入学しました
「ああ貴女がカランちゃん? アイニアから聞いてるわよ。いやね、私はさ、あいつとは腐れ縁でね。あいつの性格をよく知ってるのよ。入学の話しも今日言われたんでしょ」
「ええ、まあ」
「やっぱり?あいつはホント急すぎるよね。こっちも朝一で言われて驚いて抗議したさ。だけど制服代の三倍のお金を出すて言われて、ほらあいつは約束は守るでしょ?しょうがなく引き受けたのよ。でも貴女も大変ねあいつのそばにいるの」
「まあ……」
「あいつは友人として良いけど身内になりたくないわね……ああそのまま動かないで採寸はかるから」
やはり義母さんの友達だ。この人もキャラが濃ゆい。
義母さんが教えた洋服屋はなかなか可愛らしいショップだ。で、店内に入って白露達と別れて、店員さんに連れられて店の奥に入ると、坊主頭のオネエがいるじゃないか。このオネエが喋ること喋ること。殆んど会話できない。見た目は黙っていればカッコイイ洋服屋の店長なのに。しかし、この人手際よく採寸測るな。
「はい。もう服に着替えて良いわよ」
そう言われて着替えて白露達がいる部屋に帰ってきたときだった。
「あ、貴女が良ければ服買わない?貴女スタイル良いから何でも似合うわよ」
「買ったらどうです?お金も時間もありますし」
「あらヤッダお兄さんイケメン~ねえねえメアド教えて~♥」
「え、ええ~」
店長さんが白露に構いだしたのを尻目に私は吹雪と一緒に服を選んでた。
「お母さんこの服が良いよ!」
吹雪が指差したのはワンピースだった。
水色のワンピースに大きなリボンの真ん中に可愛らしい花が一輪咲いてある。中々可愛いデザインだ。
「値段は……手頃だな。よし店長さんこれにします」
「あら~カランちゃんお目が高い! それは有名デザイナーがデザインした最新のワンピで在庫はそれが最後なのよ」
「へえ~」
特別に値段を安くしてくれたから、この際白露がほっぺにキスマークが沢山付けて弱っている姿を見ないことにしよう。
それから店長さんからワンピースに合うピアスとネックレスをおまけに付けてもらって家に帰ることにした。
「良い所だったね~」
「また行きたいわね」
「勘弁して下さい!!」
―入学式―
「とてもお似合いですよ」
「ありがとう」
レイシン学園の制服は可愛らしいデザインだ。水色ののリボンを中心に白のブレザーに茶色と白のストライプスカートだ。流石金持ち校、お金の掛け方も違う。
「あ、お母さんちょとかがんて」
「うん?なになに?」
「ちょと眼を瞑ってね」
吹雪に言われて眼を瞑りかがんてみたら、左側の髪にごそごそと何かしていた。
「はい。鏡見てね」
吹雪に言われて鏡を見た。
「わあっ!」
鏡に写ていた私の髪の右側に赤いリボンが付けてあった。
「お母さん前に『私、男によく間違われているのよね』て言ってたのを聞いて白露と相談してさ」
「髪に飾りをしていたら男に間違われないと考えましてね。この間の制服の寸法を測ってもらった時に二人で選びました」
二人が選んだリボンは本当に普通の安物のリボンだ。でも、でも。
「僕のお金じゃそれしか買えなかったの・・・イヤ?」
私が俯いていたのを吹雪が不安そうに顔を出していたのを私はあわてて目元を拭いた。
「・・・・・・ありがとう二人共。大事にするね」
私は二人にとびっきりの笑顔を向けた。
私のそんな姿を見て二人は嬉しそうにお互いの顔見た。
「いってらっしゃいませ」
「頑張ってね♪」
二人に手を降りながら私は学校に送ってもらうセレスさんの所に向かった。
「流石有名校。あそこに一緒に通っている女子生徒達ウチの国の指折り企業ののお嬢様達。あっちは隣国の第二王子様よ」
「・・・・・・・・・よく分かりますね」
「アイニアと一緒にパーティーとか行ってるからね。それなりに分かるわ」
私はセレスさんの愛車の窓をぼーっと見ていた。
「それにしても、やっぱり有名校。これじゃ歩いて行った方がまだ速いわね」
確かにセレスさんの言うとおり車が大量に来ているため、学園が目の前に来ているが全然動く気配はない。入学式の時間を刻々と近寄っているわけがセレスさんは少し焦っているようだ。焦るセレスさんを横目に私は窓の景色を眺めていた。
『……個性的な人達がいるな~』
レイシン学園は国籍や貧富関係なく子供が通うから無理もないか。通っている生徒達をただ無心に眺めていた時だった。
………一瞬だった。
その人が私の目の前を通ったのは。
「・・・・・・・・・えっ?」
ホントに一瞬だった。気がついた時にはもう背中を向けていた。服からして男子だろう。髪は銀色。
これだけしか今の所解らない。だが、横顔しか見てないはずなのに何故か気になる。
『・・・・・・どこかで会ったのだろうか?』
何だか嫌な予感がする。絶対気のせいと信じたいが、残念な事に私の嫌な予感はほとんどハズレた事がない。私が前世で死んだときもこの予感は当たった。
「カラン悪いけど先に学校に行ってちょうだい。私も後から来るから」
私の様子を知ってか知らずかセレスさんが私に話しかけてきた。
「わかりました」
私はカバンを持って外に出た。「あまり急がなくても良いですよ」と一言添えてから。
新しい生活が始まるのに、最初からネガディブなんて嫌だ。さっきの事は忘れよう。
「・・・・・・よし」
深呼吸をして私は学園に向かって歩き出した。




