第16話 「覚醒の片鱗——神獣との新たな力で遺跡の試練をぶち壊す」
「……効いてないわけじゃない」
リリアが息を切らしながら言う。
「でも、このままじゃ削りきれない……!」
目の前のゴーレムは、ほとんど無傷。
俺たちの攻撃は確かに通っている。
だが——足りない。
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「フェン」
「グルルル……!」
神獣の姿で唸るフェン。
だが、さっきから違和感がある。
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「この遺跡……力を抑えてるのか?」
俺は呟く。
「……ありえるわ」
リリアが頷く。
「外から持ち込んだ力じゃなく、“本来の力”を試してるのかも」
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「本来の、力……」
俺は拳を握る。
思い出すのは——あの時。
黒幕との戦い。
限界を超えた、あの感覚。
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「……出せるはずだ」
小さく呟く。
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ゴーレムが迫る。
巨大な腕が振り下ろされる。
——ドォン!!
地面が砕ける。
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「レイン!!」
リリアの声。
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「……見えてる」
ギリギリで回避。
いや——違う。
さっきより、動きが遅く見える。
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「……これか」
確信する。
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「フェン!!」
「ワン!!」
フェンが応える。
その瞬間——
体の奥で、何かが繋がった。
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「……!」
視界が変わる。
空気の流れ。
相手の動き。
すべてが、はっきりと見える。
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「これが……」
リリアが驚いた声を上げる。
「さっきと動きが全然違う……!」
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「行くぞ」
俺は一歩踏み込む。
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ゴーレムの攻撃。
——遅い。
完全に見切れる。
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「はあっ!!」
拳を叩き込む。
——ドゴォン!!
今度は——
明らかに違う手応え。
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「ひびが……!」
リリアが叫ぶ。
ゴーレムの装甲に、亀裂が走る。
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「いい感じだ」
口元が自然と上がる。
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「フェン、合わせろ」
「グルルルッ!!」
フェンが横に並ぶ。
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呼吸が合う。
タイミングも、動きも——完全に一致する。
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「一気に行くぞ!!」
同時に踏み込む。
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ゴーレムが腕を振るう。
だが——
「遅い」
二人で交差するように回避。
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「そこだ!!」
俺の拳と、フェンの爪。
同時に叩き込む。
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——ドゴォォォォンッ!!!!
衝撃が爆発する。
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ゴーレムの体に走る、無数の亀裂。
そして——
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「砕けろ」
静かに言い放つ。
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——バキィィィンッ!!!
ゴーレムの巨体が、崩壊した。
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静寂。
砂埃が、ゆっくりと舞う。
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「……やった?」
リリアが呟く。
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「ああ」
俺は拳を下ろす。
「突破だ」
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「ワン!!」
フェンが元の姿に戻り、嬉しそうに鳴く。
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「……すごいわね」
リリアが近づいてくる。
「さっきまでとは、別人みたい」
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「まだ片鱗だけどな」
俺は苦笑する。
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だが、確信していた。
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「この先にある」
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遺跡の奥を見据える。
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「もっと強い力が」
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フェンが静かに頷くように鳴いた。
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——試練は、まだ終わっていない。
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だが確実に。
俺たちは——
次の段階へと進んでいた。




