『あいつ』の弊害と大事件の予感
ミリア先生の説教が終わった後は私は直ぐに解放されたが、イチノミヤ先生はこれから理事長と学年主任からも叱られるようだ。南無南無と心の中で合掌した。
中庭に戻るともう殆どが使い魔を手に入れたようだ。皆、自分のパートナーと交流して仲を深めている。
私は近くにあった木の下に座って授業を終わるのを待った。ふと、あることを思い出してポケットからスマホ(どうもこの世界の科学は前世同じかそれ以上の発展をしていた)を取り出した。
「・・・・・・あ、白露?」
『カラン様ですか。どうかしたんです?』
掃除機を掛けていた最中だったのか、掃除機のあの五月蠅い音が此方側でも聞こえる。だが、すぐにその音が聞こえなくなったので白露が消しただろう。
「いやさ、今日は」
『ああ、使い魔ですね。で、今日は歓迎会を開こうと』
流石白露。私が言う前に全て察してくれた。
「そうそう。だから白露には買い物と掃除をお願いするね。料理は……白露の方が上手いから私は手伝いに回るわ」
『分かりました。今日は腕をよりにかけて作りましょう』
「助かるわ」
『いえいえ。きっと吹雪様も喜びますよ』
「じゃあヨロシク」
『はい』
スマホをきってポケットになおした。
さてと。
私は後ろに振り向いた。
「・・・・・・隠れなくてもいいんじゃない?」
後ろに隠れていた誰かが驚いていた。
「そこに突っ立てないで、私の隣に座りなよ」
最初は戸惑ってたが、オズオズ姿を現した。
隠れてた人物はなんと、DQN達に絡まれていたのをあいつが助けた女の子だった。
「あ、あの」
「いいから座りな」
何が良いだけな女の子だが、ソレを無視して私の隣をぽんぽん叩く。すると、女の子はオズオズと座り出した。
「確かクレアさんだっけ?」
「え、あ、はい」
クレア・レーフェル。ふんわりと肩まである金髪に碧眼のお人形のような顔立ちの女の子だ。なんかこの学校、美人多くないか? 流石異世界。
「そっちは使い魔、何だったの?」
「妖精でした」
「へー」
「「……」」
悲しいかな私は前世の頃から他の女子とあまり会話していない。その為こういった女子との会話が長続きしない。自分から誘っといて会話もナシとか気まずいなー。
「あの・・・・・・」
「何?」
沈黙に耐えきれなくなったのか、今度はレーフェルさんから話しかけてきた。
「怖くなかったの?」
「え? ……ああ、さっきのね。まあ、確かに死ぬかもて、思ったけど怖いとは思わなかったわね」
「どうして?」
「どうしてて言われても・・・・・・命を賭けなきゃ説得出来ないて、一目見て思ったからそれを実行しただけよ」
「・・・・・・・・・そうなんだ」
あんまり理解していないな。まあ、自分の命を掛けてまで何かを成し遂げるなんてなかなかない事だよね。
あ、ミリア先生が帰ってきた。イチノミヤ先生がいないからまだ説教されているだろうか。ミリア先生がハンデッド先生と何か話してる。
「あ、あの・・・・・・」
私がミリア先生に気を取られていると、レーフェルさんが何か決意した様な顔になった。
「ん? 何かな?」
「その・・・・・・・・・・・・アンソニーさんは」
キャアーーーーーー!!!!
突然、空気を切り裂くような悲鳴が聞こえた。




