ごめんなさい
ドアに立っていたのは金髪が腰まである碧眼の美女がいた。おでこには痛そうに真っ赤になっていた
ティカ先生は息を飲むほどの美女に驚いている。
「あの・・・・・・どちらで?」
恐る恐る声を掛けるティカ先生美女の正体を私から付けた。
「義母さん?」
「・・・・・・義母さん!? つまりこの人がアイニア・アンソニー!?」
義母さんはティカ先生の存在に気付かないのか私に一直線に近付いて、思いっきり平手打ちをした。
乾いた音が静かな保健室に響いた。
呆気に取られている私やティカ先生をよそに義母さんの大きな瞳にはポロポロと涙が溢れてきた。
「・・・・・・か、カランがそう言う子なのは知ってたけど、こ、こんな事して、死んだらどうすんの!! 何かあったら、何かあったら・・・・・・!!」
最後はもう言葉が出なくなったのか、義母さんは私を抱き締めてきた。
義母さんが大人の姿になった理由と肩に滲みる涙を感じてやっと事の重大さに気づいた。
そして私は本当に死に掛けたんだと気が付いた
ふと、私が死ぬ前の両親の事を思い出した。
死ぬ前の世界については考えなかった。いや、考えようとしなかった。もう関係ない事だから、もう死んだのだから、あっちの世界については考えないでいた。
しかし、あっちの世界にいる人はずっとソコに生き続ける事を忘れていた。
近所に住んでいた野球部のキャプテンも雪絵さんも父さんと母さんも私とあいつを殺した同級生の事も全部忘れていた。いや、忘れたかった。
母さん達はどうしているのだろうか。あいつの親御さんもどうだろうか。あいつの両親は一回しか会ったことがないけど、優しそうな夫婦だったな。 絶対にあいつが死んだら泣くだろうな。・・・・・・母さん達も泣いてるかな? 一応私は一人娘だし。泣いてくれればいいな。でも人前では泣かないだろうな。
そんな事を考えたら、哀しくて哀しくてどうしようもなくて、何でこんな目にあうんだろうと怒りを覚えて、でもどうしようもできないから忘れるしかなかった。
「・・・・・・ごめんなさい」
この謝罪は義母さんだけでない。
近所に住んでいた野球部のキャプテンや家政婦の泉さんや父さんと母さん、私とあいつを殺した同級生にあいつの両親に。アッチの世界の人達に。
今度の死は多分転生何て出来そうもないだろう。
忘れてごめんなさい。
もう忘れないよ。どんなに辛くても絶対に忘れない。
「ホントにごめんなさい」
「・・・・・・・・・・・・帰ったらギルドの皆のお説教が待ってるから」
「それは怖いな~」
軽口を叩きながら私と義母さんは保健室から出ていった。




