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破滅はお断りです  作者: 高萩


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第二王子とデート①

「ディア、おはようございます」


キラキラ笑顔でこちらに駆け寄ってくるのは婚約者ルードルフだ。

キーランドの言った通りこちらに近づいて来ていた黒い物体は彼を乗せた馬車だった。

本当によく見えたわね。

感心しながらルードルフに挨拶を返す。


「おはようございます、ルード様」

「お待たせしてしまって申し訳ありません」

「公務だと聞いております。お気になさらずに」


遅れるなら先に言ってほしい気持ちはあるけど急用なら仕方がない。

笑顔で返すと安心したような表情を見せたルードルフ。流れるような動作で腰を抱かれる。


「行きましょうか。キーランドは離れたところにいてください」


キーランドは一瞬渋った表情を見せたがすぐに「かしこまりました」と離れて行った。

彼は仕事に真面目な人間だ。私を好きか嫌いかは置いといて護衛対象から離れたくなかったのだろう。


「ディア、遅れたお詫びをさせて」


お出かけに遅れたくらいで王子からお詫びを貰うわけにはいかない。謝罪の言葉だけで十分だ。

首を横に振って「気にしないでください」と返事をするとルードルフは寂しそうな表情を浮かべた。


「お詫びはただの口実。初デートの記念に贈り物をさせて」


あれ…?

これってルードルフルートの初デートイベントの台詞じゃない?

ゲームのルードルフがヒロインに似たような言葉をかけていた事を思い出して頬を引き攣らせる。

またイベントの横取りをしちゃったの?

序盤の保健室イベントに引き続いて初デートイベントまで奪う事になってしまった。バルバラに知られたらまた文句を言われるだろう。

ただ…。

ちらりとルードルフを見上げると首を傾げられる。


「どうかした?」

「いえ…。何でもないです」


ただルードルフとデートが出来て嬉しい。

頬を緩ませていると顔を覗き込まれる。


「それで贈り物の許可はもらえるかな?」

「でしたら贈り合いをしましょう」


いつも貰ってばかりだ。今回も一方的に贈って貰うのは流石に気が引ける。

苦笑いで提案するとルードルフは嬉しそうに「そうしよう」と返事をしてくれた。


「ディアは何が欲しい?」

「新しい本ですね」

「相変わらず読書家だね」


読書家だったからルードルフと婚約する事になったのだけどね。

あの頃は嵌められて最悪だと思っていたけど。最近は選ばれたのが自分であって良かったと思いつつある。


「ルード様は何が欲しいですか?」

「ディアがくれる物なら何でも嬉しいよ」


一番困る返答だ。

町を歩きながら良さそうなものがあれば買う事にしよう。


「そろそろ行こうか」

「そうですね」


こうしてルードルフとの初デートが始まった。


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