第15章 今日も面会が来た
翌朝6時に起床してガートルをガラガラ引きながら廊下を歩いてトイレに行って帰りに体重を測るルーティンが身についたこの頃、病院生活は快適だった。病室に戻りベッドに寝ると看護師が来た。毎朝の体温測定と血圧測定だ。「明神さん。問題ありませんね。良い傾向です。体重は何キロでしたか?」看護師が尋ねた。「50キロです。」ありさが答えた。「身長はどのくらいですか?」看護師が尋ねた。「160センチです。」ありさが答えた。「少し痩せすぎですね。」看護師が言った。「昔からこの辺をうろちょろしてます。プラスマイナス2〜3です。」ありさが答えると中山さんは「私なんか食べれば食べるほど豚になりますよ。今がベストですが?」中山はニヤケながらありさの顔を見た。「あら、そうですか?今が一番ですか?看護師は大変な仕事ですよね。私も昔看護師していたんで、牛久のセントラル病院です。今は看取り施設で世話人のアルバイトしてます。」ありさはそう言って中山の顔をニヤリと見た。「7時に朝食お持ちしますからそれまで待ってください。」看護師はナースカートを押して病室を出て行った。ありさはキャバクラの店長桜井拓海にメールを送った。「病名や仕事復帰のメドなど。」詳しく送った。きっかりに7時に看護師がコンテナをゴロゴロと押しながら病室に入って来た。「はい。明神さんのお食事、」と言うとテーブルにトレーを置いた。そして、斎藤さん、福島さん、山田さん、吉沢さん5人に配膳すると病室を出て行った。ありさはいつものメニューに愕然としはがらため息をついて合掌して箸を持って食べ始めた。「ごちそうさまでした。」合掌して箸を置いた。8時30分になると高橋医師の回診が来た。ナースカートを押しながら中山さんといつも一緒だった。「明神さん。おかわりありませんか?頭の傷口確認します。中山さん包帯用意してくれないか?」と言うと高橋医師はありさの包帯を取り始めた。傷口を確認して消毒すると「綺麗なものだ。安心して下さい。今日は11時にラジエーションハウスへと行って放射線治療をして下さい。その後ナースステーションでウィッグのカタログをみましょう。明神さんに似合うウィッグを選びましょう。」高橋医師はありさの顔を見ると「点滴交換して。」と中山さんに指示をすると中山が点滴交換をした。てばやくした。流石プロだなとありさは見ていた。これで毎朝のルーティンは終了した。次は斎藤さん、福島さん、山田さん、吉沢さんの順番で回診をして先生と看護師は病室を出て行った。10時30分に隣の斎藤さんの理学療法士の先生の小泉が「おはようございます。」と病室へ入って来た。斎藤さんのベッドサイドに足を立てて座ると斎藤さんを起こしベッドから下りるのをサポートした。「今日も外を歩きましょう。」小泉が言うと幸恵は首をコクリと縦に振った。そして二人は歩きのリハビリへと病室を出て行った。まるでカップルゆなうに二人の後姿は眩しかった。すると入れ替わりに看護師の中山が病室へ入って来た。ありさにファイルを渡した。「これラジエーションハウスの受付に出して。」そう言って中山は病室を出て行った。11時になりありさは病室を出て行くとラジエーションハウスへと向かった。ラジエーションハウスの受付にファイルを出すと受付前のベンチに座って待つとラジエーション技師の嶋田健が迎えに来た。「明神さんお待たせ致しました。ご案内いたします。」二人は放射線照射ルームへ向かった。「明神さん、本日は仰向けに寝てください。」嶋田が指示をくれた。ありさは仰向けに寝た。治療は10分くらいで終わった。「ご苦労さまです。もう、慣れました。」嶋田がありさに爽やかな笑顔を見せた。「はい。」ありさも笑顔で返した。ありさは嶋田先生に好意を持ち始めていた。診察室を出て病室へ戻る前にコンビニでミネラルウォーター3本とお茶を3本買った。チョコレートもついでにカゴに入れた。コンビニを出ると斎藤と小泉先生が正面玄関から入って来た。「買い物っすか?」斎藤が声をかけて来た。「はい、今日も来客がありそうなので。」ありさはニカッと斎藤に笑顔を見せた。「今日も騒がしくなりますね、歓迎致します。」斎藤が優しく微笑んだ。「帰りましょう!」小泉先生が声をかけた。三人は長い廊下を歩いてエレベーターに乗った。4階に着くと全員降りて病室へ向かった。病室に入ると小泉先生が「ご苦労さまでした。明日はもっと遠くまで行きましょう!さよなら。」と言って帰った。斎藤はカーテンを引いてパジャマに着替えた。「斎藤さんは独身ですか?お見舞いとか来ないから?」ありさが聞くと「そう。家族も居ないをやだ。20歳の妹がいるんだけど仕事が忙しくあまり来ないから。両親は他界しちゃたから。」斎藤は下を向いた。。「少し寂しいですね。」ありさは斎藤の様子を見たら少し恥ずかしそうにした。「遠くまでってどの辺まで行くんですか?」ありさが聞くと「この前の遊歩道は赤塚公園まで行くらしいんです。354号線まで、そこまでは行かないと思うけどつくば駅くらいまで行きたいと言ってました。」斎藤はありさの顔を見た。「そりゃあ!遠いな?疲れない?」ありさが驚いた表情を見せた。「でも小泉先生と歩くの楽しいですよ。彼女いないらしいから立候補しようと思うけど私病気持ちだし。普通のカップルになれない気がして。」斎藤は少し暗い顔を見せた。「また、いつ再発するかわからないから無理だな?」斎藤は暗い顔をした、「再発の危険性があるのか?私もそうだよ。根治はしないらしいから。お互い変な病気なんちゃたね。」ありさは斎藤の顔を見てニヤリと笑った。「そろそろお昼だね。食事だけが楽しみになってきてる。いつも一緒だよね。」斎藤がありさの顔を見てニコリ笑った。「そうだね。でもこの病院の食事は他の病院より良いらしいよ。患者の話だけど?」斎藤がありさの顔を見て微笑んだ。「そうなんだ?私、入院初めてだからわからない。」ありさは斎藤の顔を見た。「斎藤さんははもう何度も入院しているの?」ありさが斎藤の顔を見た。「私も初めてだよ。」斎藤がありさの顔を見た。そんな会話をしていると看護師がコンテナをゴロゴロ引いて病室へ入って来た。「はい。明神さん、斎藤さん、そして、他の入院患者の名前を呼んで配膳して行った。「はあ!いただきます。」ありさはため息を一つついて合掌して箸をもってコロッケから食べ始めた。「ごちそうさまでした。」合掌して箸を置いた。食べ終わった頃を見定めて看護師がトレーを回収に来た。「明神さん。完食ですね。」中山は笑顔でありさの顔を見た。「ごちそうさまでした。」ありさは中山の顔を見て、ニヤリと笑った。全員のトレーを回収して「失礼します。」中山はコンテナを引いて病室を出て行った。午後2時になり母親が面会に現れたと同時に宮本さんが「こんにちは。ありさちゃん。大丈夫ですか?具合の様子は理事長と宮代さんから聞きましたが私もとお見舞いに来ました。これ、つまらない物ですがお見舞いです。」宮本がありさにお見舞いを渡した。「お母さん、施設の同僚の宮本さんです。」ありさが母親に宮本さんを紹介した。「これは、わざわざありがとう御座います。ありさの母です。ありさがいつもお世話になっております。」充希は宮本の顔を見て笑顔で挨拶をした。「ありさ、昨日、ウィキペディアを見ていたら膠芽腫を完治した人のブログを読んだわ。あなたも読むといいわよ。最近は新しい治療が出てきて、難しいけど完治する見たいよ。後で先生に治療方針を聞いて見ましょう。」母親がありさの目をじっと見つめた。「うん。わかった。読んで見るね。先生も最悪の場合の話をしただけで完治を目指して治療はしてくれるはずよ。お母さん、望みが出たわね。」ありさは笑顔で母親の目を見た。「私もそう思うわ。」母親はありさの顔を見てニコリと笑った。それを聞いた宮本が「望みがあるならちゃんと治療しなさい。仕事は私達に任せて。」宮本はありさの顔を見てニコリと笑った。「そうは、言ってられません。すぐに出勤します。お金は大事ですから稼がなきゃいけない。」ありさは宮本の顔をニヤニヤしながら見た。「ありさちゃん。この世の人じゃない霊と付き合っているからアノ人達に連れて行かれるのかな?と思っていたのよ。それをもう、今後断ち切りなさい。私からのお願いだよ。」宮本は真剣なまなざしでありさの目をじっと見つめた。「あんた。霊が見えるようになっていたの?早く言いなさい。お父さんもお母さんも見える体質なのよ。その霊の人達って良心的か悪質かで、見極めないと怖いからね。あんたの事だから良心的な霊だと思うけどね。私も霊が見えるようになった時期にあんたを産んだ後だった。重い病気にかかったのよ。お父さんは高校生の頃だった見たいでその時、車に跳ねられたって言ってたわ。二人とも無事だったけどね。それから良い霊が周りに見えるようになったわよ。その良い霊が悪い霊をブロックしてくれているらしい。お父さんと同じ事言ってたわよ。あんたの霊はどんな感じよ。」母親はありさに真剣な表情で尋ねた。「私の霊は、施設で亡くなった人の霊と私のコレクションの車の初代オーナー達の霊だよ。皆友好的だよ。車のオーナー達とはドライブに行ったりしていた。皆、私に感謝してくれているわ。」ありさは真剣な表情で母親の目をじっと見つめた。「悪質じゃないわね。でも、膠芽腫とは関係ないからちゃんと前向きに治療しなさい。油断は禁物よ。」母親はありさの目をじっと見つめた。「はい。わかりました。ちゃんと治療します。私、俄然元気が出た。お父さんもお母さんも見えるから安心出来た。私、治るんなら告白しようかな?ラジエーション技師の嶋田一真さんに私、好きになったから。お母さん良いよね。今度紹介するから?」ありさは笑顔で母親の顔を見た。「あら!いい話じゃない!車が趣味の娘から男の話を聞くの初めてだから。お母さん嬉しいわよ。」母親はニヤニヤしながらありさの顔を眺めた。「ありさちゃん。あなた、ラジエーション技師の嶋田先生好きなんだ?私もだけどこんな病気持ち相手にしてくれるはずないと思って尻込みしてるのよ。嶋田先生は33歳よ。彼女いないらしいから頑張って私は応援するわよ。私、手を引くわ。知ってた?」斎藤はありさの顔をニコニコしながら見た。「あんたら、青春だね。羨ましわ。私はおばちゃんだから。病気でも前向きになれろあなた達はどうにかしてるわ。」宮本のどうかしてるわの口癖が出た所で入院患者の吉沢さんも話に入って来た。「ラジエーション技師は良い男多いわよ。内藤君や恵比寿君もお勧めよ。後、理学療法士や作業漁師にも多いわ。斎藤さんの理学療法士の先生もなんだっけ名前忘れた。アノ人もなかなかじゃない?斎藤さんはそっちにアタックしなさい。」吉沢さんは二人にけしかけた。「吉沢さん。理学療法士は小泉先生だよ。作業療法士は真田さん。覚えてください。」斎藤幸恵が吉沢の顔を睨んだ。「斎藤さん、作業療法士は最近来てないんだね。私、会った事ないから?」ありさは斎藤の顔を見た。「作業療法士はもう終わったの?手の動きは大した事なかったから。だから来ないよ。」幸恵は口をとがらせた。「手は軽度だったのね。安心だわ。」ありさは斎藤の顔を見て微笑んだ。「こういう話が出来るようになったら安心だね。お母さん。私はここでお暇します。」宮本は母親の顔を見て微笑んだ。「ありさちゃん。お大事に!無理しないで施設は三人で回しておくから。それじゃあ。またね。さよなら。」宮本は手を振りながら病室を出て行った。「宮本さん。今日はわざわざありがとう御座いました。近いうちにお会いしましょう?」ありさは宮本の後姿に一礼をした。すると高橋医師が病室に現れた。「月曜日退院だから土日は休みなので今後の治療について話をしたい」と言って来た。「ナースステーションへどうぞ?」高橋医師は二人の顔を見た。ありさはベッドから立ち上り靴を履いて先生の後について歩いた。母もその後から歩いてナースステーションへ入って行った。「どうぞお座りください。今後の治療方針を話ます。放射線照射と抗がん剤投与【テモゾロイド】は変わらずやります。その他に交流電場腫瘍治療【オプチューン】や個別化療法個々の腫瘍の分子タイプの治療【分子マーカー】や【グリオーマ】に精神膠腫療法をします。」高橋医師は二人の目をじっと見つめた。「先生グリオーマとはなんですか?」ありさが尋ねた。「グリオーマですね。脳や脊髄から支える【グリア細胞】から発生する腫瘍の総称の事です。他に何かありますか?」高橋医師は二人の目をじっと見つめた。「予約の取り方は?」母親が高橋医師の顔を見た。「こちらで全てやりますからありささんは決められた期日時間まで病院に来て頂くだけです。よろしいでしょうか?後はやりながら説明します。」高橋医師は二人の顔を見た。「先生、後ウィキペディアで膠芽腫を完治した例のブログを見たのですが完治する可能性はゼロではないんですね?」母親が高橋医師の目をじっと見つめた。「最近の治療例からするとゼロではありません。ありささんと私達の闘いです。誠心誠意ガンに取り組みましょう!出来る限りの事はいたします。ありささんと良い夢を見ましょう。」高橋医師は二人の目をじっと見つめた。「先生、私、頑張りますのでよろしくお願いします。」ありさは高橋医師の目をしっかり見つめた。「それでは以上です。また、月曜日にお会いしましょう。」高橋医師が二人の目をしっかり見つめた。「はい。よろしくお願いします。月曜日は何時に退院ですか?11時ぐらいにしましょう?」高橋医師がありさの顔を見てニコリ笑った。「わかりました。退院準備しておきます。ありがとう御座いました。失礼します。」ありさと母親は関を立ち深々と頭を下げた。「ご苦労さまです。」高橋医師が二人の顔を見た。そうして、午後の4時に見舞い客が現れた。「こんにちは。明神ありささんはこちらの病室でよろしいでしょうか?」桜井拓海店長だった。「はい。こっちです。」ありさがびっくりした表情で桜井を見た。「ごめん。お見舞い来るの遅れて。ありさがいないから忙しくてさ!顔見たら元気そうで安心したよ。」桜井はありさの顔を見てニコリ笑った。「お母さん。こちら私がお世話になっているローゼズの店長の桜井拓海店長です。」ありさが桜井に母親を紹介した。「ありさの母です。ありさがいつもお世話になっております。」母親は深々と桜井に頭を下げた。「嫌!こちらこそです。ナンバーワンキャストのありささんにはこっちがお世話になっている次第ですよ。」桜井は母親に頭をペコペコしながら言った。「こちらつまらない物ですがお見舞いです。」桜井はフルーツバスケットを母親に渡した。「手ぶらでよろしかったですのに、こんな、高価なものいただいちゃって、ありがとう御座います。」母親は桜井に頭を下げた。「店長、月曜日退院します。月曜日から出勤します。」ありさが桜井の目をじっと見つめた。「いやどーも!ゆっくりしてから出勤してくれれば充分だから店の事は気にするな!美香も友美も真美も新人の麻未もありさがいないから頑張るってやる気になってからさあ?金曜日くらいからで良いぞ!」桜井はありさの目をじっと見つめた。「新人入れたんだね。」ありさが桜井の顔を笑顔で見つめた。「うん。やっぱり、3人じゃかっこつかないからさあ!入れた。レジェンドから借りた。」桜井が三人で話し合っていると隣のベッドの斎藤さんが「桜井さん。じゃないの意外な所でお会いしますね。」斎藤が桜井に笑顔で話かけた。「桜井さん。斎藤さん知り合いなの?」ありさが桜井の顔を見た。「うん。昔、レジェンドのキャストをしていたんだよ。6年前かな?幸恵さんは!」桜井がありさの顔を見た。ありさと幸恵はお互いの顔をみあった。




