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【OLふたり、今日も明日も】  作者: 桜餅 詩音


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20/40

第20話「氷の復讐」

第20話は、澪の視点です。

今回は、復讐の物語。

でも、ただの暴力ではありません。

澪らしく、冷静に、理詰めで。

そして、最後は…

澪の新しい一面、かっこいい一面を、

存分に楽しんでいただけると思います。

スカッとする展開です。

それでは、第20話をお楽しみください。

土曜日の朝。私は、いつもより早く起きた。


今日は、やるべきことがある。


昨日、ひよりの部署で聞いた話。


桜井拓也という男が、ひよりを騙して、傷つけた。


許せない。


私は、ひよりの課長から桜井の会社の情報を聞き出していた。


桜井が働いているレストランチェーンの本社。


そこに、今日は土曜日だが、桜井は出勤するらしい。


私は、準備をした。


シンプルな白いブラウスに、黒いパンツ。


髪をきれいにまとめる。


化粧は、少し濃いめに。


鏡を見て、微笑んでみる。


完璧。


午前10時。私は、桜井の会社の前に立っていた。


ビルの入り口が見える位置で、カフェに入った。


窓際の席に座って、待つ。


11時。


11時半。


正午。


ビルから、人が出てくる。


昼休み。


そして、桜井拓也が出てきた。


事前に聞いていた特徴通り。背が高くて、爽やかそうな顔。


でも、私には吐き気がする。


私は、カフェを出て、桜井の後をつけた。


桜井は、近くの定食屋に入った。


私も、少し間を置いて入る。


店内は、サラリーマンで混んでいた。


桜井は、カウンター席に座った。


私は、桜井の隣の席が空くのを待った。


数分後、隣が空いた。


「すみません、お隣いいですか?」


私は、可愛らしい笑顔で声をかけた。


桜井は、私を見て、目を輝かせた。


「ああ、どうぞ」


「ありがとうございます」


私は、隣に座った。


定食を注文して、何気ない会話を始めた。


「お仕事ですか?」


「ああ、そう。休みなのに出勤でさ」


「大変ですね」


「まあね。でも、こうやって素敵な人と会えるなら、悪くないかな」


桜井は、私を口説き始めた。


気持ち悪い。


でも、私は笑顔を保った。


「お上手ですね」


「本当だよ。君、すごく綺麗だし。連絡先、交換しない?」


「そうですね……」


私は、笑顔を消した。


そして、桜井を見た。


氷のような目で。


「女の敵ね。クズが……」


桜井の顔が、固まった。


「え……?」


「朝比奈ひより。覚えてる?」


桜井の顔色が、変わった。


「あ、あれは……」


「黙って」


私は、冷たく言った。


「あなた、最低ね。契約をちらつかせて女性を騙して、ホテルに連れ込もうとした」


「ちょ、ちょっと……」


「まだ喋るの? 耳が悪いのかしら」


私は、桜井に一切口を挟ませなかった。


「あなたがしたことは、準強制わいせつ未遂に該当するわ。訴えられたら、どうなるか分かってる?」


「そんな……俺は……」


「黙りなさい」


私の声は、静かだけど、圧倒的だった。


「ひよりは、真面目に仕事をしていただけ。あなたを信じていた。なのに、あなたは彼女を利用して、傷つけた」


「でも、あいつだって……」


「あいつ?」


私の目が、さらに冷たくなった。


「彼女の名前は、朝比奈ひより。ちゃんと名前で呼びなさい」


桜井は、黙った。


「あなたに、選択肢を与えるわ」


私は、桜井の目を見た。


「月曜日の朝までに、自分の会社と、ひよりの会社、両方に本当のことを話して謝罪しなさい。そして、辞表を出しなさい」


「なっ……! 何言ってんだ、お前!」


桜井の声が、荒くなった。


「ふざけんな! 辞表なんて出すわけないだろ!」


「じゃあ、警察に行くわ」


「警察? 証拠もないのに?」


「ひよりが録音してるかもしれないわよ。ホテルでのやり取り、全部」


桜井の顔が、青ざめた。


実際、録音はしていない。でも、桜井は知らない。


「それに、あなたの会社には、私の友人がいるの。あなたの評判、聞いたわ。他にも何人か、同じことしてるんでしょ?」


これも、嘘だ。でも、桜井の表情を見れば、当たっていることが分かる。


「お、おい……」


「月曜日の朝まで。それまでに何もしなければ、もっと取り返しのつかない後悔をさせてあげるわ」


私は、氷のように冷たい目で桜井を見つめた。


「じゃあ、ごちそうさま」


私は、会計を済ませて、店を出た。


外に出ると、秋の風が心地よかった。


やるべきことは、やった。


あとは、桜井がどう動くか。


私は、駅に向かって歩き始めた。


その時、後ろから足音が聞こえた。


振り返ると、桜井が走ってきていた。


「待てよ!」


私は、冷静に歩き続けた。


人通りの少ない路地に入る。


わざと。


桜井は、後ろから私の肩を掴んだ。


「ふざけんな! お前、何様だよ!」


私は、振り返った。


「何様? ひよりの友人よ」


「調子に乗るなよ!」


桜井は、私の腕を掴んで引っ張った。


その瞬間。


私は、桜井の腕を取った。


そのまま、身体を捻る。


桜井の胸に思いっきり自分の肩をぶつけ、掌底を一発。


そのまま手首を返し、投げ飛ばした。


桜井の身体が、ふわりと浮いた。


そして、地面に叩きつけられた。


「がっ……!」


桜井は、呻いた。


私は、倒れた桜井の顔面に、もう一度掌底を打ち込もうとした。


でも、寸止め。


数センチ手前で、止めた。


「力でなら勝てると思った? とことんクズね……」


私は、立ち上がった。


桜井は、地面で息を荒くしている。


「私ね、昔 合気道やってたの。有段者よ」


桜井は、何も言えなかった。


「月曜日の朝、楽しみにしてるわ」


私は、桜井を見下ろして、去った。


駅まで歩きながら、私は深呼吸をした。


久しぶりに、合気道の技を使った。


身体が、まだ覚えていてよかった。


家に帰って、シャワーを浴びた。


それから、携帯を取り出した。


ひよりに電話する。


「もしもし、ひより?」


『澪さん!』


「昨日、金曜日恒例の飲み、やってないから、明日ランチ行かない?」


『え? いいの?』


「もちろん。美味しいもの、食べに行きましょう」


『ありがとう、澪さん!』


ひよりの声が、少し明るくなった気がした。


「じゃあ、明日ね」


『うん!』


電話を切って、私はソファに座った。


これで、いい。


月曜日、桜井がどう動くか。


もし何もしなければ、私はもっと厳しい手段を取る。


でも、きっと桜井は動くだろう。


あの怯えた顔を見れば、分かる。


私は、窓の外を見た。


青い空。


ひよりは、傷ついた。


でも、もう大丈夫。


私が、守るから。


そう決めて、私は穏やかな週末を過ごした。

第20話、いかがでしたでしょうか。

スカッとしましたか?

澪、めちゃくちゃかっこよかったですね!

「女の敵ね。クズが...」

この名言、痺れました。

そして、合気道の設定!

澪、実は強かったんですね。

冷静に、でも容赦なく。

友達を傷つけた相手を、

完膚なきまでに追い詰める。

それが、霧島澪という女性です。

最後、ひよりに優しく電話する澪。

この対比も、素敵でしたね。

次回、第21話は日曜日。二人でランチに行きます。思い出の場所で、二人の絆を確認する、温かい物語。辛い出来事の後だからこそ、この優しさが染みる。第21話です。

第21話もお楽しみに。

最後まで読んでくださって、

ありがとうございました。

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