第27話 「決着——覚醒を超えた一撃で、幹部すら消し飛ばしました」
静寂。
互いに構えたまま、動かない。
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「……次で決まるな」
黒い存在が低く呟く。
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「ああ」
俺は拳を握る。
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「終わらせる」
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フェンと視線が重なる。
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「ワン!!」
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意識が、完全に重なる。
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これまでとは違う。
さらに深い、一体化。
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「……それが答えか」
黒い存在が構える。
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「ならば——」
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黒い霧が、極限まで収束する。
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「我もすべてを賭けよう」
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空間が震える。
地面がひび割れる。
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「来い」
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「行くぞ」
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踏み込む。
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同時に動いた。
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——ドンッ!!!
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衝突。
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だが——
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「まだ足りねえ」
俺はさらに踏み込む。
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「……なに!?」
黒い存在が目を見開く。
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「ここからだ!!」
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力を、すべて解放する。
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フェンの力。
俺の力。
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そして——
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その先にある、何か。
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「はああああああああっ!!!」
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拳に、すべてを込める。
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「終わりだぁぁぁぁ!!!」
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——ドゴォォォォォォォォンッ!!!!!!
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閃光。
衝撃。
爆発。
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すべてが、飲み込まれる。
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静寂。
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煙が、ゆっくりと晴れていく。
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そこに立っていたのは——
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「……はぁ」
息を切らした俺と。
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崩れ落ちる、黒い存在。
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「……見事だ」
かすれた声。
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「これほどとは……」
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「終わりだ」
俺は静かに言う。
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「ああ……」
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黒い存在が、わずかに笑う。
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「だが——」
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その瞬間。
体が崩れ始める。
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「……またか」
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黒い霧となり、消えていく。
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「我もまた——“一部”に過ぎぬ」
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「……!」
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「本体は、さらに深くにいる」
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最後の言葉。
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「辿り着けるか……試してやろう」
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完全に消えた。
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静寂。
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「……また“本体”か」
リリアがため息をつく。
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「ああ」
俺は空を見上げる。
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「でも——」
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拳を握る。
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「もう負ける気はしねえ」
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フェンが並ぶ。
「ワン!」
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「ほんと、頼もしいわね」
リリアが笑う。
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「行くぞ」
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崩れた戦場の先。
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さらに奥へ。
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「次は——本丸だ」
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戦いは、終わらない。
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だが確実に。
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俺たちは、“上”へ進んでいる。




