第二章:光と闇
秘密の夜
遺跡からの逃走から数時間後……
森の主要な道から遠く離れた隠れ場所で、六人は小さな焚き火を囲んで座っていた。オレンジ色の光が彼らの顔の上で踊り、幽霊のように揺れ動く影を作り出している。
ルデスは膝を抱え、虚ろな目で炎を見つめていた。生命の水を見つけられなかった失望が、胸に重い一撃のように残っている。エンセイとアリスは彼の隣に座り、言葉もなく支えようとしていた。
炎の向こう側では、ツバサが皆に背を向けて座っていた。膝の上には短剣が置かれている。いつでも使えるように。ハンとリナは並んで座り、新たに加わった三人組を、警戒しつつも興味深げな目で観察していた。
ハンが、好奇心のこもった眼差しで、張り詰めた沈黙を破った。「どうしてお前たちはここにいるんだ? こんな場所は、観光客の来るところじゃないだろう」
ルデスはゆっくりと顔を上げた。声は重荷に押しつぶされそうだった。「俺たちは生命の水を探してた。母さんが……」彼は強く唾を飲み込んだ。「闇の呪いにかかったんだ。俺は母さんを助けなきゃいけない」
ハンは静かに首を振った。その顔には、偽りのない同情が浮かんでいる。「生命の水は、根拠のない作り話だ。そんな水は、この世界に存在したことがない」
その言葉は、ルデスの心に叩きつけられる槌のようだった。拳を握りしめ、目に涙が滲む。「ごめん、母さん……」と、ほとんど聞こえない声で呟く。「俺……もう、どうすればいいのか分からない」
その声に宿る絶望はあまりに生々しく、アリスとエンセイの胸まで痛んだ。
ハンはしばらくルデスを見つめ、表情をより真剣なものに変えた。「ちょっと待て。闇の呪い、と言ったか?」そしてリナのほうを向き、確かめるように視線を送った。
リナは頷いた。目が輝いている。「私、力になれるよ! 水と氷の力と、私の神光の加護があれば、そういう呪いも癒やせるの」
ルデスはハンとリナを、期待に満ちた目で見つめた。聞いたことが信じられないという顔で。「本当か? 助けてくれるのか?」声が震える。「俺……俺、本当に感謝する!」
遺跡から逃げ出して以来初めて、彼の目に希望の光が灯った。
ハンは頷き、それから、より真剣な口調で尋ねた。「お前たちはどこに住んでるんだ? 王都の中心か?」
「いや」ルデスはすぐに答えた。「俺たちは辺境の出身だ。王国の中心からはずっと遠い。地図にさえ載ってないような、小さな村だよ」
ハンは薄く笑ったが、その目には奇妙な光がよぎった。「興味深いな」彼は三人を一人ずつ見つめ、沈黙が、突然抗いがたいほど重くなった。
「ルデス。炎の力を持つ剣士。神印の使い手で、持続できるのは十五分、長くても二十分。その後は完全に力尽きる」ハンはまるで手帳を読み上げるように、気軽な口調で話した。「エンセイ。素早く動ける優れた弓使い。弓で風を操り、接近戦では短剣の扱いにも長けている」
三人の冒険者の目が見開かれた。
「そしてアリス」ハンは続けた。「水の力を持つ治癒師。水の盾を作り出し、オーラをうまく制御できる」彼は首をわずかに傾けた。「一番興味深いのは、君が神眼を持っていることだ。そうだろう?」
息の詰まるような沈黙が、厚い毛布のように降りてきた。
アリスは息を呑み、体を強張らせた。「えっ? どう……どうして、そんなことまで知ってるの!? 会ってまだ数時間なのに!」
リナがくすくすと笑った。目がきらきらしている。「えへへ、そうなの、うちのお兄ちゃんはね。昔からずっとこうなんだ。ちょっと見ただけで、全部分かっちゃうの。腹が立つけど、かっこいいんだよ」
ここまでずっと黙って見ていたツバサが、不意に立ち上がった。手が短剣へと動き、目は刃のように鋭くなる。ルデス、エンセイ、アリスを、血も凍るような視線で見据えた。
「ツバサ」ハンが静かに言う。「こいつらは危険じゃない」
「そうとは限りません」ツバサの声は氷のように冷たかった。「偶然が多すぎます」
アリスは抑えきれない好奇心に駆られ、神眼を使うことにした。目の前の三人を、全神経を集中して見つめる。
最初に見えたのはツバサだった。強大な闇のオーラが、黒い煙のように体から立ちのぼっている。さっきルデスとエンセイを圧倒できたのも当然だ。その力の水準は……恐ろしいほどだった。
次に、リナを見る。驚くべき対比だった。明るく温かな光が少女から放たれている。幸福と前向きなエネルギーに満ちた光は、その愛らしい笑顔によく似合っていた。力の水準も高い。ツバサほどではないが。
けれど、ハンを見たとき、アリスは眉をひそめた。そのオーラは……弱かった。ツバサはもちろん、リナよりもはるかに。それなのに、何か奇妙なものがある。彼女には理解できない何かが。
そして、何よりも気になる疑問。なぜ、明らかにずっと強いツバサが、ハンを「様」と呼ぶのか。
「何か聞きたいことでもあるのか?」ハンが突然尋ねた。アリスの探るような視線を、直接感じ取ったかのように。
アリスはびくりとした。長く見つめすぎたことに気づく。「いえ……何も」
「そうか」ハンは立ち上がり、ズボンの埃を払った。「そろそろ休もう。お前たちの村までは、時間がかかるからな」
彼は建物の端のほうへと歩いていき、答えのない問いを夜気の中に漂わせたまま去った。
リナが軽い足取りでハンについていく。ツバサは再び皆に背を向けて座ったが、アリスには感じられた。振り向きこそしないものの、彼が自分たちの言葉の一つひとつに耳を澄ませていることを。
「どこかおかしい」三人が十分に離れたのを見計らって、エンセイがアリスとルデスに囁いた。
「私も感じてた」アリスが頷く。「でも、あの人たちはあなたのお母さんを助けると言ってくれたわ、ルデス。私たちに、他の選択肢はない」
ルデスは弱まっていく炎を見つめた。「母さんを救うためなら、俺は何だってする。どんな危険があってもだ」
夜は落ち着かないまま過ぎていった。誰もが警戒しながら眠り、口に出せない問いが頭の中を巡り続けた。
ハン、リナ、ツバサ。この三人は、いったい何者なのか。
そしてなぜ、アリスは感じていたのだろう。自分たちが、想像をはるかに超える大きなゲームの中へ、今まさに足を踏み入れたのだと。
――つづく。




