れたような紫の瞳を細め、興味と観察の入り混じった眼差しを再び伊織へと注いだ。


風が吹けば折れそうなこの少女が、これまでの八年間をどうやって耐え抜いてきたのか、純粋に気になったのだ。


常人であれば一度の投入で精神が完全に崩壊し、異形へと成り果てていてもおかしくない。それなのに、龍の血に理性を塗り潰されかけた極限にあってなお、彼女は無意識の領域で「市民を守る」という義務を果たし続けていた。


だが、凛花の視線が伊織と交錯した瞬間、その端正な眉がかすかに動いた。


うつむいていたはずの黒髪の少女が、上目遣いに自分をじっと見つめていたのだ。


その透き通った緋色の瞳には、兵器特有の虚無も、上官に対する恐怖もなかった。そこにあったのは――熱く、ひたむきで、狂信的なまでに純粋な、恋情の光だった。


(……好意?)


凛花は記憶の糸を急速に手繰り寄せた。名門の令嬢として、これまでに出会ってきた覚醒者や特権階級の人間は数知れない。だが、自分の人生のどこを探しても、この少女と交わった記憶は一片もなかった。


視線を再び、あの痛ましい記録へと戻す。


太古の真龍と滅世の魔竜……相反する二大巨頭の暴虐な血を無理やり縫い合わされた肉体など、常人であれば神経系が何百回焼き切れていても足りないはずだ。


たとえ今の伊織が平然としているように見えても、軍がこの戦略兵器を自分の管轄する辺境機関へと「左遷」してきたこと自体が、残酷な現実を物語っていた。


――伊織という兵器の機能は、すでに摩耗の限界に達している。次の任務でいつバラバラに壊れてもおかしくないのだと。


十一歳。


同年代の良家の子女たちが温室の中で家族の庇護を受け、無邪気な子供時代を謳歌していた頃、名すら奪われたこの子は拘束具を嵌められ、肉片と黒水が飛び散る戦場で八年もの間、殺し合いを強いられてきた。


胃の腑の底から、吐き気を催すほどの激しい嫌悪感が込み上げてくる。


道徳が廃れ、命が道端の石ころのように扱われるこの時代にあって、子供を使い捨ての消耗品にする暴挙など珍しくもない。


それでも、血で染まりきったこの「武勲帳」を前にすると、拭いようのない寒気と生理的嫌悪を覚えずにはいられなかった。


そして何より凛花を苛立たせたのは、自らの背後にどれほど強大な財閥の権力があろうと、他者を圧倒する上位の覚醒者であろうと――この巨大で冷酷な戦時システムと、世界そのものの腐敗を前にしては、自分一人ではこの理不尽な悲劇を塗り替えることなど叶わないという無力感だった。


伊織が向けてくる、ねっとりとした熱を帯びた感情の正体は測りかねたが、凛花はそれ以上深く追及するのをやめた。


とりあえずはこの黒髪の少女を、自分の手元に置く「特別マスコット」として扱うことにしたのだ。


千もの修羅場を単身で潜り抜けてきた、こんなにも愛らしく可憐な少女である。マスコットとしての見栄えは十分すぎる――少なくとも、床に額を擦り付けてクラッカーのことしか頭にない、隣の能天気な三馬鹿よりは幾分か目の保養になる。


「カフェの修繕費については、後でたっぷり請求させてもらうとして」


重苦しい生化兵器のファイルを脇へ追いやり、凛花は指先でトントンと机を叩いて、何事もなかったかのように本題へ移った。


「目下のところ、危険度が未知数の緊急任務が下りてきているわ。内容は単純よ――近頃、街の各所で『溺亡者の失踪事件』が多発している。その内情を探り、実態を突き止めること」


「……溺亡者の、失踪ですか?」


自己紹介すらまだ済ませていなかった三人の隊員が顔を見合わせ、不安げに眉をひそめた。


「溺亡者」が軍の遺伝子改造によって生み出された欠陥兵器であることは、誰もが知っている。沈降率が跳ね上がれば瞬時に理性のタガが外れ、凶悪な怪物へと変貌しかねない歩く時限爆弾だ。


そんな危険分子が街から姿を消しているなど、防衛上の観点から見れば赤色警報級の重大インシデントに他ならない。


それほどの一大事を、なぜ実戦経験がほぼ皆無で、普段はお茶を濁す書類仕事ばかりしている自分たちのような窓際小隊に回してくるのか。


突き詰めれば、この特別対策室の設立そのものが、身も蓋もない特権の産物だった。


凛花は学生時代から異次元の才覚を示し、卒業と同時に最高峰である「不渡」級の覚醒者へと至った。本来であれば軍へ強制徴募される身分である。


だが彼女は気まぐれで、軍隊特有の息苦しい規律や上下関係を心底から毛嫌いしていた。


そこで、西園寺家と肩を並べるほどの財力と政界への影響力を持つ財閥の長たる父親が、ありとあらゆるコネと札束を動かし、愛娘のためだけにこの独立対策室をでっち上げたのだ。


巨大な後ろ盾があれば、お役所仕事の手続きなど形骸に過ぎない。


凛花の青写真では、素性の確かな無害な部下を数人侍らせ、のんびりと茶でもすすりながら戦時動員期間をやり過ごすはずだった。


それなのに平穏な日々も束の間、上層部は厄介極まりない失踪事件を押し付けてきたばかりか、伊織という歩く人造災害までをも、あろうことか自分の目の前に送り込んできたのである。


凛花の視線が、再び自然と伊織へと注がれる。細めた瞳の奥で、その華奢で整った顔立ちをつぶさに検分した。


先ほどはデータの異常さに気を取られていたが、こうして間近で見れば見るほど……この子は、あの世界的に名を知られた「西園寺夫人」に酷似している。


艶やかな漆黒の長髪や澄んだ緋色の瞳が瓜二つであるばかりか、左目の目尻に宿るあの妖しくも愛らしい真紅の泣き黒子まで、寸分違わず一致していた。


背筋を突き抜けるような冷たい戦慄が、不意に凛花の胸をよぎった。


彼女は世間知らずの一般市民ではない。権力の中枢に身を置く者として、この事実が何を意味するかを痛いほど理解していた――ゆえに、この気付きを口外するわけには到底いかなかった。


もしも、世界最高峰の抗次元武装戦力を牛耳り、国家をも買収しうる西園寺家が知ってしまったらどうなるか。


自分たちが十数年にわたって血眼で探し続けていた本物の掌中の珠が、あろうことか六歳で非人道的な生体実験施設へと売り飛ばされ、十一歳からは最前線の肉挽き機で軍のために命を削らされ続けていたのだと知ったなら――。


その時巻き起こる事態は、「激震」などという生ぬるい言葉では済まない。


薄氷を踏む思いで保たれているこの街の脆い平和など、激怒した財閥の私設軍隊と軍の醜聞の衝突によって、一夜にして灰燼に帰してしまうだろう。


(……傑作ね)


凛花の艶やかな紫の瞳が、危険で愉悦に満ちた弧を描き、その白い指先が自らの紅唇をなぞった。


厄介に見えたこの依頼の裏には、どうやら思っていた以上に刺激的な秘密が転がっているらしい。


机を叩く指の動きに合わせ、凛花の怜悧な頭脳は急速に思考を巡らせていた。


街を一つ吹き飛ばしかねない「西園寺家の時限爆弾」を、何食わぬ顔で自らの対策室に放り込んできた軍上層部の意図は明白だ。


彼らは凛花の背後にある巨大財閥の威光を、そのまま防波堤に利用する腹積もりなのだろう。


万が一、この子の惨状を知った西園寺家が狂乱の末に暴発したとしても、同格の力を持つ白峰家が相手であれば、全面戦争のコストを天秤にかけて踏みとどまるかもしれない、と。


「さて。歓迎会の続きなら、さっさと行って済ませてきなさい」


凛花はひらひらと手を振り、気だるげな仕草で端末のホログラムを消した。紫の瞳に、上位者特有の泰然とした光をたたえながら。


「今日が最後の羽伸ばしよ。明日からは全員、身を粉にして働いてもらうからね」


その言葉を聞くや否や、床の上で生まれたての小鹿のように震えていた三人の隊員は、地獄の底から救い出されたかのように歓声を上げ、互いの肩を叩き合いながら一目散にドアへと雪崩れ込んでいった。


嵐が去ったかのように静まり返ったオフィスの中、伊織だけが、まるで精巧な氷像のように静かに跪いたまま動かない。


「どうしたの? 私の機嫌を損ねるのが怖くて、立てなくなっちゃった?」


頭上から、凛花の透き通るような声が降ってきた。


冷たく澄んだ玉石を打ち鳴らしたかのような、耳朶をくすぐる美声。


そのかすかなからかいを含んだ声音が鼓膜を震わせた瞬間、伊織の敏感な耳朶にツンとした痺れが走り、淡い朱が差した。


その声はまるで鍵のように、何年もの間頑なに閉ざされていた伊織の記憶の扉を、無遠慮に押し開けてしまった。


――それは遠い昔の、灰色の小雨が降りしきる薄暗い夕暮れのこと。


軍に使い倒される兵器としての宿命を背負った伊織は、過酷な殲滅任務の合間を縫って学業をこなす生活を余儀なくされていた。


学校に姿を見せることなど滅多になく、隣の席の生徒と話すことも、友達と呼べる存在ができることもない。彼女は教室の片隅に漂う、誰の目にも映らない透明な幽霊だった。


あの日、校門の周りは家路を急ぐ生徒たちで溢れていた。誰もが楽しげに笑い声を上げながら友達と一本の傘を分け合って走り去るか、あるいは暖かな車内で待つ親の元へと駆け寄っていく。


そんな中、伊織だけが、色褪せた制服のまま校舎の軒下にぽつんと立ち尽くしていた。待ってくれる人などおらず、傘を届けてくれる者もいない。


彼女はただ、冷たい糸のような雨がアスファルトを叩き、無数の鈍色の波紋を広げていくのを、麻痺した心で見つめ続けることしかできなかった。


その、灰青色の雨の帳に閉ざされた世界に、傘を差した凛花が現れたのだ。


あの時、凛花がどんな言葉をかけてくれたのか、正確な文言はもう思い出せない。


ただ覚えているのは、浮世離れした気品と柔らかさをまとった白髪紫瞳の少女が、あまりにも自然に自分へ声をかけてくれたこと。迎えの車がすぐそこに来ているからと笑い、そして――手にしていた傘を、そっと伊織の手のひらに握らせてくれたこと。


それは、恵まれた令嬢の気まぐれな思いつきに過ぎなかったのかもしれない。


けれど、消毒薬と返り血と殺戮の記憶だけで埋め尽くされていた伊織の短い人生において、それは初めて触れた、そして唯一の純粋な優しさだった。


あの忘れ形見のような傘と、雨煙の向こうで凛花が振り返りざまに見せた息を呑むほど美しい微笑み。それは伊織が幾度となく沈降率の限界に追い詰められ、身を焦がす激痛に自らを裂いてしまいたくなった時、歯を食いしばって心の中で抱きしめ続けてきた、消えることのない甘美な夢だったのだ。


「……さっきから、じっと私の顔ばかり見ているわね」


凛花の声が、伊織をあの遠い雨の日から強引に引き戻した。


白髪の美女は面白そうにわずかに身を屈め、その紫の瞳に悪戯っぽい光を宿している。この謎だらけの少女に対する興味は尽きない――何より、西園寺家の令嬢かもしれないという危うい背景も含めて。


「どこか以前に、私と会ったことがあって?」凛花がくすりと笑った。


「……はい。昔、学校でお会いしました。あの時、私を助けてくださって……だから、ずっと覚えていたんです。あの時は、本当にありがとうございました!」


これ以上ないほど純粋で、真っ直ぐな答え。


凛花は一瞬だけ虚を突かれたように目を瞬かせたが、すぐにその口元に浮かぶ笑みを深めた。


優雅な足取りでオフィスチェアから立ち上がり、跪く伊織の前まで歩み寄ると、白玉のように滑らかな指先を伸ばす。


そして、伊織の小さく尖った顎をそっと掬い上げ、その真紅の瞳を強制的に自らの視線と結びつけた。


「私に声をかけてくる人間なんてね、街の端から端まで並べられるくらいにはいるのよ」


凛花は小さく忍び笑いを漏らし、吐息がかかるほどの距離で、まるで手元の仔犬をからかうような軽やかさで囁いた。


「だからね――『昔どこかでお会いしました』なんて古臭い口説き文句、私には通用しないわよ?」


そう言って、凛花の人差し指が伊織の小さく整った鼻の頭を親愛を込めてツンツンと二度小突き、そのまま少女の細い手首を掴んで、小さな身体を絨毯からふわりと引き上げた。


「さ、昔話はおしまい。美味しいものでも食べに行きましょ、私のおごりよ」


凛花の態度はどこまでも気前がよく、爽やかだった。


それは寛大な上司が新入りの部下に向けた、ありふれた歓迎の挨拶そのもの。特別扱いなど微塵もなく、ましてや「運命の再会」などという感傷の入り込む余地などどこにもなかった。


手首を引かれて歩き出す伊織の掌に、相手の体温が伝わってくる。


けれど、少女の指先は小刻みに震えていた。


――伊織は、残酷なまでに思い知らされていた。


あの雨の日の出来事など、眩い光の中に生きる令嬢にとって、路傍の小石にわずかな憐憫を施した程度の、取るに足らない気まぐれに過ぎなかったのだと。あの輝かしい軌跡において、自分の存在など埃の一粒にすら値しない。


彼女はとうの昔に、あの日のことなど綺麗さっぱり忘れ去っていたのだ。


言葉にならない苦みと酸っぱさが、引き潮の黒水のように胸の奥底から一気に込み上げ、喉元をきつく締め付けた。


伊織はうつむき、かつて無数の敵の返り血と肉片に塗れてきた自らの手を見つめながら、自嘲のようなかすかな笑みを口元に滲ませる。


(……そうよね)


全身から異形の気配を漂わせる、こんな生体兵器のなり損ないが、あの遥か高みにある光に覚えていてもらえるなどと、どうして夢を見られただろう。


胸の奥底で八年間、誰にも触れさせず大切に温め続けてきた、自分だけのささやかな初恋。


それは、あの灰青色の冷たい雨が止んだ瞬間に、とっくに声もなく終わりを告げていたのだ。

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