表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門番、魔王軍と交渉する〜ハズレジョブでも、話を聞く奴が世界を動かす〜  作者: ハル
第23層との交渉

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/171

第96話「通路設計」

スキルをもう一度展開した。


 【迷宮管理Lv.7:通路設計——機能詳細】


 詳細が出てきた。


 「通路設計」は、迷宮と外界を繋ぐ「安定した経路」を設計する機能だった。


 安定した、というのは——溢出が起きない、知性体の意図しない外出が起きない、という意味らしい。管理された経路を作ることで、混乱なく往来できるようにする。


 ただし、条件がある。


 全当事者の「合意」——スキルが「署名」と表現していた——が揃わないと起動しない。


「全員の同意がないと作れないのか」とゴブが言った。


「そうだ」


「なぜだ」


「一方的に作った道は、一方的に閉じられる可能性がある。全員が同意した道なら——全員が守る動機がある」


「なるほど」


「王国の署名が一番難しい。それ以外はどうか」


「俺は同意する」とゴブが言った。


「俺が「迷宮側の知性体の代表者」として署名していいかどうか、確認が必要だ。移送で外に出た他の者たちへの相談が必要かもしれない」


「そうだ。今回は、ゴブ一人で決めることじゃない」


「わかった。バインに通信を入れる。バインが移送組全体に確認できるかどうか聞いてみる」



 



 バインへの通信で、状況を説明した。


「了解しました」とバインはいつも通りに言った。「確認はできます」


「どのぐらいかかりますか」


「三日あれば、代表者会議を開けます。全員ではないですが、各種族の代表者が揃えば、合意の形式は取れます」


「三日で十分です」


「ただし」


「ただし?」


「代表者たちは、「迷宮に戻ることができるか」という問いを気にしている者が多い、と思います。今回の「通路設計」の話は——「入れる」という意味では「戻れる」に繋がりますか」


「繋がります。「行き来できる道」なので、迷宮から外への道も、外から迷宮への道も、両方含まれます」


「それは——伝えると、話が早くなるかもしれません」


「伝えてください」



 



 夜、ヴォルトに接続した。


「通路設計の機能が使えることがわかった。全当事者の合意が揃えば、起動できる」


「——そうか。合意が揃うまで、どのぐらいかかる」


「王国側が一番難しい。でも、交渉を進めている」


「——王国とは、どういうものだ」


「人間が作った集まりだ。決定を下すのに、多くの人間の同意が必要だ」


「——そういう仕組みになっているのか」


「そうだ。全員が同意しないと動けない部分がある。だから時間がかかる」


「——それは——私の世界と違う」


「あなたの世界では」


「——全員が一緒だった。分かれていなかった。だから合意、という概念が必要なかった」


「それがなくなった」


「——なくなった。ここに来て、一人になった。一人の私には——合意、という概念が初めてだ」


「今は、合意が必要な世界にいる」


「——そうだ。ただ——」


「ただし」


「——それは、悪くない気がしてきた。合意を取るということは、話し合うということだ。話し合うということは——話を聞くということだ」


「そうだ」


「——お前が言った「聞かないと損」は——そういう意味か」


「そうかもしれない」


「——なるほど。合意を取ることが——損をしないためのものだとすれば——」


 スキルが大きく変化した。


 【迷宮管理Lv.7:通路設計——ヴォルト合意確認済み。残り:王国署名、迷宮知性体代表署名】


「王国の署名が、一番難しい」と俺はもう一度呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ