10話 昔
梅雨、嫌い。
「実際にするより、一度詳しい説明を。先ほど説明した通り、妖力とは妖怪が生み出す力です。この力を外部に渡し、現象を発生させて動きを引き起こすのが妖術です。…ですが、その現象はいつまでも保つわけではなく、渡した妖力の時間しか存在することができません。次に妖術には、属性が5種類あり、それぞれ出来る役割がかわります。一つ目の属性は『水』、液体を生み出し、操ります。二つ目の属性は『火』、熱も持つ物を生み出し、操り、はじけさせます。先程私が見せた『狐火』がわかりやすいでしょう。三つ目の属性は『金』、体を回し、廻り安定させるのが役割です。この属性は消費する妖力も少なく安定させるのが最も簡単です。体を強化したり、妖狐なら色んな姿に変化したりできます。四つ目の属性は『木』は、死人や物を動かし、自らの人形にできます。そのかわり安定させるのが難しく、妖力の消費量も最も多いです。最後に五つ目の属性として、『土』があります。重さを変化させ、力の向きを変換できます。」
「まとめると、水は液体、火は熱、金は強化、木は操作、土は重力か。ん…?それだと『火』は氷を扱えることになるのではないか?」
「正解でございます。覚えと理解が早いようで。さて、もう少し話させていただきますと『木』は『火』を強くさせ、『火』は『土』を強くさせ、『土』は『金』を強く、『金』は水を強く、『水』は『木』を強くさせます。二つの属性を使って現象を生み出すとどちらがより多く注がれてるかで決定が為されます。また、一部例外として、個人だけでしか使えない妖術はこの括りに当て嵌まらないとことが多いです。そこはお気を付けてください。」
「了解した。じゃあ、これから妖力の練習に入るんだな?」
言葉は無愛想だが黒色の尻尾を回しながら話しているのを見るに心は男の子なんだろう。
「その通りです。ですが、妖界に来てから日が浅い黒狐様では、身体がまだ馴染んでなく上手く使えないと思います。よって無理矢理馴染ませるのを早くさせます。」
そういうと白狐は清明の肩に触れ、瞑想を始めたしばらくすると急に眠くなり、意識がなくなり、ドサっと崩れ落ちるような音がした。
「初めてですからね。仕方のないことです。待つしかないでしょう。」
〜〜〜〜〜〜夢の中?〜〜〜〜〜〜
仲睦まじい夫婦が子供を連れて神社を歩いていた。
七五三だろうか、それともただお参りをしに来ただけだろうか。そのどちらでも構わないがその風景を清明は体験した気がするような感じがした。
夫婦をよく見ると、男は黒髪でうっすらとだが狐の白い尻尾が生えていた。女の方は、同じく黒髪で黒狐の尻尾が生えていたが病弱な印象を与える様な肉付きであった。
天気が崩れてきた。それだけなら良かったのだが次第に雷が鳴り止まなくなり、何やら空から男が雷を身にまとい降りてきた。男の姿は雷のせいで、よく見えない。
夫婦の目の前に立つと男は怒りを剥き出しにし、夫婦に襲い掛かった。夫婦は、先程白狐に見せてもらった狐火や重力を扱う妖術を使い応戦したが、力が足りないのか徐々に押されていった。しばらくして女は勝てないことを悟ったのだろうか。子供を逃すために何か用意を始めた。星を地面に描きそこに子供を置くと何やら雷の男が必死で止めようと子供の方へ向かうが途端に光り輝いた。
〜〜〜〜〜〜妖界〜〜〜〜〜〜
「はっ!?」
「おかえりなさいませ。これで少しは妖力が扱えるようになったはずでございます。」
「ひとつ質問なんだが、気絶した時に昔の夢をみることがあるのか?」
「?聞いたことないですね。」
「そうか、ありがとう。それと、この熱いような寒いような物は何だろうか?」
「それが妖力でございます。少し使ってみましょうか。私の言葉を復唱してください。[狐の火、導く火、今ここに『狐火』]」
清明が言葉を復唱すると白狐のに比べて小さいが確かに尻尾に火が灯った。
「やりましたね!ではもう一つやりましょう。」
「結構簡単だしな。もう一つも多分余裕だろ。」
次回更新は7月10日を目処に




