第24話 「無双終了のお知らせ——新領域の幹部、強すぎてさすがに苦戦します」
崩壊した空間の先。
俺たちは、さらに奥へと進んだ。
⸻
「……静かすぎる」
リリアが警戒する。
⸻
「ああ」
さっきまでの敵の気配が、完全に消えている。
⸻
「逆に怪しいな」
⸻
その時だった。
⸻
「——ここまで来たか」
⸻
低く、冷たい声。
⸻
「……!」
振り向く。
⸻
そこに立っていたのは——
黒い霧をまとった、一体の存在。
⸻
だが、今までとは違う。
⸻
「……一人?」
リリアが呟く。
⸻
「数で来ないってことは——」
⸻
「ああ」
俺は構えた。
⸻
「それだけ強いってことだ」
⸻
黒い存在が、ゆっくりと歩き出す。
⸻
「先ほどの“末端”を倒したのは、お前たちか」
⸻
「まあな」
⸻
「……なるほど」
わずかに頷く。
⸻
「ならば——」
⸻
その瞬間。
⸻
——ドンッ
⸻
空気が、沈んだ。
⸻
「っ……!」
体が重い。
まるで、重力が増したかのような圧迫感。
⸻
「なに、これ……!」
リリアが歯を食いしばる。
⸻
「……領域、か」
俺は低く呟く。
⸻
「ほう」
黒い存在が反応する。
⸻
「理解が早いな」
⸻
「その代わり——」
俺は一歩踏み出す。
⸻
「対処も早い」
⸻
力を解放する。
⸻
フェンと完全に繋がる。
⸻
「ワン!!」
⸻
圧力を押し返す。
⸻
「……やるな」
黒い存在がわずかに興味を示す。
⸻
「だが——」
⸻
消えた。
⸻
「速っ——」
⸻
次の瞬間。
⸻
——ドゴォン!!
⸻
横からの一撃。
⸻
「ぐっ……!」
吹き飛ばされる。
⸻
「レイン!!」
⸻
「……大丈夫だ」
すぐに立ち上がる。
⸻
「今のは効いた」
⸻
「当たり前だ」
黒い存在が淡々と言う。
⸻
「ここは我の領域」
⸻
「お前たちの力は——削がれる」
⸻
「……厄介だな」
⸻
フェンが唸る。
「グルルル……!」
⸻
「でもな」
俺は笑った。
⸻
「それでも——」
⸻
構える。
⸻
「勝てない理由にはならねえ」
⸻
「ほう」
⸻
「面白い」
⸻
黒い存在が手を上げる。
⸻
空間が歪む。
⸻
「ならば、試してやろう」
⸻
「この領域で——どこまで抗えるか」
⸻
次の瞬間。
⸻
無数の攻撃が、同時に襲いかかる。
⸻
「チッ!」
⸻
回避。
防御。
反撃。
⸻
だが——
⸻
「……重い!」
⸻
動きが鈍る。
⸻
「レイン、これキツいわよ!」
⸻
「分かってる!」
⸻
だが——
⸻
「だからこそ、だ」
⸻
拳を握る。
⸻
「ここで超える」
⸻
フェンと視線が重なる。
⸻
「行くぞ」
⸻
「ワン!!」
⸻
圧倒的な領域。
⸻
その中で——
⸻
「ぶち破る」
⸻
戦いは、さらに激化する。




