第四章:永遠の光の微笑み
村への旅
王国兵との激しい戦いのあと、ツバサは、将軍の血がまだ影の剣を濡らしたまま立っていた。その表情は冷たい。だが目の奥には、隠しきれない満足がある。
ハンが歩み寄った。声は穏やかだが、きっぱりとしている。「体を洗ってこい、ツバサ。奴らの援軍が来る前に、すぐ出発しなきゃならない」
ツバサは短く頷いた。「承知しました」
すべてが静まってしばらくのち。
ハンは、まだ息を切らしているルデスとエンセイのほうを向いた。「二人とも、大丈夫か?」
ルデスは頷いたが、左肩はまだ痛んでいた。「ああ、大丈夫だ。俺の村まで案内するよ」彼は感謝のこもった目でハンを見つめた。「すぐ出発しよう」
ハンは妹に微笑みかけた。「リナ、行こうか」
リナが応える。「うん、お兄ちゃん!」
――
## モンスターの襲撃
六人の冒険者は、森の奥深くへと足を踏み入れた。そびえ立つ木々が頭上に暗い天蓋を作っている。彼らの足音は、静寂の中でかすかに響いた。
突然、枝が揺れた。
グルルァァァッ!
茂みの中からモンスターの群れが飛び出した。鋭い牙と赤く光る目を持つ、四足の獣たち。四方から襲いかかり、一行を取り囲む。
それまで、のんびりと後ろを歩いていたハンが、突然、戦場の指揮官のように変貌した。その目は、一瞬のうちに戦場全体を見渡す。
「ツバサ、正面の三匹を食い止めろ。一番でかいのは真ん中だ!」彼は鋭い声で命じた。「ルデス、左側からツバサを援護しろ! エンセイ、高い位置を取れ。あの倒木の上だ!」
「了解!」三人は声を揃えて応じ、ためらうことなく動き出す。
ハンは観察を続けた。その目は、計算する機械のように動いている。「ツバサ、三時の方向から二匹が、三秒後に襲ってくる!」
ツバサはハンの予測どおりに動き、影の剣が正確無比に閃いた。二匹のモンスターは、攻撃する間もなく倒れた。
「エンセイ」ハンは続ける。混乱のただ中でも、その声は落ち着いたままだ。「矢を十一時の方向、仰角三十五度、弓の引きは八割に! 大きな岩の陰に、モンスターが隠れてる!」
エンセイはハンがどうして分かるのか戸惑いながらも、すぐに指示どおりに弓を引いた。矢は空気を貫いて飛び、彼には見えもしなかった標的に命中した。
ドスッ!
岩の陰から、モンスターの悲鳴が上がる。
「すごい、完璧な計算だ!」エンセイは感嘆の声を上げた。
二匹のモンスターが背後からハンを追ってくる。彼は計算された動きで走り、かわした。「ルデス、俺の後ろだ、今!」
ルデスはすでに備えていた。前へ跳び出し、炎の剣で二匹を一太刀のもとに斬り裂く。
「助かった」ハンは言った。走ったばかりなのに、疲れた様子さえない。
数分のうちに、モンスターはすべて制圧された。誰も重傷を負わなかった――右腕に毒爪の傷を受けたツバサを除いて。
――
アリスが近寄り、ツバサの傷を診た。「毒の傷ね。私に癒やせるのは物理的な傷だけだから、毒には何もしてあげられないわ、ツバサ」
リナは満面の笑みを浮かべ、自信たっぷりに前へ進み出た。「任せて、私なら毒も呪いも治せるよ!」
彼女は優しく手を上げた。手のひらに光る氷が形作られる。それは奇妙な温もりを放っていた。氷の性質とは正反対だ。リナがその氷をツバサの傷に当てると、緑色の毒が、血管から少しずつ薄れていった。
「ありがとう」ツバサが言った。声は小さいが、誠実だった。
ルデスは、今しがた起きたことにまだ見とれたまま、感嘆の目でハンを見つめた。「ハン、認めるよ。お前は戦術の天才だ。でも……」彼は眉をひそめた。「さっきは、お前、全然戦ってなかったよな? それに、昨日のアリスの神眼によれば、お前の属性エネルギーはごくわずかで、ほとんど感知できないはずだ」
ハンは軽く笑った。「はは、人にはそれぞれ役割があるってことじゃないか? 俺はそもそも戦闘向きじゃないんだろうな。分析して指示を出すほうが好きなんだ」
ルデスは頷いた。胸の内には、まだ答えのない疑問が残っていたが。「まあ、筋は通ってるか。よし、先へ行こう」
――
道の途中で、ルデスは好奇心を抑えきれなくなった。彼は、落ち着いた足取りで先頭を歩くツバサの横に並んだ。
「なあ、ツバサ」彼は慎重に尋ねた。「お前は間違いなく、とても強くて経験豊富な剣士だ。なのに、どうしてハンを『様』と呼ぶんだ? つまり、ハンは……腕力の面では、弱そうに見えるっていうか」
ツバサは振り向かず、まっすぐ前を見つめ続けた。声は冷たいが、確信に満ちていた。
「あの方は、私より強い」短い答えだった。説明はない。
ルデスは眉をひそめた。「は? それはどういう――」
「私の力は、あの方に比べれば小さい」ツバサは遮った。「私は、あの方と戦ったことがある。私たちの差は……測れないほどだ」
ルデスは笑ったが、まだ信じられなかった。「冗談だろ! ハンは、さっきの戦いに参加すらしてなかったじゃないか!」
ツバサはそれ以上応えなかった。黙って歩き続け、ルデスには答えよりも多くの疑問だけが残された。
――
ついに、彼らはルデスの小さな村に着いた。素朴な家々が、肥沃な小さな畑の間に点在している。ルデスの家は村はずれにあった。小さな庭のある、質素な木造の建物だ。
ルデスは皆を中へ案内した。薄暗い寝室に、中年の女性が、ベッドに弱々しく横たわっていた。顔色は青白く、呼吸は重い。薄い闇のオーラが、霧のように彼女の体を包んでいる。
「これが俺の母さんだ」ルデスの声は震えていた。「闇の呪いにかかってから、目を覚まさないんだ。昏睡みたいに眠ってるけど、まだ息はある」彼は期待に満ちた目でリナを見つめた。「リナ、母さんを助けてくれ」
リナは確信を込めて頷いた。「うん、やってみる」
彼女は両手を上げた。光を宿した水の泡が形作られ、小さな星々のように彼女の体のまわりを漂う。手は光る氷に包まれ、柔らかな温もりを放っていた。
集中しながら、リナはルデスの母の体を撫でた。闇のオーラはゆっくりと泡の中へ吸い込まれ、黒から灰色へと変わり、やがて消えていった。
リナは目を閉じた。唇が、ほとんど聞こえない祈りを紡ぐ。「闇を祓い、命の光を取り戻して……」
泡はますます明るく輝き、やがて暖かな金色の光の閃きとともに弾けた。
ゆっくりと、本当にゆっくりと、ルデスの母のまぶたが震えた。彼女は目を開け、戸惑いながらも愛情のこもった眼差しで息子を見つめた。
「ルデス……?」その声はかすれていたが、生きていた。「私……とても長い夢を見ていたわ……」
ルデスはすぐさまベッドの傍らにひざまずき、母を強く抱きしめた。涙が止めどなく流れる。「母さん……母さん……もう二度と会えないかと思った……」
ルデスの母は、まだ弱々しいながらも、息子の髪を撫でた。「ありがとう、ルデス。きっと、この年寄りを助けるために、大変な思いをしてきたのね」彼女は他の五人を、潤んだ目で見つめた。「ありがとう、ルデスのお友達のみなさん。あなたたちは、救いの天使だわ」
――
その夜、村は幸福に満ちていた。ルデスの母はもう起き上がり、少しだけお粥を口にできた。ルデスは微笑みっぱなしで、ツバサでさえ、いくらか緊張を解いているように見えた。
だが、その幸福は長くは続かなかった。
ドオオォォン!
突然曇った空から、稲妻が落ちた。ただの雷ではない。目的を持って落ちてきた雷だ。道は裂け、家々が揺れ、村人たちは怯えて逃げ惑う。
雷光の中から、一人の女の姿が現れた。髪は電気のようにきらめき、瞳は明るい青に輝いている。彼女から放たれる力のオーラが、空気を重くした。
ゼニヤ――雷の英雄。
「裏切り者のルデスを、どこに匿った?」彼女は叫んだ。声は雷鳴のように轟く。明るい青の瞳が、恐ろしい眼差しで村全体を見渡した。
年老いた村人が震えながら、彼女の前にひざまずいた。「わしらは何も知りません! どうか、罪のない村人を傷つけないでください!」
ゼニヤは冷ややかに微笑んだ。小さな稲妻が、彼女の手のまわりで踊っている。「この村が私の雷で滅びれば、その裏切り者も、自ら姿を現すかもしれないわね」
彼女は手を上げ、致命的な稲妻を放とうとした。
だが、それより先に、ルデスが家から歩み出た。エンセイが隣に続き、すでに弓を構えている。
「ゼニヤ!」ルデスが叫んだ。目には怒りが燃えている。「罪のない村人を裁くな!」
ゼニヤは嘲るように笑い、周囲の雷光がさらに明るく燃え上がった。「やっと、小ネズミが巣穴から出てきたわね。結構」彼女は電光をまとった指でルデスを指した。「あなたには二つの選択肢があるわ、坊や。王国の上層部に加わって、その力を私たちのために使うか、この村と一緒にここで死ぬか」
ルデスの目が赤く燃え上がった。神印が全身を駆け巡り、両手を炎が包み、剣は溶けた溶岩のように赤く灼ける。
「三つ目の選択肢だ!」ルデスはにやりと笑った。ゼニヤの恐ろしいオーラに、全身が震えていたとしても。「俺が選ぶのは……お前が、ここで死ぬことだ!」
夜空が、炎と雷の戦いで燃え上がった。
――つづく。




