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25 火山偵察

「あー、あれってやっぱり毒じゃなかったのね。」


ログアウト後、姉さんに毒沼エリアの話をしたら、やっぱりかー、そうだと思ったわみたいな言葉が返ってきた。


「やっぱり姉さんは気づいてた?」

「いやね、フォレストレントを突破した他のパーティーの人が、強引に突破しようとして毒消しを大量に持って行って挑戦したんだけど、毒消しの効果が無かったらしいから。毒じゃないだろうなーとは思ってたのよ。」


突撃していった挙句、アイテムを無駄に消費して死んでいった挑戦者に敬礼を。


「それで、姉さんはあそこの突破はできそう?」

「あそこよりも、今は火山地帯の攻略を進めてるわね。あのエリア、どう考えてもまだ私達には早すぎるエリアよ?」

「あー・・・確かに、フレンドの人もそう言ってたような・・・。」


キャット君、まだ地形ダメージ無効の装備は素材が揃わないって言ってたし。


「陸人も火山地帯に行けばいいんじゃない?腐っても二次職でしょ?」

「いや、まあ確かにそうなんだけどさ。火山地帯で採取できるのって主に鉱石系アイテムでしょ。僕には大して用途ないし。」

「レベリングには良い場所よ?向かってくる敵にタイミングよく大剣を振り下ろすだけで経験値が手に入るから。」

「それ姉さんだけだから!」


攻撃力が低い僕でそれやろうとしたら、反撃食らって街に強制送還される未来しか見えない。


「私のフレンドも数十人超えたけど、道具師選んだ人って居ないのよね。」

「まあ・・・ステータス低いし、器用貧乏だし、ジョブのステータス補正低いし、作り上げたアイテムは効果が低いし、レベルの高いアイテムは失敗しやすいし・・・」

「ねえ、あんたそれ言ってて悲しくならない?」


仕方ないだろー、パッと思い付く事が欠点だらけなんだから。

だけど、アイテムメーカーになって成功確率は改善された。簡易生産のスキルだって、まだあんまり試してない。本当は回復アイテムとかで実験したいんだけど、今は薬草とかが高騰してるからできない。需要が収まってから試そうと思う。


「火山地帯かぁ。そのうち行ってみる事にするよ。」

「そうね、その方が・・・あー、一応気を付けてね。」

「え?何が?」

「火山地帯に、MPKプレイヤーが居るらしいのよ。しかも一人や二人じゃなくて、結構な数が。」


MPK・・・ヴァイス君が被害に遭ったってアレか。


「姉さんも遭った事あるの?」

「今の所は無いわね。でも、いつ遭遇するか分からないから気を付けた方がいいわよ。」

「分かった。」


普通のモンスターすら倒すのがやっとな僕じゃ、遭遇したら一瞬で死にそうだけどね。






数日後、FWOにログインした僕は火山地帯に居た。

火山といってもあちこちにマグマがあるとかそういう訳じゃなく、大きな岩があちこちに転がってる山道みたいな感じだ。

マグマがあるような場所はもっと奥地らしく、そこの敵は強すぎてまだ攻略不可能らしい。


「ここ暑いな・・・。」


辺りにマグマは無いけど、やっぱりここは火山地帯。じっとしてても身体に熱がこもってくるのを感じる。

VRの世界だから汗はかかないけど、汗をかかない分余計暑く感じるのかな?


ここは場所によって出現するモンスターが違うといった特徴を持つ。

全般的に出現するのは、炎を帯びた鷹のファイアホークとか、小さい悪魔モンスターのインプ、つるはしを持ったゴブリンワーカーだ。

どれも適正レベルが20を超えてる強敵だ。しかもインプは数匹で群れていて、プレイヤーを見つけた瞬間に炎魔法をぶっ放してくるっていう凶悪さ。僕はスキル《敵性探知Lv1》のおかげか、モンスターが集まってるような場所は大体分かる。それらをかいくぐって、どんどん奥へと進む。


『グオォォォォッ!』

「うわっ!不意打ち!?」


少し油断した瞬間に、つるはしを持ったゴブリンワーカーに襲われた。

つるはしを避け、振り下ろした状態で固まってる無防備なゴブリンを剣で斬り伏せる。

再度振りかぶろうとゴブリンは得物を構えるが、リクトの放ったクロスボウが立て続けに命中しHPを0にして消滅していった。ドロップ品は・・・つるはし。


ゴブリンワーカーのつるはし 低品質:22

火山の坑道で働くゴブリン達のつるはし。

使い古されていて、遠くない未来に壊れる事は確実だろう。

(特定ポイントで鉱石を採取可能。)


鉱石は、こういったつるはし系アイテムが無いと採取ができない。

アクラの街では、雑貨屋さんで売ってた筈だ。まあ僕は要らないから買わなかったけど。


「意外と敵に見つからないし、このまま行ってみよう。」


敵性探知のおかげか、敵に見つかる回数は多くない。

たまに見つかっても、群れからはぐれたようなやつばっかりだから僕でも十分戦える程度だ。

運が良ければ、何事もなくヴァルガタウンに行けるかも知れない。





「・・・と思ってたんだけど・・・こんな所で何やってるんですか・・・。」

「あははー、リクト君だっけ?久しぶりだねー。」


少し休憩しようと大きな岩の影に隠れようとしたら先客が居て、よく見たら姉さんのパーティーメンバーの一人のアヤさんだった。


「まあ久しぶりですけど・・・どうしたんです?しかもズタボロじゃないですか。」

「いやーちょっとしくじっちゃってね。」


アハハと笑うアヤさんだけど、HPバーは残り2割程度しかない。

アイテムボックスからポーションを取り出して渡しながら、どうしたのか聞いてみた。


「ついさっきレベル25になって、リコンっていうジョブになったんだー。それでね、新しいスキルの《神速回避》ってのを追加で覚えたから試そうって思ってね。」

「そのスキルってどういうのなんですか?」

「んー・・・簡単に言えば、敵の攻撃系スキルを高確率で回避できるスキルなんだ。だから、どれくらいできるのかなーって思って、インプの群れに突っ込んだの。」

「何があったかは大体分かりました。」


なるほど。スキルに物言わせてインプの群れに喧嘩を売りに行ったと。

結果は言うまでもない。最初は飛び交う炎魔法を回避してアヤさんが有利だったのだが、スキルのMP消費量が高くて数回しか回避できず、MP切れになって回避できずに次々と被弾、ボロボロになって逃げてきたという事だった。


「でも、リクト君よくここまで来れたね。ここのエリアは中ボスの徘徊エリアだし。」

「え!?」


うわっ、知らなかった。

アヤさんも「え?まさか知らなかったの?」って聞いて来たけど、そんな危ないエリアでボロボロになって逃走中の貴方にだけは言われたくないです。


「アヤさんはどうするんですか?」

「大体ここがどういう場所かは分かったからねー。私は撤退するよ。」

「僕も、ここへは様子見に来ただけですから。なんなら一緒に戻ります?」

「お、いいねー。ならパーティー組んで戻ろっかー。」


アヤさんをパーティーに組み入れ、一緒に火山地帯から撤退する事にした。

僕一人よりも安心だし、多分アヤさんは索敵能力が高いだろう。何せ、リコン(Recon)って偵察って意味だったよね確か。





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