3.夏休みと初めての夜。
体育祭が終わってから数週間後期末テストがあり、あっとゆう間に夏休みに入った。
そんな今日は愛ちゃんとショッピング中なのです。
「なんか眼鏡外してる唯といると新鮮よね〜」
と愛ちゃんに言われる。
「でも、あたしプライベートはいつもこれなんだけどね?」
そして本日何回目かわかんないナンパが繰り広げられる…。
「ねえねえ、お姉さんたちなにしてるの〜?」
愛ちゃんはもうイライラがピーク、うんざりとした顔で
「さっさと消え失せろ」
と冷たく言い放つ。
流石愛ちゃん…カッコイイ!!!!!
うんざりとした顔の愛ちゃんとカフェに入る。
「唯といるとショッピング全然進まないんですけど」
とギロリと睨まれる。
「そ、そんなこと言われても…、愛ちゃん美人だし仕方ないよ」
「はー?!あたしより唯だよ唯!!流石にあたしでもここまではナンパされないわよ」
「そーなの?」
あたしはお姉ちゃんと歩いてる時いつもこんな感じかもしれないなぁ…なんて頼んだカフェラテを飲みながらそんなことを思う。
「唯と出掛ける時は直樹と椎名先輩が必要ね〜、それより最近は椎名先輩とどこまで進展したの?」
と、興味津々な顔であたしを見る。
「えへへ…えっとね〜、あたし!愛ちゃんに言われた通り押し倒してキスしたの!女は根性だね!」
とあたしが目をキラキラさせながら答えると
「あらほんと?あんたやるわね〜ふふふふ、椎名先輩の反応見て見たかったわぁ〜」
と、想像してめちゃくちゃ笑ってる愛ちゃん。
「でもね〜…またここからが問題なの!キス以上に進展しないんだよね…はぁ」
とあたしはため息を吐く。
「大事にされてるんじゃないの〜?」
「そう言うもんなのかなぁ?あたしは欲求不満だよぉ〜」
と項垂れると
「そんな可愛い顔して欲求不満なんて言わないでよ、すんごいおかしい…ふふふ」
と、愛ちゃんは今日はツボが浅いようだ。
「でもさ、夏休み終わったらすぐ文化祭でしょ?そしたら受験生だし…時間なくなる前になんとしてでもどーにかしたいの!」
とあたしが真剣な顔で言う。
「うーん…そおね…。襲うしかないんじゃないかしら〜?」
と愛ちゃんがまた適当な事を言う。
「またそれ〜???どんだけあたしに根性を使わせるの…。流石に椎名先輩目の前にするとキスでさえ照れちゃうのに…むりだよ…はぁ」
「じゃあ、先輩としたいです!!ってどストレートに言っちゃえば?キスまでしててなんもないんだから、直球勝負しかないじゃない」
なんてニコニコ笑う愛ちゃん。
「それあたしで遊んでるよね…愛ちゃん」
とジロリと愛ちゃんを見る。
「そお?半分冗談だけど半分本気よ?」
と言う愛ちゃん。
「どの辺が冗談でどの辺が本気なのか詳しく教えて欲しいんだけど…」
「だって、ほら、キスまでいってるのにずっと手を出されないなら出す気がないんじゃないの?唯のこと大事に思ってるのよ〜。それならもう自分からしたいですって言うしかないんじゃないの〜?じゃないと手を出すのはまだまだ先じゃないかしら〜」
と愛ちゃんがコーヒーを飲みながら言う。
「なるほど…」
なんだかすごく納得してしまうあたし。
あたしはその日、椎名先輩と次のデートで必ずやり遂げる!と決心を胸に愛ちゃんと解散した。
そしてチャンスがやってくる。
お姉ちゃんが帰ってきて夕飯を食べていると
「唯!お姉ちゃん来週から出張なの。ごめんだけど2日だけお家開けるわね?寂しかったら彼氏でも友達でもいいからお家呼びなさいね?」
とお姉ちゃんが申し訳なさそうに謝ってくる。
「うん、わかった。気を付けてね?」
と、あたしは言いながら椎名先輩を呼ぶことに決めた!!!
その日の夜早速スマホを開き先輩に連絡をする。
『椎名先輩、起きてますか?』
『どーした?』
『来週家族が出張で1人なんです。泊まりきてくれませんか。寂しいです』
『わかった』
『また詳しくは改めて連絡します』
『了解。ゆっくり寝ろよおやすみ』
約束を取り付けて安心したあたしはスマホを閉じて眠りについた。
お泊まりまでの数日の間に、愛ちゃんに作戦を決行することを電話すると興奮した愛ちゃんに
「勝負下着を買いに行くわよ〜!!」
と連れ出され、あれでもないこれでもないと何軒もの下着屋をハシゴする羽目になった。
そして大事なアイテムだと最後にゴムをプレゼントされたのだった。
────────────────
そしてお泊まり当日を迎えた。
お姉ちゃんに戸締りをしっかりすること!と言われ、彼氏が来るから大丈夫だと伝え、安心したように家を出ていくお姉ちゃんを見送った。
そしてあたしは午後から先輩がくるのをルンルンで部屋中に掃除機をかけてまっている。
そして、その時がきた!
──ピンポーン
インターホンを確認して玄関を開ける。
「椎名先輩!いらっしゃい!」
と久しぶりの椎名先輩に抱き着く。
「久しぶりだな唯」
と頭をポンッと撫でる先輩。
すると先輩の目線が玄関にある両親の写真に目が行く。
「両親も綺麗な人達なんだな。納得だな」
と先輩が言う。
「そうですね。綺麗な人達でしたよ?とりあえずリビングに上がってください!」
とあたしは先輩の手をグイグイ引っ張る。
リビングのソファに2人で座ると先輩がふと不思議な顔をする。
「だったってなんで過去形?」
「あれ…そう言えばあたし話してなかったですっけ…家族のこと」
あたしは別に自分の環境のことを気にしてなくて誰にも聞かれてないから特に話してこなかったことに気づいた。
「そう言えばそうだな。聞いた事ねぇな。」
と先輩も考えながら答える。
「あたし両親小さい頃に亡くなってて、両親の残したこのお家にお姉ちゃんと二人で暮らしてるんです。」
とあたしがニコリと答えると
「なんか悪いこと聞いたな…。」
とバツの悪そうな顔をする先輩。
「そう言う顔させたくなかっただけです。あたし自身あまり覚えてないし…お姉ちゃんが小さい頃からお母さんみたいな感じだったし、あたしにとっては普通ですから」
とあたしが笑う。
あたしはこれは本心でそう思っている。
だからみんなにそう言う顔をしてほしくない。
「そうか。じゃあ姉ちゃんが今日は出張なのか?」
と頭を撫でながら聞かれる。
「そうです。寂しいので椎名先輩呼んじゃいました。」
と笑うと
「寂しい時はいつでも呼べよ。」
と優しく笑ってくれる。
先輩とまったりと過ごしたあと、夕飯の材料を2人仲良く買い物に行き、一緒にご飯を作って食べた。
そしてドキドキの夜がやってきた。
「先輩お先にお風呂どうぞ。」
とお風呂に案内する。
「悪いな。じゃあ、お先に」
と先輩は浴室に消えていった。
あたしはドキドキしながらお風呂に入る準備をして待つ。テレビをつけているけど、ドキドキで内容なんてわかんない。
すると
「次いいよ」
とタオルを首にかけた先輩がリビングに顔を出す。
「はい、じゃあ行ってきます。あたしの部屋2階の右手の部屋なので先に待っててください」
とあたしは言い残し、お風呂に入る。
今日は念には念をいれて、体を綺麗に洗っていく。そしてお風呂から上がり勝負下着を身につけ、お気に入りのルームウェアに着替え丁寧に髪の毛を乾かした。
ドキドキしながら先輩の待つ自分の部屋へと行く。
────ガチャリ
「…お風呂あがりました!」
とあたしが部屋に入ると、あたしの部屋にある本を読みながら待っていたようだ。
「おかえり」
と言われ、あたしも先輩の隣に腰を下ろす。
「椎名先輩…」
ドキドキしながら先輩に話しかける。
「ん?どーした?」
と言いながら本を元の場所になおしてくれている。
「せ、先輩は…あ、あたしと…その……」
「ん?」
と先輩はあたしが次の言葉を言うのを待っている。
がんばれ!あたし!言うのよ!あたし!
「…し、したくないんですか!!!!」
と顔を真っ赤にさせるあたしに
「…は…?聞き間違いか?」
とビックリした顔をしながらあたしを見ている。
「だからその…えっちを…」
と、あたしがモジモジしていると
「はぁ…やっぱり聞き間違いじゃねぇのな…。…俺は、お前のことかなり好きだ…だからすんげぇ大事にしてんの。」
と、あたしの頭を優しく撫でる。
「…。」
違う!あたしは好きだからこそもっと深く先輩と繋がりたいの。もっと先輩を感じたい…。あたしの物にしたい…。もっと近付きたい誰よりも…。
これはあたしだけなのかな?と思うと急に悲しくなってきた。
「…。」
泣いちゃダメだと思うのに目がうるうるしてしまう…。
「どーした?」
と優しく問いかけてくる先輩。
「大事にしてくれてるのはわかりました…。けど、あたしは好きだからもっと先輩をあたしの物にしたいです。我儘ですか?」
とあたしは潤んだ瞳で先輩を見る。
すると手を顔に当て
「…はぁ…我慢してんのに…。」
とポツリと先輩が言う。
愛ちゃんが言うように、先輩はあたしが行動するまで手を出すつもりはないのかもしれない…と思うと、そんなの嫌だ!とまたもや暴走モードに切り替わるあたし。
女は…度胸なんだから…!!
「あ、あたしは、が、我慢できません…!」
そう言うと、またもや先輩に突進する勢いで突っ込んでいき先輩を押し倒した。
ドスンッ
そして目を見開いてる先輩を無視してあたしは唇を押し付ける。
そして顔を上げて先輩を見つめる…。
そしてふと思う…ここからどうすれば……。
「…。 」
すると勢いはいい癖に先輩の上で戸惑うあたしに
「はぁ…いいんだな?後悔しないか?」
と身体を起こしながら聞いてくる先輩。
「後悔なんてしません…今しない方があたしは後悔しますっ」
と急にまたドキドキして顔を赤らめながら言うあたし。
すると先輩があたしを抱き上げベットの上に優しく運んでくれたかと思うとあたしの上に覆いかぶさってきた。
そしてあたしと目を合わせ、キスをひとつ落とす。黒髪のサラサラとした前髪の隙間から先輩の瞳があたしを見る…。
「…すげぇ好きだ…」
そう言いながら何度も何度もキスをする…。
ドキドキが止まらない中、先輩があたしの洋服を少しずつ脱がしていく…。
そしてあたしは下着だけになる。さっきまではあんなに威勢のよかったあたしも恥ずかしくて…顔が真っ赤になる。
「は、恥ずかしいです…。」
そう言って両手で顔を隠すあたしに
「フッ…さっきまでの勢いはどこいった?」
と優しく笑うとあたしの手を顔から退けるとあたしの瞳をジッと見てくる先輩。
そして
「今ならとめれる…どーする?」
とおでこにキスを1つ落とすと優しく頭を撫でながら聞いてくる先輩。
「し、椎名先輩…。は、恥ずかしくて死にそうだけど…と、とめたくないです…。」
と潤んだ瞳で必死に先輩を見つめる。
「フッ…颯斗って呼んで」
とまた優しく笑う。
「は…颯斗…せんぱ…んっ…」
キスをされる。
「先輩はいらない、颯斗でいい」
「は…はやとっ…」
そう言うと
「すげぇ嬉しい」
と先輩が何度も何度もまたキスをしてくる。
暫く2人とも夢中になってキスをして息が上がっていく…。そして、見つめ合う。
そして下着を先輩が優しく外していき…先輩に全てを曝け出す…
「ほんとに…全部…可愛いくてたまんねぇ…綺麗だ…」
「は、颯斗…好き…大好き…」
そう言うと颯斗は、上から順番に、優しく、大切に、触れていく…。颯斗が本当にあたしを大切にしてくれるのが伝わってきて…。すごく幸せな気持ちになって満たされていく…。
そして…その時がきた…。
「…いいんだな?」
と、少し余裕の無さそうな先輩と見つめあう…ドキドキする…
「…はいっ……大好きです…愛してます…きてください…!」
迷いなんてなかった。こんなに大切にしてくれる人なんて世界中どこを探してもいないよ…。大好きで大好きでたまらないんだ…。
そしてあたし達は1つになった…。
すごくすごく幸せな夜が過ぎて行った…。




