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門番、魔王軍と交渉する〜ハズレジョブでも、話を聞く奴が世界を動かす〜  作者: ハル
第23層との交渉

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第91話「採決の後で」

採決の結果は、賛成二十九、反対十七、棄権四だった。


 「封印維持への協力」を検討する専門委員会の設置が可決された。


 補償案の可決より、差が縮まっていた。


 議場を出た後、カーラが「可決です」と言った。声は静かだった。


「意外でしたか」と俺は聞いた。


「……反対が十七というのは、意外でした。もっと多いかと思っていた」


「俺も同じです」


「ヴォルトの声が、効いたのかもしれません」


「そうだと思います」



 



 廊下に出ると、カイルが来た。


「どうだった」とカイルが聞いた。


「可決」と俺は答えた。


「そうか。ヴォルトの声が頭に直接届いたとき——俺も驚いた。あれは、何だったんだ」


「ヴォルトの意志の伝達方法だと思う。言語が違っても、意志は届く」


「ゴブが議場で証言したときとは、違う種類の驚きだった。ゴブは言葉で届けた。ヴォルトは——言葉の前の何かで届けた」


「そうだ」


「どちらの方が、効いたと思う」


「両方必要だったと思います」と俺は答えた。


 カイルが「なるほど」と言った。



 



 その夜、問題が起きた。


 俺がヴォルトとの接続を切った後、カーラから通信が来た。


「一点、お知らせがあります」


「何ですか」


「本日の採決の後、反対派議員の数名が集まっています。詳細はわかりませんが——委員会の設置を骨抜きにしようとしている可能性があります」


「骨抜きとは」


「委員会の権限を制限する、人員を固める、あるいは——別の手段で「ヴォルトとの協力」自体を無効化しようとする動きです」


「どう対処しますか」


「一人ひとりに話を聞きに行くしかないと思っています。ただ——」


 カーラが少し間を置いた。


「アシダ殿、あなたも同じ目で見られますよ」


「どういう意味ですか」


「本日の採決で反対票を入れた議員たちの一部は、今後あなたのことを「魔物に肩入れしている人間」と見なす可能性があります。王国内での立場が——難しくなるかもしれない」


 俺は「そうですか」と言った。


「……それを聞いて、どう思いますか」


「別にいいです」


「なぜそんなに平気なのですか」とカーラが言った。

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