表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
門番、魔王軍と交渉する〜ハズレジョブでも、話を聞く奴が世界を動かす〜  作者: ハル
第23層との交渉

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/170

第119話「合意を取る」

また合意が必要だった。


 今度の当事者は——ヴォルト、フォル、カーラ、カイル。セルディン議員。そして第四迷宮のヴェグと、カイルが話しているもう一人の「光」。


「全員から取れるか」とゴブが言った。


「取れるかどうか——聞かないとわからない」


「また「聞いてみる」か」


「それしかない」



 



 ヴォルトから始めた。


「接続点を設計したい。全当事者の合意が必要だ」


「——合意する。「繋がりの場所」として作るなら——封印が「壁」から「道」になったときと同じ意図だ」


「そうだ」


「——ただ——一つ確認させてくれ」


「何だ」


「——接続点が作れれば、フォルたちはそこにいる。俺たちも声が届く。でも——物理的に内側に入ってくることは」


「フォルに聞いていないが——フォルは「外に出たいわけじゃない」と言っていた。「声が届く場所」が欲しいと言っていた」


「——それなら、構わない。「声が届く」という意味なら——合意する」



 



 フォルに合意の意思を確認した。


【受信:「合意する。「声が届く場所」は——俺たちが求めていたものだ】


「他の者たちは」


【受信:「今、伝えている。全員ではないかもしれないが——フォルが止まってから、話を聞く者が増えてきている。半分以上は合意すると思う】


「半分以上でいいのか」


【受信:「俺たちは「塊」として動いてきたが——個々の意思がある。合意しない者もいるかもしれない。でも——合意しない者は、接続点に来なければいい。来る者は来る。それでいい】


「それでいいのか」


【受信:「強制はできない。でも——「行きたい者は行ける場所がある」なら、時間が経てば来る者が増えるかもしれない】


「そうかもしれない」



 



 カイルに第四迷宮の状況を確認した。


「ヴェグと、もう一つの光は——合意できそうか」


「聞いてみた。ヴェグはすぐに合意した。もう一つの——こっちで「シャル」と呼んでいる光は、三日かかったが合意した」


「三日かかった」


「疑っていたが——俺とのやり取りが続いて、信用してくれた」


「お前も聞けるようになってきたな」


「……少し。まだお前ほどじゃない」


「十分だ」



 



 セルディン議員への書簡を書いた。


 経緯を全部書いた。フォルとの接触。「なぜ封印を押していたのか」という理由。「出ていい」という言葉で止まったこと。接続点の設計が必要なこと。全当事者の合意が必要なこと。


 最後に一行書いた。


「議会の代表として、合意をいただけますか」


 送ったのは前日の夜だった。返答は翌朝来た。


「アシダ殿。来る」


 短かった。



 



 セルディンが来た。今回は従者なしだった。一人だった。


「書簡を読んだ」とセルディンは言った。


「読んでいただけましたか」


「読んだ。全部は信じていない。でも——全部を疑う気にもなれなかった」


「なぜですか」


「前回来たとき——あの子供のゴブリンを見た。怖かったが——怖ろしいとは感じなかった。それが引っかかった。今回、書簡を読んで——「押す理由が知りたかっただけだった」という部分が、引っかかった」


「どう引っかかりましたか」


「わかる気がした。「なぜ」を知りたくて、でも聞けなくて——ただ押し続ける。それは——人間もやることだ、と思った」


 俺は「そうですね」と言った。


「合意します。ただし——」


「ただし」


「議会の代表としてではなく——この場にいる一人の人間として。議会の名前はまだ出せない」


「それでも十分です」


「……本当に十分なのか」


「今は十分です。議会の名前が出るのは——もう少し後でいい。今は、動ける人間が動く」



 



 翌日、スキルを展開した。


【迷宮管理Lv.8——「接続点設計」起動条件:合意者確認中——】


 確認が終わった。


【確認完了。合意:ヴォルト・フォル(過半数)・ヴェグ・シャル・カーラ・カイル・セルディン・レン。「接続点設計」起動可能状態】


「起動していいか」


 全員が頷いた。


「起動する」


【「接続点設計」——起動】


 封印の壁に——変化が起きた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ