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どうかしてるわ/obsession  作者: やましたゆずる
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第9章 小向井咲マイカーに乗る

朝9時に早番の宮本が出勤して来た。「おはようございます。ご苦労さまです。」宮本はありさの顔を見て優しく微笑んで挨拶をした。「宮本さん。おはようございます。ご苦労さまです。交代お願いします。昨晩は変わった事ありませんでした。」ありさは宮本の顔を見て優しく微笑んだ。「今日も霊とドライブ行くの?」宮本はありさの目をじっと見つめた。「いきますよ。今日は小向井咲さんと言って女性の方です。お先に失礼します。」ありさは宮本に頭を下げた。「お疲れ様です。あなた、やっぱりどうかしてるわ!気をつけてね!」宮本はありさの顔を見て優しく微笑んだ。ありさは腰に付けた鍵をジャラジャラと鳴らし玄関を出て行った。「35GTRで来てるから助手席に乗ってくれる。」ありさは小向井咲の顔を見た。「これが35GTRなんだね。カッコいい!」そう言って小向井咲の霊は助手席に乗った。ありさがエンジンをかけると爆音が轟いた。バリバリと鳴らしながら走り出した。小向井咲の霊はシートに身体が持っていかれると今の車って凄いパワーですね。」目を丸くしてシートベルトにつかまった。小向井咲の霊は興奮をしながら助手席にへばりついて走ると倉庫に着いた。鍵をジャラジャラとさせなが倉庫を開けた。倉庫内にズラリと旧車が98台並んでいた。まるで博物館のようだった。倉庫内に足を踏み入れると小向井咲の霊はハコスカGTRの前まで行って車に抱きついた。「ここには、既に3回来ています。私達、何処でも自由に行けますから?」小向井咲の霊はそう言ってありさの顔を見た。「乗って見る?車検ついてるから公道走れるけど運転席に誰も乗ってないのもなんだから倉庫の敷地内にしてくださいね。鍵はこれ!」ありさは小向井咲の霊の顔を見て鍵を渡した。小向井咲の霊がドアを開け運転席に乗り込むと「これよ。これ!懐かしい?」と言ってエンジンをかけた。s20エンジンサウンドが倉庫内に響いた。さちよがマフラーを交換してあったから音は大きかった。ウェーバーの吸気音も独特であった。「35GTRも良いけどこの旧車が好き。」小向井咲の霊が叫んだ。そしてギアを入れて倉庫から出て行った。しばらくしてハコスカGTRは倉庫に帰って来た。「いやぁ?最高ッス!思い出になりました。これで満足です。次のオーナーは50歳くらいのおじさんですが大切にしてくれそうです。」小向井咲の霊はニカッと笑いありさの顔を見た。「もう、知っているんだ?」ありさは小向井咲の霊の顔を見た。「この間、売買の席に同席しましたから1200万円で売る見たいですよ。多分来週の日曜日に来ますよ。」小向井咲の霊はありさの顔を見た。「そうか?来週来るってか?今日はあなたのハコスカGTRで高速道路ドライブ行くとしますか?私が運転席するけどね。」ありさは小向井咲の霊を見てニヤリ微笑んだ。二人はハコスカGTRに乗り込むと倉庫を出た。倉庫に鍵を閉めて、公道へ出て行った。「ごめん。ETCカード入れてないわ!」ありさは車を路肩に停めて財布からETCカードを出してカードを差し込んだ。そして、土浦桜インターから常磐道に乗りアクセルを踏みこんだ。「この車、初めて運転するけど走りやすい車だね。エンジンの調子も良い。車体が軽い。レースで49連勝した訳がわかった気がするわ!制限速度いっぱいで走るわよ。咲さん。カーステレオかけようか?」ありさがそう言ってカセットを押し込むと流れて来た曲はクィーンのボヘミアンラプソディだった。さちよが聞いていたものだった。車は守谷サービスエリアに寄った。「ご飯食べてくるね。咲さんも一緒に行くか?」ありさは咲を誘いレストランに二人で入って「お二人様ですね。」とウエイトレスに言われ、ありさはドキっとした。咲の顔を見ると驚いた表情を見せた。咲が「この人、私が見えるんだわ?意外ね、クス」咲はありさの耳元て、囁いてクスッと笑った。ウエイトレスは席を案内するとお水とおしぼりを2個ずつ置いた。「あなた、見えるの?」ありさがウエイトレスの顔を見つめた。「はい。黒のナイキのジャージを着ているロングヘアの綺麗な女性です。ご注文はいかが致しますか?一つで良いですよ。」ウエイトレスはそう言ってありさの顔を見てニヤリと笑った。「それじゃあ!豚汁定食1つお願いします、」ありさはウエイトレスの顔を見た。「かしこまりました。少々お待ちください。」ウエイトレスは下がった。「ありささん、このサービスエリアに事故で死んだ霊がウヨウヨしてますよ。だからアノ子、霊が見えるんですよ。私このレストランに入るまでに10人くらいの霊とすれ違いました。後店の中にもあそこは年配のご夫婦にあそこの窓際に若いカップルが座っています。両方とも事故で亡くなったんですよ、」咲がありさの顔を見た。「そんなに居るんだね。」ありさは咲の顔を見て身震いをさせた。「咲さんはアノGTRは何年乗ったんですか?」ありさは咲の顔を見た。「5年かな?その後は、彼が知り合いに売ったんだよ。さちよさんが3人目だよ。それで私か。さちよ240zにしちゃたからな。さちよも霊は見えたんだろう?」ありさが咲の顔を見た。「仕事がら見えたみたいですよ。私の姿も知ってます。」咲はありさの顔を見た。そこに料理が来た。「お待たせ致しました。」ウエイトレスはテーブルに豚汁定食を置いた。「お姉ちゃん。あそこの霊達も見えるのかい?」ありさがウエイトレスの顔を見た。「はい。ご年配のご夫婦と若いカップルです。このサービスエリアには沢山居ますよ!失礼します。」ウエイトレスは深々と頭を下げて下がった。ありさは猛スピードで定食をかきこんで会計してレストランを出るとトイレに向かった。「ありささん。トイレの周りに霊がウヨウヨ居ますよ!」咲はありさに耳打ちした。「もう?辞めてよ。トイレ入れなくなっちゃうじゃん。」ありさは咲の顔を睨めつけた。「ありささん、怖いんだ?大丈夫だよ。ありささんは皆に守られてるから。気にするな!ありさ」咲はありさの背中をバシッと叩いた。「待った?悪い!」ありさが小走りでトイレから出て来た。「霊が出た?」咲はありさの顔を見てニヤリ笑った。「出ない。おしっこは出たけど!行こうか?」ありさはそう言ってエベラエヘラしながら車に乗った。咲も助手席に乗った。ギアを入れてアクセルを踏み込んでサービスエリアを後にした。本線に戻り三郷インターから首都高速道路へと入って湾岸線を走り首都高速からトンネルを入り快調にGTRを飛ばしていると「このトンネルは昔からきみが悪いのよ。あそこに若い男性の霊が座っているよ。」咲が前方を指差した。「今後、このトンネルを通る時は充分に注意してください。邪悪な奴が居たら引きずり込まれますから。」咲が正面の路肩に座っている男の霊をみながら言った。「わかった。気をつける。」ありさが返事を返した。「帰るわよ。7時からキャバクラに出勤する。」ありさがギアをアップして言った。ハコスカGTRは小菅を通り加平までくると渋滞に巻き込まれた。渋滞は三郷インターまで続いた。三郷インターを抜けるとスイスイ走れた。無事土浦桜インターで下りた。そのまま、桜町のお店まで向かった。自分の駐車場に車を入れると二人はキララ通りを少し歩いた。「霊がウヨウヨ居ますよ。見ないで。ここの辻は非常に多いからお店そこね。雑居ビルの1階ね。素敵なお店じゃない。ローゼズか?薔薇か?洒落た名前だわ?」咲が言った。「社長の奥さまが好きな花らしいです。おはようございます。店長。そう、店長はもうこの街古いんですよね。」ありさが店長の顔を見た。「おはようございます。ありささん。今晩はよろしくお願いします。美香さんが休みです。風邪だとか?この街古いですよ。15年やってます。それが何か?」店長はありさの顔を覗いた。「だいぶ古い話なんですが?昔レジェンドのキャストで不倫していた旦那の奥さんに殺され事件知ってます。咲さんって方?」ありさは桜井店長の顔を覗いた。「うん。知ってる。デカい事件だったからなあ?その時俺はまだ入りたてのボーヤだった。20歳の頃の話だ?それをどっから聞いた?」桜井店長はありさの顔を覗いた。「その咲さん。この店に来てますよ!私の隣に立ってますよ。霊だから普通の人には見えません。」ありさは桜井店長の目をじっと見つめた。この日は久しぶりに万卓になり大忙しだった。ありさは咲がお客様を呼んでくれたと思って営業をしていた。1時間残業になった。咲も盛り上がっていた。お客様が「寒い。寒い」と連呼していた。店長は暖房を何度も触って温度を調節していた。ありさもダウンを羽織った。

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