第116話「他の者たち」
翌日、スキルに変化があった。
【外部信号——フォル:待機中。その他信号:接近中(複数)】
「接近している」
「攻撃か」とゴブが言った。
「わからない。フォルに聞く」
フォルに接続した。
「他の「光」が近づいている。知っているか」
【受信:「知っている。昨日、俺が変わったことで——彼らが気になっているんだと思う】
「来るのは止められないか」
【受信:「止める権限はない。彼らが決めることだ。ただ——攻撃目的ではないと思う。俺が「止まっている」から、何があったのか確かめに来ている感じがする】
「封印強度は」
【受信:「今は——変わらないと思う。彼らも今は「様子を見ている」だけだ】
「彼らと——話せるか」
【受信:「……俺にはわからない。彼らがお前の声に届くかどうか。ただ——近づいてくるなら、試せるかもしれない】
カイルが「見える」と言った。
「複数の光が近づいてきている。フォルの近くで止まった。フォルを囲むように——三つ、四つ」
「囲む」
「攻撃的な感じはない。見ている感じがする。フォルと——何かやり取りしているのかもしれない」
「フォルに聞く」
「彼らと話しているか」
【受信:「……話している。俺が「変わった」ことについて、説明している。「内側から声が届いた」「答えが来た」「押す必要がなくなった」と伝えている】
「どう反応している」
【受信:「……驚いている。「声が届く」ということを、信じていない者もいる。「また内側に騙されようとしているのか」という反応もある】
「疑っているのか」
【受信:「俺も最初は疑っていた。「なぜそこまでする」と思った。でも——実際に声が届いた。答えが来た。それが事実として残っている】
「お前が伝えても、信じないかもしれない」
【受信:「そうかもしれない。だから——直接届けた方がいい。お前が彼らに声を届けられれば——信じる者が出るかもしれない】
俺はスキルを使って、フォルではない信号に向けて意識を向けた。
「聞こえるか」
返答はなかった。
もう一度。
「聞こえるなら答えてくれ。俺は門番だ。フォルと話していた」
スキルが反応した。
【外部信号——新規接触試行。スキル解析中——】
「来た」とカイルが言った。「フォルの近くにいた光の一つが——こっちに向いた」
「感じる。でもフォルとは違う。フォルよりざわざわした感じだ」とゴブが言った。
【スキル解析——完了。受信:「フォルと話しているという者か】
「そうだ」
【受信:「フォルに聞いた。「内側から声が届いた」と言っていた。本当か】
「本当だ。今も届いている」
【受信:「……信じがたい。三百年、内側との接触はなかった。なぜ今になって】
「手段ができたからだ。俺のスキルが——お前たちの声に届く方法を持っていた。それだけだ」
【受信:「手段。では——内側は、俺たちと話したかったのか。手段を準備していたのか】
「違う。手段はたまたまあった。俺が来て、使ってみたら届いた」
【受信:「……「たまたま」という言葉は——信用できない】
「信用できなくても構わない。でも——声が届いていることは、事実だ。今、届いている」
少し間があった。
【受信:「……何が目的だ】
「目的は、話すことだ」
【受信:「話して——何をする】
「それは——話してから決める。聞いてから判断しようとしている」
沈黙。
【受信:「……フォルも同じことを言っていた。「聞いてから判断しよう」と。それはあなたの言葉か】
「そうだ」
【受信:「……一つだけ聞かせてくれ。俺たちが——止まれば、内側のものは「よかった」と思うのか。それとも——関係ない、と思うのか】




