表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剝製屋事件簿<水色うさぎ>  作者: ルリコ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/6

ウサギ男に殺された


 生配信(怪談師阿尼、殺害)の直後、

 京都府警に犯人を知っていると情報提供があった。 

 電話を架けてきたのは女。

 石川メグミと名乗った。


「俺と薰がアニーを殺したと?……なんでそうなるの?」

 誰がとは、聞かない。

 あの時の3人の……残っている一人だと分かった。


「茶髪の……パールやな」

 薰も、見当はついていた。


「あんな、包丁を握った犯人の手がな、写ってたんや。……それは水色の手、やねん。モフモフした水色の素材が腕全体を覆ってる感じや」


「まさか……ウサギ男なのか?」

「パールも、そう思ったんやろな。犯人がウサギ男の格好してたんやったら、事前に話を聞いていた、いうことになるやろ」


 また、聖の頭にウサギ男が浮かんでくる。

 ピエロのような分厚い真っ赤な鼻。

 黄色すぎる白目が、ありありと……。


「パールはな、ウサギ男は知人の創作やと説明したらしいで。女3人で温泉旅行に行った時の、コーヒータイムの一興やったと」

 そのとき、隣の席に怪しい2人の男がいた。

 終始無言。

 こちらの会話を盗み聞いていた。

 その夜、ウサギ男の話をした知人が病死。


 翌日には、

 怪談師阿尼が<人に喋れば死ぬ話>を動画配信するとSNSで予告。


 怪談師の命を狙う殺し屋達には<ウサギ男>の話だとわかった筈。 

 そして、

 あたかも、<人に喋れば死ぬ話>を喋った呪いのように見せかけ、

 捜査攪乱を企てたのではないか。


「パールは、怪談師阿尼は人に恨まれ、殺し屋を雇われても不思議で無い、とも言うてたらしい」

「へ?……あのオバサン、なんかしでかしたの?」

「配信している<実話怪談語り>の中に、実際の事故や事件を扱い、尚且つ被害者や遺族を貶める内容があるんや」

「へ?……まじで?」

 優しそうな雰囲気から想像もつかない。


「例えばな、トイレで殺された女の子はな、爺さんが公園のトイレで女児を殺した因果応報や、とか。……ガセやねんで。殺人犯と、名字が同じなだけや」

「……感じ悪いね」

「プールで溺れて死んだ子は水子霊の祟りやとか。母親が結婚前に2回中絶してると。ホンマでも嘘でも、言うたらアカンやろ」

「すっげえ、感じ悪い」

「しやろ?……恨みによる犯行の可能性はあるんや。パールの推理はあながち外れとは言えない」


「けどさ、パールとアニーの他に<ウサギ男>の話を聞いたのが、俺たちだけとは限らないだろ?」

「うん。アニーは身近な人間には喋ったかもな。作り話やと思ってるから。動画では喋ったからエスターは死んだ、自分も死ぬ覚悟やと、大げさに身体を震わせたり涙流したりしてたけどな」

 ……演出、だった。

 怖がる演技の下には、微塵の恐れも不安も無かった。


 それが、<ウサギ男>に刺し殺された。


「カオル、犯人は<人に喋れば死ぬ話>が、<ウサギ男>の話だと、知ってた奴には違いないね」

「しやな。本人がSNSで予告したのは、配信時間とタイトル<人に喋れば死ぬ話>だけや。内容には触れていない」

 どうして知り得たか?

 アニーから聞いたとしか考えられない。


「犯人はアニーの知り合い、だよね」


「それか本物の『ウサギ男』やな」


「へっ?」

「セイが教えてくれたから、エスターの話を検証したで。えらい面倒臭かったで。……団地の窓から転落死したキミ子は存在してたな。ほんでな、同時期に同じ団地で一家4人惨殺や。無理心中か否か未解決の……ウサギ男は殺人鬼かもしれんで」

「し、調べてくれたんだ」

 それには感謝。

 でもなんで、ウサギ男がアニー殺しの犯人なんだ?


「フフフ」

 薰は気味悪く笑う。

「もうちょっと調べてから、話、しに行くで」

 ごくりごくりと

 ビールが喉を通る音


 ぷつんと電話は切れた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ