表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

8話


「おはよう美咲」



「おー、おはよう楓。今日は遅刻しなかったんだ」



「私だっていつも遅刻してるわけじゃないからね。それに今日はしっかりアラームもかけたから」



「そっかそっか。楓が成長したみたいでお母さん嬉しいよ」



「ありがとう。それでお母さんにお願いがあるの?」



「言ってごらん」



「お金が欲しいの」



「全く。それで、どれぐらい必要なの?」



「一千万」



「いや、高いな!」



「ホストに貢いだら借金しちゃって。お母さんに代わりに払ってほしいなって」



「しかも理由が最悪じゃん」



 登校した楓が美咲と雑談していると、教室から悲鳴が聞こえてくる。



「えー、堂林くん今日休みなの!」



「そんなー!」



「なんか風邪ひいたらしいよ」



「じゃあ今日はあのご尊顔を拝めないのかー」




 どうやら彼女と同じクラスの女子生徒たちが明照が休みなことに嘆いているようだった。



「堂林くんは相変わらずの人気だね楓」



「うん」



(何が大丈夫だよ! しっかり風邪引いてんじゃねぇか!)








・・・







 ピンポーン。



 放課後。

 楓は隣の家のインターホンを押していた。



 そう、彼女は明照のお見舞いに来たのだった。



(別に変な気持ちはないから……私のせいで体調が悪化してたら寝覚めが悪いし……それだけだから)



「あー、どうしたの朝比奈さん」



 玄関が開いて、部屋の中からマスクをつけた明照が出てくる。その表情は風邪の影響からか辛そうで、声も鼻声になっていた。



「どうしたもこうしたもないわよ。あれだけ自信満々に風邪なんて引かないって言ってたじゃない」



「恥ずかしい限りで」



「だから様子を見にきたの」



「そっか、ありがとう。嬉しいよ」



「それで……」



 明照の体調が悪いと聞いてお見舞いに来た楓は、彼が風邪を引いた責任は自分にあるので、辛そうなら看病しようと思っていたのだが…



 どういう風に切り出せばいいのか分からず、そのことを伝えられずにいた。



「体調は大丈夫?」



「うん、大丈夫だよ。でも朝比奈さんにうつるといけないから」



(嘘つけ! 顔色も悪いし、どっからどう見ても体調悪いでしょ!)



 楓は明照の話しを聞いていて怒りが湧いてきた。



「嘘つかないで! どう見たって病人じゃん! 全然大丈夫じゃないでしょ!」 



「確かに体調は悪いけど大丈夫。今日一日しっかりと寝てれば明日には治ってるよ」



「昨日も大丈夫って言ってたじゃない! 貴方のその言葉は信用できないわ」



「でも本当に大丈夫だから。朝比奈さんに迷惑をかけるわけにはいか……」



 明照の体が喋っている途中で壁に向かって傾く。

 それを見た楓は慌てて彼の腕を掴んで引き戻した。



「ちょっと! って熱! やっぱり大丈夫じゃないじゃない!」



「ご、ごめん…助かったよ」



「入るからね」



 楓はふらふらな状態の明照を支えながら家の中に入った。




 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ