閑話、又はとある絶望を回避する大人達の話
「それじゃあ、私も準備があるから帰るね」
「失礼しますアイニア様」
「それじゃあ依頼宜しくね~」
カラン達がいなくなると後に残ったのはアイニアとセレスだけとなった。
「……今回はかなり違いますね」
「そうね。死神の事件なんてどのパターンにもなかったし、今回の依頼もなかった」
「……今までとは違うと?」
「かもね。でも油断はできない。今までの事を考えると、簡単に楽観視しては駄目よ」
「心得てます。……しかしあの少年何者でしょうか?」
「分からない」」
アイニアは頭を振る。
「少なからず彼が原因なのは間違いないわ」
「さりとて、あの子に悪意を持っていない。それどころかあの子を守ろうとしている」
「今までの事を考えても嘘とは思えないわ」
「でも恐らく現状を作っているのは彼」
アイニアの脳裏には忌まわしき記憶が蘇る。
ある時は火に焼かれて炭と化した。
ある時は水の底に沈んだ。
ある時は剣に切り裂かれた。
ある時は魔物に噛み砕かれた。
ある時は建物が崩れて潰れた。
ある時は誰かに罪を着せられて処刑台へと登った。
ある時は毒を飲まされた。
ある時は重い病に掛かってしまった。
ある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時はある時は
「……鬼門は『十八歳の誕生日』」
「ソレを過ぎれば恐らくは安泰ですが……」
「多分今回は上手くいく気がする。勿論私達の活動の手も緩めては駄目よ」
「了解です」
「……今度こそ、あの子の花嫁姿見たいんだから」
「…………私も、同じです」




