第15話 「命がけの試練開始——神獣の力を引き出す遺跡がヤバすぎる」
「……ここか」
目の前に広がるのは、巨大な石造りの遺跡。
苔むした壁。
崩れかけた柱。
そして——
「空気が違うな」
肌にまとわりつくような、重い気配。
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「間違いないわ」
リリアが頷く。
「ここが“神獣の遺跡”」
その声には、わずかな緊張が混じっていた。
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「ワン……」
フェンも普段とは違う様子で、遺跡を見上げている。
「感じるか?」
「ワン」
小さく鳴いた。
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「……やっぱりな」
俺は一歩踏み出す。
「行くぞ」
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遺跡の中は、想像以上に広かった。
薄暗い通路が、奥へと続いている。
「……静かすぎる」
リリアが周囲を警戒する。
「何も出てこないのが逆に不気味ね」
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その時だった。
——カチッ
「……今の音、聞こえたか?」
「ええ……」
嫌な予感が走る。
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次の瞬間。
——ガコンッ!!
床が、沈んだ。
「トラップ!?」
リリアが叫ぶ。
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——ズドドドドド!!
天井から、無数の槍が降り注ぐ。
「ちっ!」
俺は咄嗟に動く。
リリアの腕を掴み、引き寄せる。
「こっちだ!」
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転がるように回避。
背後で、槍が地面に突き刺さる音が響く。
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「はぁ……はぁ……」
リリアが息を整える。
「いきなりこれ……?」
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「歓迎されてねえな」
俺は苦笑する。
だが——
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「……まだ来るぞ」
フェンが低く唸る。
「グルルル……!」
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——ゴゴゴゴ……
通路の奥から、重い音。
「まさか……」
リリアが顔をしかめる。
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現れたのは——
巨大な石のゴーレム。
「……デカいな」
軽く笑う。
だが、その目は笑っていない。
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「侵入者、排除」
低い声が響く。
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「やるしかないわね」
リリアが剣を構える。
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「フェン」
「ワン!」
前に出る。
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「ここは俺たちの番だ」
拳を握る。
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ゴーレムが腕を振り下ろす。
——ドォン!!
地面が砕ける。
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「速い……!」
見た目に反して、動きが速い。
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「リリア、援護頼む!」
「了解!」
横から斬り込む。
だが——
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——キィン!!
「やっぱり硬い……!」
刃が通らない。
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「なら——」
俺は拳に力を込める。
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「はあっ!!」
叩き込む。
——ドゴン!!
だが——
「浅い……!」
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ゴーレムが反撃してくる。
「くっ!」
ギリギリで回避。
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「……これ、普通にやっても削れないわよ!」
リリアが叫ぶ。
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「だろうな」
俺は息を吐く。
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「フェン」
視線を合わせる。
「やれるか?」
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「グルルル……!」
フェンが力を溜める。
だが——
どこか、いつもと違う。
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「……力が、うまく出せてない?」
リリアが気づく。
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「この遺跡……」
俺は周囲を見渡す。
「ただの試練じゃねえな」
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ゴーレムが再び迫る。
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「だったら——」
俺は構えた。
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「ここで“引き出す”しかないな」
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体の奥に意識を集中する。
あの力。
まだ完全に使いこなせていない力。
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「来いよ……」
拳を握る。
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——試練は、まだ始まったばかりだ。




