第31話 「次なる標的判明——観測者すら警戒する“最深部の存在”がヤバすぎる」
「では——」
管理者が手をかざす。
⸻
その瞬間。
⸻
空間に、光が浮かび上がった。
⸻
「……地図?」
リリアが目を見開く。
⸻
「ただの地図ではない」
管理者が静かに言う。
⸻
「これは、この世界に存在する“歪み”の位置だ」
⸻
光の点が、いくつも浮かぶ。
⸻
その中でも——
ひときわ強く輝く場所があった。
⸻
「……なんだこれ」
俺は目を細める。
⸻
「そこが——」
⸻
管理者の声が低くなる。
⸻
「現在、最も危険とされる地点だ」
⸻
「危険、ってレベルじゃなさそうね……」
リリアが呟く。
⸻
「当然だ」
⸻
「そこには——」
⸻
一瞬の間。
⸻
「“最深部の存在”がいる」
⸻
「……最深部」
⸻
「お前たちが倒してきた幹部」
⸻
「そして、これまでの敵」
⸻
「それらとは、比較にならない」
⸻
「……どれくらいだ?」
⸻
管理者が、こちらを見る。
⸻
「観測者でさえ、単独では干渉を避けるレベル」
⸻
「……マジかよ」
⸻
リリアが思わず声を漏らす。
⸻
「でも——」
俺は笑った。
⸻
「面白いじゃねえか」
⸻
「ほんと、そういう性格よね……」
リリアが呆れる。
⸻
「ワン!!」
フェンが力強く鳴く。
⸻
「……いいだろう」
管理者が頷く。
⸻
「ただし——」
⸻
「情報は渡すが、保証はしない」
⸻
「死ぬ可能性もある」
⸻
「今さらだ」
⸻
俺は即答した。
⸻
「ここまで来て、引く理由がねえ」
⸻
「……そうか」
⸻
管理者がわずかに笑う。
⸻
「では、続けよう」
⸻
光がさらに変化する。
⸻
「その最深部へ辿り着くには——」
⸻
「三つの“門”を越える必要がある」
⸻
「門?」
⸻
「試練だと思えばいい」
⸻
一つ目の地点が光る。
⸻
「第一の門——“力の試練”」
⸻
二つ目。
⸻
「第二の門——“精神の試練”」
⸻
三つ目。
⸻
「第三の門——“存在の試練”」
⸻
「……なんかヤバそうなの並んでるわね」
リリアが引き気味に言う。
⸻
「当然だ」
⸻
「それらを越えた者だけが——」
⸻
「最深部に辿り着く」
⸻
「……なるほどな」
俺は頷く。
⸻
「分かりやすい」
⸻
「やることは一つだ」
⸻
拳を握る。
⸻
「全部突破する」
⸻
フェンが並ぶ。
「ワン!!」
⸻
リリアもため息をつきながら笑う。
⸻
「……行くしかないわね」
⸻
「決まりだな」
⸻
管理者が最後に言う。
⸻
「気をつけろ」
⸻
「そこから先は——」
⸻
「本当の“世界の核心”だ」
⸻
静寂。
⸻
「……行くぞ」
⸻
俺たちは、振り返らない。
⸻
新たな目的地。
⸻
最深部。
⸻
そして——
⸻
未知の“存在”。
⸻
物語は、ついに核心へと動き出す。




