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目が覚めました

・・・・・・・・・・・・



「やっと起きたわね」


「・・・・・・・・・」


「自分の名前を言える?」


「・・・・・・花蘭・アンソニー」


「何で倒れたか分かる?」


「私が自分で腕を切ったから」


「そうよ。貴女、出血多量死寸前だったのよ?」


霧のかかった頭が少しずつ晴れてきた。私の隣に茶髪の女の人が座っていた。


「私は保険医のティカ・ミルナよ」


茶髪の女の人は不機嫌そうに眉間にシワを寄せていた。


ふと、自分の右腕があった場所を見た。もう新しい右腕がそこにあった。


グーパーグーパーを繰り返したがどうやら以前と何の変わりがないらしい。


「キミはバカでしょ」


「・・・・・・」


「死神相手にあんな行動をして。しかも腕を切るとは何事か」


「いや・・・・・・再生できるから別に良いやと・・・・・・」


「初見の人間は驚くでしょ」


「・・・・・・面目ありません」


「まあ、その調子なら大丈夫でしょうね。明日は今日の事があって休校よ。良かったわね三連休が出来て」


「ミリア先生達はどうなるんです?」


「こっちは今回の対応でてんてこ舞よ。まあ、ガースナー先生達は辞職しないわね。給料は何割か減るでしょうけど」


「規則第十五条ですね」


「やっぱり覚えてたのね『ユマン・ビブリオテック』の花蘭・アンソニーさん?」


「(そのアダ名は勘弁して)」


「それじゃアンソニーさん?第十五条を読み上げなさい」


「・・・・・・『教師及びそれに近い人物が禁じられた行為を説明したのを関わらず、行った事によって怪我や死亡をした場合、学園はその責任は追わない。しかしその説明を教師及びそれに近い人物がしなかった場合は除く』」


「良く出来ました」


ティカ先生はパチパチと手を叩いた。


「そんな訳でガースナー先生達の監督責任は問われないわ。まあ、死者に鞭を打ちたくないけど亡くなった生徒達、学園ここに来る前、かなりの問題を起こしてたみたい。しかも親が其なりに高い地位らしかったからタチ悪かったみたい」


「もしかして『第十五条』はそんな人達によって作られたの?」


「ニ十二、三年前かしらね。どこぞのアホが確か・・・・・・アジ・ダハーカだっけ?そいつ呼び出した奴と周りにいた無関係の人間に死傷者が出たのが切っ掛けね。学園側に責任はなかったけど、なんせ呼び出た奴の親が貴族で一時学園は廃校になりそうだったらしわ」


「それは御愁傷様で・・・・・・。ところでアジ・ダハーカはどうしたんです?」


「当時いた先生達総員で何とか元いた場所に帰ってもらったわ。それからかしらね。召還の先生が増えたわ」


「まあ・・・・・・そりゃそうですよね」


アジ・ダハーカ


ゾロアスター教に登場する邪悪な竜。


私が読んだ本によれば『悪神アンラ・マユによって生み出された配下。三つの頭と三つの口、六つの眼を宿している。ダハーカの由来は不明だがアジは「蛇」という意味である。メソポタミア地方の古代都市バビロンにあるとされるクリンタ城に棲んでいる。千の魔法を駆使して悪を成し、敵対する者を苦しめる。英雄スラエータナオ(ファリードゥーンともいう場合も)が退治しようと剣を刺したが、傷口からサソリやトカゲなど無数の邪悪な生き物が這い出してきた。そのため殺害できず、捕縛してダマーヴァンド山の地下に幽閉した』

簡単に言えばリアルチートである。


「良く呼びたそうと考えましたね」


「バカの考えなんて理解したくないわよ。それよりさっさと着替えなさいな。風邪引くわよ」


「えっ?」


布団を剥がすと上半身が下着だけの状態になっていた。


・・・・・・どうりで寒いと思ってたよ。


「手当てするときに脱がされてね。横に新しいのが用意してあるからそれを着なさい」


「ありがとうございます」



私が制服を着替え終わると廊下が騒がしい。誰かが走って来た様だ。慌てているのか壁にぶつかる音もする。ドアを乱暴に開いた。


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