↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の終演を君に。  作者: 遠藤
PR
9/15

8

「っ……疲れた……」


最後の仕上げ、とEnterを押す。ガシャン、という音と共に、足元の西都タワーの明かりが消えた。


「う……流石に寒いな……」


連日の徹夜での準備に加え、急な身体の酷使に立っていられず、思わず座り込む。……とは言ってもここは西都タワーの最上階のその上、頼りない足場が少しあるばかりである。


「……あとは待つだけ、か」


ここまで来てしまえば、もう僕がすべきことはなかった。後は共犯者達が、担当の場所の起爆システムを確認し報告をくれれば良い話。各地からの報告さえくれば、Enterを押して……全部吹き飛ばす。このままいけば、夜明けを待たずに世界は滅びるはずだ。


 


確かに、この国中に爆弾を仕掛けたところで、世界全てを「物理的に」滅ぼすのは不可能だ。そんなことは最初からわかりきっている。けれど、それが「経済的に」だったとしたら?……可能である。


先進国であるこの国が物理的に沈めば、世界が天災や経済的混乱に陥るのは自明の理。いくら小さな島国といえども、地形が変わるほどの衝撃を受ければ、星全体のダメージは相当に大きいものになるはずだ。


「少し、休もう……」


無理が祟ったのか、正直もう目を開けているのすら辛いほどの疲弊を感じる。どうせもう芽依はここには辿り着けない。下には見張りがいて、更にこのタワーの頂上への電気扉は、電源が落とされて稼働しないのだから。


「ほんの少し、報告が来るまで……」


世界最後の休息は、不思議なほど穏やかな夜景の中に微睡んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。