公爵令嬢の告白※ルードルフ視点
レッドモンドと名乗った誘拐犯をキーランド達に任せてクラウディアと一緒に馬車に乗り込む。
約束がある。
レッドモンドに関しては悪いようにしないつもりだ。ただ罪を問わないわけにはいかない。
どうするべきだろうか。
「ディアの影にするか」
正直レッドモンドをクラウディアの影にするのは不安がある。しかし多くの護衛の目を盗み彼女を攫ったところ、対峙した時の身体能力を考えるに彼は優秀な人材だ。捨て置くには勿体ないだろう。
一生の忠誠をクラウディアに誓わせた上で何があっても守らせるようにする。
人生を縛りつける罰だ。しかし彼女に惚れている彼なら喜んで請け負うはず。
「んん…」
レッドモンドの処罰について考えていると膝に乗せたクラウディアが薄っすらと青い瞳を見せてくれる。
馬車の揺れで起きてしまったのかもしれない。
「ディア、起きたのか?」
「るーど…さま?」
舌足らずな甘い声に私は彼女を掻き抱いた。
強く強く抱きしめて全身で彼女が生きているのを感じる。
「助けるのが遅くなってごめん」
「……だめ、じゃない」
「え?」
何が駄目だったのだろうか。
もしかして助けてほしくなかったのか?
本当に私の事を嫌いになってしまったのか?
悪い考えを巡らせていると頬に温かさを感じた。
「ルード様は王子様なのだから危険な事をしちゃ駄目ですよ」
力なく笑ったクラウディア。今にも泣き出してしまいそうな私の頬を撫でてくる。
自分の心配よりも私の心配をしてくれるのか。
泣かせてしまった私の事を思ってくれているのか。
どこまで優しい子なんだ。
頬を撫でる彼女の手を握り締めると「でもね…」と言う声が聞こえてくる。
「本当は助けて来てくれて嬉しいの。喜んじゃ駄目なのに…。ルード様が好きだから嬉しくなっちゃうの」
クラウディアの言葉に固まった。
好き?
今、私を好きだと言ったのか?
最愛の人に好きと伝えてもらえた事が嬉しくて胸の奥が熱くなる。
本当なのか確かめたくて尋ねようとした瞬間。
「本当は好きになっちゃいけない人だったのに…。好きになってごめんなさい…」
涙を流しながら呟いたクラウディアはもう一度眠ってしまった。
どうして私を好きになってはいけないのだ。
何故好きになった事を謝るのだ。
私は好きになってくれて嬉しいというのに。どうして涙を流すのだ。
衝撃発言の連発で驚いていると馬車が停まる。
どうやら王城に到着してしまったらしい。
早いところクラウディアをベッドに寝かしてやりたいと彼女を抱き上げて馬車を降りる。
「起きたら話を聞かせてもらうからね」
眠るクラウディアに触れるだけのキスを落とした。
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