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【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


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バストイレ完備

 シャワー付きトイレを何としてでも使えるようにしてやる。


 なんて気合いを入れてみたが、それ自体すでに試作して、自室から地下に潜った先に設置してあったりする。


 機構は、「水」を『属性』付与した石に、魔力を通して水を生成させ、水の射出口をお尻の方に向けて設置するだけのものだ。


 魔力で水を生成できるのならば、そもそも水洗トイレは全て魔力で賄えばいいと考え、試作したのだが、残念ながら一つの問題点をクリアできなかった。


 魔力によって生成された水は、溜めておけないのだ。


 どんなに強く魔力を込めたとしても、『水属性』から生成された水――のような性質を持つ物体――は、一時間もしないうちに消えてしまう。


 詳細なメカニズムはわからないが、水として存在していられる時間を過ぎると魔力――もしくは魔素と呼ばれるようなナニカ――に戻り、霧散していくのではないかと思う。


 ちなみに『火属性』の場合は、魔力を燃料に「火」をおこしているようで、酸素も炭素も無い環境でも火をおこすことができると思われる。


 そして魔力が無くなれば火も消える。


 元は魔力の「火」でも、紙や木などの物質を燃やした場合は、物理現象としての「燃焼」が起き、酸素と炭素がうんぬんして二酸化炭素が云々される――義務教育をちゃんと受けてこなかった弊害はこういうところに現れます――という感じのはずだ。


 真空に近い状態を作って、その中で魔力の火がどうなっているのかを観察する手段(すべ)が無いので、本当に正しいかはわからないが、できる範囲でした実験結果からは、そうなっているように思える。


 「火」は魔力を燃料におこし、「水」は魔力が変化して生成され、「土」は魔力で操作できる、という感じかな。


 実は「風」が一番よくわかってなかったりする。


 魔力で空気を動かしているのか、空気を作り出しているのか、全く別の作用が働いているのか。


 話を戻して。


 魔力の水で水洗式トイレを作ると、水を溜められないので臭いを封じることができない。


 しかし、お尻を洗うだけなら、後に水が消えたところでなんの問題もないのだ。


 ということで、便器の中に水射出装置を取り付け、便器の隣に触れて魔力を流すためのスイッチ代わりのものを設置、その二つを「伝導」の『特性』を利用して繋ぐ。


 何度かテストして、いい感じの位置に当たるように調整はしたが、身体の大きさとか人間と獣人の差とかあるかもしれないので、これは後で誰かに実験台になってもらおう。


 トイレに目処が立ったところで、次は浴場だ。


 浴槽や洗い場は、コンクリートで大まかに作った上から、モルタルとタイルで仕上げることにした。


 洗い場は排水口に向かって微妙に傾斜をつけて、水が流れていくようにする。


 浴槽の中にも排水口を作って、栓でふさぐ。


 ゴムが無いので、とりあえず木で栓を【クラフト】すればいいか。


 排水口の先は、排水処理槽に繋ぐ。


 排水から考えて設計しているが、その水やお湯を持ってこなければ、捨てることもできない。


 この村までの水路を高い位置で引いてきているので、それを利用する。


 浴場の天井付近に「加熱」を付与した水路を設置し、三叉に分ける。


 先端に無数の穴を下向きに開ければ、シャワーの完成だ。


 流れてきた水が落ちてくるだけなので、圧が足りない気もするが、これはこれで悪くない。


 シャワーの出る止めるは、手元でレバーか何かを操作して、物理的に水路を開けたり止めたりすればいいか。


 蛇口の中の機構が分かれば、それを転用したいところなんだがなあ。


 自動【クラフト】では、木の蛇口は作れないようで、適切な素材が必要らしい。中の構造が知りたいのに。


 シャワーを使わず余った水やお湯は、浴槽へと流すように水路を引く。


 浴槽へ直接向かう水路も二本用意して、温度調整のため、水とお湯を流し込めるようにしておこう。


 これを大浴場が二つと、小さめのが一つで三つ分作る。


 この建物や浴槽は、【クラフト】でなんとでも作れるし、やってて楽しいのでどばーっと二〜三日で仕上げた。


 ――水が足りなくなった。


 これだけ各所に水を引き込んでいたらそれはそうなるか。


 今水源となっている奥へ、さらなる水源を求めて掘り進めていく。


 すると、奥へ行けば行くほど、水が出てくるようになった。


 この直上は、標高がかなりあるようで、ほぼ雪があって白く見えるので、雪解け水が地下に流れてきているのだろうか。


 もしかすると、ここよりさらに先に、地形的にも気象的にも雨の降りやすい環境があって、そこから地下に水が染みて流れ込んできているのかもしれない。


 理由はどうあれ、水に困らなさそうで良かった。 


 無事、水量を確保した所で、でき上がった施設を獣人さんたちに試してもらう。


 まずはトイレ。


 トイレの座り方から、シャワートイレの使い方、流し方と説明して、後で使用感を聞くことにしよう。


 トイレットペーパーは自動で【クラフト】できたので、これも使い方を説明して置いておく。


 自動で【クラフト】できるもの、できないもののリストが欲しすぎる。


 次に浴場。


 浴場を造りながら併設した更衣スペースを通り、シャワーの使い方、浴槽に入る際の注意点などを説明していく。


 お湯に関しては、人力で魔力を通して水を温めるのではなく、「蓄積」を付与した電池のような役割をさせる石をセットすることで起動するようにしてある。


 身体を洗うための石鹸は、亜麻の種から採れた油で、液体だが石鹸を【クラフト】できた。


 こちらも使用感がわからないので、少量から試して欲しいとお願いしておこう。


 あとは農業か。


 正直なところ、正しい農業のやり方なんてわからないので、種を植えて水をあげる、くらいの当たり前のことしかいえない。


 さすがに今更ではあるが、農業に関する情報を仕入れておいたほうがいいな。ゴウ爺に相談しよっと。


 とりあえず芋の農業をやってもらう前に、完成品を食べてもらって、モチベーションを上げておこうかな。

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