ケース4
「次は貴様の番だ!」愛刀懐剣を懐に納め、サブマシンガンを仮面男に向けるシェルス。
しかし仮面男はその場から全く動かず、ひたすらせせら笑いを零している。
「何か勘違いしているようだね。シェルス・モリソンくん。」
ジャネットはお互いの動きを牽制しつつマグナムリボルバーを構えている。
するとシェルスがその異変に気付き、「伏せろ!」と叫んだ。
目を開けた時にはもう遅かった。シェルスは死んだはずのジラウザーによって首を絞められている。
ジラウザーの太い二の腕によってシェルスの体は宙に浮いていた。
「あんな安物の機関銃など我が肉体には効かん。リバースアビリティを持つ我にはな。」
リバースアビリティ…私は詳しく知らないが、人間が持つ自然治癒能力を最大限まで高めることが出来る。
さらにもう一つ特殊な力があるのだが、それは能力者にしかわからないのだ。
シェルスはもがき苦しんでいたが、懐の懐剣をすばやく抜き、太い二の腕にグサリと刺した。
ジラウザーの絞め技から逃れたその一瞬の隙に、再びサブマシンガンを全弾撃ち放った。
弾丸はシェルスの恐るべき射撃テクニックで、ほとんどが頭部に命中していた。
さすがにこれは即死であろうとジャネットも思った。しかし、ジャネットの心の片隅にある『まさか…』という嫌な予感は的中した。立ち尽くしていた確かに死んだはずのジラウザーから聞こえる声…
「我には効かんと言っているだろうが…ククク…そろそろお遊びは終わらしてもらおうか…」
その言葉と同時にジラウザーの右手のすべての血管が浮き出る。
冷汗を流すシェルスは黙ってそれを見ている。
ジャネットも同じくその光景をじっと見る。
……! 右手は巨大な刃へと姿を変えた。
それだけではない。その刃にはジラウザーの血管がドクドクと脈打っており、刃には獲物を逃がさぬように小型ナイフほどの返し刃が付いている。
我に帰ったシェルスがサブマシンガンに弾を込め、再び連射する。
がしかし、巨大な刃によって弾は無意味な物になる。
突っ込んでくるジラウザー。
「逃げろ!ジャネット!」
これが彼の最後の言葉だった…




