馬車は中々キツイです
ガタガタと馬車に揺られながら私達は件の村へと向かって行った。
「~ッテ!! 何で車を使わないんだよ!?」
背の高いライヤは揺れのせいで頭をぶつけた事三回目。流石に奴の目には涙が浮かんできた。
「しょうがないでしょう? 件の町に車で行くにはあまりにも狭すぎるし、整備も碌に整っていないのだから。馬車が唯一の交通手段なのよ」
意外と情報通だったセツカは理由をスラスラと述べた。
「整備はまだかよ~こう言った事は国の仕事だろう?」
「一応陛下も地方の整備を推し進めていますが、人の手か足りない状態ですから……」
レーフェルさんは申し訳なさそうに答える。そんなレーフェルさんに「別に怒ってないからね?」とライヤはフォローした。
しかし何で私がライヤとあいつの間に入らなければならないのか!? 男と固まれよ!
「だけどアンソニーさんがあの流輝圭だったなんて知らなかったよ」
と突然リツカが私に話を振って来た。
「はい? ソレが何か?」
「流輝圭と言えば『人間図書館』の二つ名を持つ解読専門の凄腕冒険者よ?」
「ええーと。ユマなんちゃろてどれだけ凄いの?」
あいつは手を上げて質問する。
「ああ、そう言えばカイはこの国出身じゃあないわね」
「でしたら説明は私がしましょう」
名乗り上げたのはハイド・ミンシオだ。
「カイリと私は少々顔見知りで。私が説明した方が宜しいでしょう」
へー、ハイド・ミンシオはあいつと知り合いなんだ。道理で親しげな気がしたものだ。
「アンソニーさんも宜しいですか?」
「別に隠す事じゃあないから」
「では」
ハイド・ミンシオはゴホンと咳払いをすると話し始めた。




