お仕置きです
そんな大騒ぎをよそにカランはと言うと・・・・・・
「あ、足が・・・・・・頭が・・・・・・」
ギルドの酒場の隅に首から『反省中』と書いているプラカードをぶら下げて正座で座っていた。
「なんだいお嬢、また何かやらかしたのか?」
「ええ。何でも他の子が召還を失敗して右腕を切り落とす羽目になって・・・・・・」
「そりゃ怒られるわな。お嬢少しは反省しれよー!」
「うるさい!!」
チーフと常連に花蘭が涙目になりながら叫んだ途端。
ガッシャーン!!!!!!
「ゲッフ!」
カランの頭上から金タライが降ってきて、カランの頭にクリニカルヒットした。
「何だマスターの魔術か?」
「お仕置きだそうで。勝手に動いたり騒いだりしたら発動します。・・・・・・今ので五回目です」
「そりゃ大変だ。ワハハハハ!!!! しかし、お嬢もバカだな~」
常連の男は大して心配などしておらず、チーフにビールのお代わりを頼んでいた。
「うう・・・・・・ちくしょ」
カランは金タライをぶつけられた頭を撫でながら項垂れていた。
「あの・・・・・・カランさん」
突然頭上から声がした。
頭を上げると、先日カランが助けたアルバイトの少女が立っていた。
「マスターが『部屋に来るように』と伝言を頼まれました」
「ああ、そう・・・・・・わかった。悪いけどレナちゃん。部屋まで手伝ってくれない? 足がヤバイ」
「は、はい」
カランがアルバイトの少女の肩を借りながらカウンターの奥に消えていった。
「どうやら最後の仕上げにかかるようだなマスターは。あ、あっちゃんビールお代わり!」
「飲み過ぎですよ。この間のように奥さんにまたどやされますよ」
「かーちゃんが恐くて飲めるかってーの!」
「ほほーう」
ギクッ!!!!
常連の後ろから声がした。
常連の冷や汗は滝のように流れておそるおそる振り向いた。
後ろには恰幅のよい女性が背中と前には赤ちゃんを、両側には子供携わって立っていた。
「アンタはこんな日の明るい内に飲んで、仕事はどうした!?」
「いや・・・・・・早めに終わって・・・・・・」
「嘘おしゃい!!どうせまたサボったんだね!?ウチには子供が小さいのに何やってんだい!!!!」
「かーちゃんごめん許して!!!!!!」
「奥さん落ち着いて下さい。ほら、お子さんが泣いてますよ」
常連の男が奥さんに首を絞められてるのを、奥さんに預けられた二人の赤ちゃんをあやしながらチーフが宥めていた。
周りは他人事のように囃し立てたりして今日もギルドは大騒ぎであった。




