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どうかしてるわ/obsession  作者: やましたゆずる
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第30章 悪性脳腫瘍がなくなった根治宣言

ありさは予定どうり、病院の診察へと買ったばかりのトヨタカムリを運転し向かっていた。今朝の事故渋滞で病院まで後少しの所で足止めされた。この交差点は事故が多い場所だ。少し遅れて病院に着いた。いつもと変わらないあわただしさでいっぱいだった。受付を済ませ、何時ものようにラジエーションハウスへと向かって長い廊下をあるいた。いつも見かける入院患者らしき女性がありさに会釈をした。コンビニに買い物にいくのだろう?ふと女性の後ろを黒い影がついて歩くのが見えた。死神か?ありさは立ち止まり振り返ると死神がありさを見てニヤリと笑った。ありさは寒気がして身体をぶるりとさせた。あの女性の死期が近いのか?そんな気持ちでラジエーションハウスの受付に予約票を出した。しばらくベンチで待つと一真が「明神さん。おはようございます。今日は良いお知らせが出来ると思います。診察室へどうぞ!」一真は相変わらず素敵な笑顔でありさを迎えてくれた。診察室に入ると「おはようございます。」と明るい女性の声がしたのでびっくりした。ありさに「今日から研修医が来ているだよ。鶴町君だ。明神さんよろしくお願いします。」一真はありさの顔を見て優しく微笑んだ。「鶴町さんですか?明神です。よろしくお願いします。頑張って下さい。」ありさは鶴町の顔を見て笑顔で微笑んだ。「明神さんは、大変珍しい膠芽腫という病気で脳腫瘍最悪の悪性ステージ4でね。約1年間ここで治療を受けているがだいぶ良くなり根治宣言が今日にも出るところだ。」一真はありさの顔を見て優しく微笑んだ。「先生、それ本当ですか?信じられません。私、死なないのですか?」ありさは満面の笑みで一真と鶴町の顔を見た。「本当だ。後で高橋先生から発表される。よく頑張った。ありささん。僕も嬉しいよ。」一真は泣いているありさの顔を凝視してハンカチをすうーっと手渡した。「最後の治療するか?仰向けに寝て下さい。放射線治療をします。」一真が言うとありさは台に仰向けに寝た。鶴町が布を静かに身体に掛けた。ウィッグをはずして放射線治療が始まった。ただ、抜けた髪の毛は元には戻らない。放射線治療が終わりかけた時診察室のドアが開いて高橋医師が入って来た。「おはようございます。明神さん。お加減はどうですか?」とありさに声をかけた。「おかげさまで快調です。」ありさは高橋医師の顔を見て笑顔で言った。高橋医師は椅子に座り、ありさを椅子に座らせると面と向かいありさの顔を凝視した。「明神さん。あなたとの付き合いは1年続きました。本日は、嬉しいお知らせがあります。あなたの膠芽腫はなくなりました。根治しました。本日で治療は終わりです。当院での膠芽腫根治6人目の患者になりました。おめでとうございます。よく頑張りました。奇跡です。それを聞いたありさは大声でなきさだした。一真も泣いていた。二人は抱き合った。それを見て高橋医師が「噂は本当だったか?君らがジムで仲睦まじくトレーニングしていると聞いてたぞ!もしやと思っていたが本当だったか!良かった、良かった。良い事だ!結婚式には参加させてくれよ。」高橋医師は二人を見て静かに微笑んだ。「これからは1カ月に1度顔を見せてくれれば良い。今日の治療はこれで終わります。長い間ご苦労さまでした。お元気で車をいじってください。今度自慢のカムリを私にも見せて下さい。お薬を出しておきます。必ず飲んで下さい。ご苦労さまでした。以上。」高橋医師はありさの目を凝視しお別れの言葉を述べた。「高橋先生、嶋田先生。鶴町さん。長い間ありがとうございました。失礼します。」ありさは晴れ晴れとした顔で診察室を胸を張って出て行った。ありさは会計を済ませ処方箋をもらい正面玄関を出て薬局で薬を貰い。駐車場1階のカムリに乗り込んだ。ブルートゥースでスマホからイーグルのホテルカリフォルニアを流した。ありさのお気に入りの曲だった。駐車場を出るとありさは車高を3センチ下げた。安全圏だった。こういった車を乗ると気を使うがありさには日常だった。それが楽しかった。その足で中川輝夫の自動車工場へ向かった。ワンオフマフラーの製作依頼だった。中川の工場に着くとありさがカムリに乗っている事にびっくりして外まで出て来てカムリを眺め。「なかなかな車に仕上げたな!今、密かやなブームだぞ老若男女にカムリは最先端走っているなありさちゃん。このBBSLMホイールは9.5jと10.5jか?深リムが映えてる。リムのSLDが光っている。これが良いんだよ。間違いない。あの昨晩、さちよちゃんからラインが来てカムリWSレザーパッケージのブルーを探してくれと連絡が来た。今朝、オークションの予約入れたよ。ありさちゃんは、80ガレージインパクトの香川社長にこの車作ってもらったんだって!どういう経緯だ?」中川輝夫はありさの目を見た。「香川社長にうちの残りの旧車40台全部買ってもらったお礼にカムリを注文したんだよ。今日は中川さんにワンオフマフラーの製作を頼みに来たんだよ。」ありさは中川の顔を見た。「どれ、見せてみ?車を上げるからそこへ入れてくれ!」中川はありさの顔を見た。ありさは車に乗り込んだ指定された位置に車を入れた。中川が車を上げて車の腹を見た。「綺麗なものだ!修復歴なしだなこの車、事故車じゃない。マフラーはスルガスピードか?ありさちゃんらしいチョイスだ!通好みだ。音が物足りないか?今の基準では仕方がない。もっとうるさくしろってか?任せなさい。うるさく抜けの良いマフラー作るから。このスルガスピードマフラーいくらした。」中川はありさの顔を見た。「39万円だよ。」ありさは中川の顔を見た。「うちならその10分の1だな。4万円だ。良く見せてくれよ。参考にするから写真撮らせてな!納期は1週間だ。」中川はありさの顔を見てニヤリと笑った。「それから、さちよちゃんのフェアレディ240zはうちで1000万円で引き取る。香川ばっかに儲けさせられんわ!あれは2000万円以上で売れるぞ!俺のも売るか?俺もカムリにするか!ワイドボディキットを組んで。2018年から2022年式のモデルにしか対応しない。台湾の会社が作っているキットだから。値段は高いがたぶん良い物だと思う。ありさちゃんのカムリは何年式だ?」中川がありさの顔を見て優しく微笑んだ。「私のは2023年だから合わないね。」ありさは落ち込んだ。「今晩、さちよちゃんがうちに来るカムリの打ち合わせだアルミホイールはありさちゃんのBBSLMのオフセットはどれなくらいだ?参考にする。さちよちゃんにはWORKエキップをワンオフで作らせる。」中川はプランを話た。「私のオフセットはフロント9.5jの+40でリアは10.5j+20ですよ。」ありさは中川の顔を見た。「もう少し攻められる。フロント10j+38、リア10j+18ってとこか?キャンパーアーム交換だけどな!さちよちゃんにはWORKエキップe05でも勧める。これだな!」中川はパソコンの画面にWORKエキップe05の画像を出した。5本スポークのスポーティなデザインだ。ブルーの車体に合いそうだ。深リムになる。これ、色も変えられるがメッキで良いよな?ピアスボルトは金色だ。これで決まりか?年式次第ではワイドボディキットもありだな?」中川はありさの顔を見てニヤリと笑った。「さちよも喜ぶよ。中川さん。マフラー良い音のやつたのむね。それから私、病気根治したのよ。死なないわ。」ありさは中川の顔を見て優しく微笑んだ。「おめでとう。これからどうするんだい?」中川はありさの顔を見た。「中古車屋をやりたいんだよ。香川社長にノウハウを教わろと思っていたけど目の前に師匠がいた。その時はご指導ご鞭撻下さい。」ありさは中川に頭を下げた。「まかせろ!ありさちゃんの事だからカムリのカスタマイズカー専門店か?先が見えるよ。」中川にはお見通しだった。「中川さん。また、来るわ。よろしくお願いします。」ありさはカムリに乗り込んで帰路についた。今晩はジムには行かず自宅で母親の料理を食べる事にした。グループラインで病気が根治したことを伝えると母親がありさの大好物の唐揚げを作って待っていると言ってくれた。父親も一生懸命だった。ありさが家に帰ると母親と父親が出迎えてくれた。「ありさ!お帰りなさい。病気根治おめでとう。今日は温泉旅行以来三人で飲もうよ。ビールもワインもあるよ。さあ、上がって!」母親は興奮していた。ありさは手を洗ってダイニングに座ると父親がビールを注いでくれた。三人は乾杯をした。揚げたての鶏唐揚げがテーブルの上に山盛りにあった。ありさは一口食べてビールを飲むとその時、母親の後ろにありさの守護神のだいみょうじん様が現れた。初めて見るありさはびっくりしたが母親と父親は知っていた。もう何回も会っていた。「ありさ、病気根治おめでとうございます。ありさの周りの霊達が死神に話をつけたおかげだよ。鈴木実さんが特に熱心にたのんでた。それにありさは天使にも出会えた。渡辺さん家族だ。ディズニーランドで会った四人だ。あれは天使だ。かなかな会えないぞ!ありさの努力もあったけど今回は沢山の霊に助けられたんだよ。おめでとうございます。」それだけ言うと大明神様は三人の前からすうーっと消えた。その時、ラインが入った。さちよからだ。「今、中川さんの工場にいる、フェアレディ240zを中川さんのが買い取ってくれて、カムリの話をしてる。ありさ、昼間マフラー頼んだんだって!中川さんもう作っているよ。4本出しマフラーエンドはチタンだって!ありさ、病気根治おめでとうございます。中川さんから聞いたよ。よかったね。嶋田先生と結婚式できそうだね。よかったよ。車の話が出来る友達はありさだけだから。カムリの話を出来るのもありさと中川さんだけだよ。WORKエキップe05にしたよ。値段は高いけど。車も見つかったよ。ブルーのWSレザーパッケージ最高たよ、ただ、今日、入院患者のおばあちゃん亡くなった。ショックだったけど車が見つかってふっとんだよ。」さちよは上機嫌だった。「そのおばあちゃん、パジャマの色はえんじ色じゃなかった?」とありさがラインを送るとすぐに「そう!なんで知ってるの?」さちよから返信が来た。「昼間会った時、死神がとりついていたから。」ありさが返信すると「マジ!私も見た。」さちよとの返信はそこで終わった。ありさは鶏唐揚げてご飯を三杯とビール2本をあけた。ありさは酔っぱらってベットインした。ありさにとって最良の一日だった。


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