11話 妖術 其の弍
模索中
「と、その前に妖術の属性を判別させる方法は何かあるのか?」
と清明が疑問を投げかけると白狐は焦った顔をし、
「それを説明していませんでしたね。妖術には、文言を唱える必要があります。余談ですが慣れれば文言は必要ありません。話を戻すと、文言の中には必ず属性を表す言葉が入っており、狐火でしたら文言の中に『火』が入っていますので火属性となります。」
-なるほどそう言うことか。というか、慣れればこんな長いの唱えなくても良いのか。毎回言うの面倒くさいと思ったから助かるな。と、そんな余裕綽綽なことを考えてる清明に予想外の試練が待ち受ける。
「では、次は『水』の妖術をつかってみましょう。
簡単な術です。ただの飲み水を出すだけの妖術でございます。」
あやしい笑みを浮かべながら言い放った白狐に少し寒気を感じたような気がした清明だが考えすぎだと思い大人しく教えてもらうことにした。
「よろしくお願い致します…」
「お願いしなくとも教えますので大丈夫です。では先ほどと同じように私の文言を復唱してください。[求むは水、高霎神より授かりし誰もが欲する水である『天水』]」
そう唱えると白狐の掌から湧き水のようにちょろちょろと水が現れた。
「では、やってみましょう。」
「承知しました。では、[求むは水、高霎神より授かりし誰もが欲する水である『天水』]」
「…でない。どう言うことだ?」
ニヤッと笑う白狐に助言を求めると白狐はすかさず言い放った。
「大丈夫です。黒狐様なら出来るはずです。」
-白狐さんは隠れ鬼畜なのでこれからは敬語で丁寧に話そう。清明は密かに決心し仕方がないからまた文言を唱えた。
…が失敗。
-もう一度
やはり駄目。
黒い狐の尻尾がしゅんと垂れ、大人しく教えてもらうことに決めた清明は丁寧な言葉遣いで
「教えてくださいませ、白狐様この術の秘訣を。」
「黒狐様に足りないのは神々への信仰心です。今の黒狐様は神なんていないとどこかで考えている状態です。ですのでその考えを消し去れば使えるはずです。この妖術では高霎神様の力の一端を借りています。高霎神様は全員に平等に力を分け与えるのはできないので信仰心がある者に限定しているのです。ですので信仰心が無いものには使えないのです。」
-ならば何故狐火は使えたのだろうか?
「その理由は狐神様が妖狐なら誰でも使えるようにしてくださった為です。」
「!?なんでわかったんですか?」
「顔に出ていましたので」
「そんな分かりやすいかな…俺の顔」
「かなりわかりやすいです。」
「さいですか。」
-まあ、何はともあれ理由は分かった。妖術が使える理由として神様がいることが前提ということが。
「では続きをやりましょう。」
にっこりと笑顔でさりとて笑っていない乾いた目で続きを促してきた白狐に対し、清明ははいとしか返事ができなかった。
梅雨ゆるすまじ。




