ライヤSaido
「あ~もー可愛いな~」
もう一度さっきのカランちゃんの顔を思い出して思わずにやけてしまった。にやけた顔を他人に見せないよう俯いて、片手で顔を覆った。
彼女の無表情の顔を慌てて真っ赤に変えさせた時のあの感覚。オレってSの才能があるのかも。
「もっと困った顔を見たいな~ああ、でも笑顔の顔も見たいかも」
ニヤニヤと今度はどんなイタズラをしようか考えていた。
ゾッ!!!
何だ今のは。
いや、答えは分かっている。
あれは紛れもない。殺気だ。
オレがとっさに後ろを振り向いたが直ぐに殺気が嘘のように消え去った。だが今でも冷や汗が止まらない。あんな明確な殺意は生まれて初めてだ。
回りを見回したが誰もあの殺気に気がついてない。
アレはオレにしか気付いていないのか。いや、そんなのは有り得ない。どんな素人でもあんなの気付くぞ。まさか他人には悟られずオレにしか殺気を向けていたのか? そんな事ありえない!
……取り合えず冷静に考えよう。
オレは食べかけのシーフードパスタをまた口に入れた。口に入れながら何故オレに殺気を向けられたのか考えてみた。
……今の所オレは他人に恨みを買うような事はしていない。
そりゃ本人が知らないうちに恨みを買てしまう事もあるが、入学して初日にそう簡単に恨みを買わない。
少し、行動を思い出してみよう。
午前中は先生の紹介を聞いただけであとは自分の自己紹介までほとんど寝てた。先生には疎まれてしまったかも知れないがそれだけであんな殺気は出さない。
じゃ何だ? 他にオレが恨みを買うような事は?人と話したのはカランちゃんぐらいだし・・・・・・
ああ。そっか。
あの殺気、なんか純粋な殺気とは言いたがった。何だか殺気に少し何か殺意とは別の悪意が混ざったような感じがしたが・・・・・・
アレは嫉妬だ。
「ハハ、傑作だ」
カラン・アンソニーと話した。それだけではなく、カラン・アンソニーをからかった。
それだけであんなモノを出すとは。カランちゃんもとんでもない者に好かれたな。
「まあ良いぜ」
あの殺気に怯えてカランちゃんと関わらないとかありえない。てか、あんな殺気を出させるような相手をもつ子は欲しくなった。……当人にはなりたくないが。
昼御飯を全部たいらげてそのまま立ち上がって、殺気を向けた方向を見た。
「あんたがその気なら、オレはどんな手を使っても彼女を自分のモノにしてやる」
誰かは分からないがオレはそう宣言しそのまま席を離れた。
「どうしたんですかカイリ? そんな恐い顔をするなんて」
「・・・うん? いや何でもない」




