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破滅はお断りです  作者: 高萩


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怪しい人物

バルバラに絡まれてから一週間。

色々と警戒していたけど特に不審な点は見つからない。当の本人は相変わらず貴族の男子を侍らせている様子だ。


「消してやるって言われたけど…」


何も起こらないなら別に良い。でもあの様子を見てしまったら不安は残る。

ルードルフに相談しようと思ったけど最近かなり忙しそうで下手な心配をかけるわけにもいかず話せていない。


「警戒していたら大丈夫でしょ」

「あ、クラウディア様!」


声をかけてきたのは隣のクラスの男子だった。

女子ならともかく男子に話しかけられるのは珍しい。普段はルードルフが近づかせないように牽制しているから。


「どうかされましたか?」

「ちょっとお願いがあって。一緒に来てもらえませんか?」

「お願いですか?」

「はい」


どうして私なのか分からないけど困っているみたいだし放っておくわけにはいかない。

ただ男子と二人きりというのはルードルフに何と言われるか分からないし、他の誰かに見られて変な噂が立っても困る。


「構いませんが他に誰か呼んできても良いですか?」


男子生徒は一瞬動揺したように見えたがすぐに笑顔を作って「すぐに終わりますから早く行きましょう」と誘ってくる。

普通の男子ならルードルフを警戒して私と二人になる事は避けるのに。


「ねぇ、貴方は誰なの?」


男子生徒を睨みつけると不気味な笑みを浮かべた。

この人、隣のクラスの人じゃないわね。

後退りして距離を置こうとするが「怖がらなくても大丈夫ですよ」とにじり寄られる。


「申し訳ありません。そのお願いは他の人に頼んでもらえますか?」


走って逃げ出すが後ろから追いかけてくる男子生徒。あの人の正体が誰なのかは分からないけど捕まったらまずい事くらいは分かる。

人が多いところに出ないと。


「足が速いんですね」


不気味な笑みを浮かべた男はあっさりと距離を縮めてくる。

このままだと捕まる…。

曲がり角を抜けたところで誰かとぶつかりそのまま尻餅をついた。


「いった…」


他の人の姿が見えたからだろう私を追いかけていた男子生徒に変装した人物は足音も立たず姿を消して行った。

捕まらなくて良かった…。


「大丈夫か?」


安堵の息を吐いていると目の前に手を差し出されて手伝ってもらいながら立ち上がる。


「ありがとうございます。ぶつかってしまって申し訳あり……ません」


目の前に立っていた人物に固まる。

バルデマー・フォン・ロタリンギア。

この国の第一王子でルードルフの兄。そしてゲームでは攻略対象の一人だった人物だ。


「久しぶりだな、クラウディア嬢。第二王子の婚約者が廊下を走るとは良い度胸だ」


笑みを浮かべるバルデマーに頬が引き攣った。

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