表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/71

竜属性

「言うか迷う、けど言いたい?」


 リアサが首を傾げる。


「うん」


「あたしが困る?」


「困るかもしれないし、苦しむかもしれない」


「それでも言いたい?」


()()を知っている方が強くなれると思うんだよね」


「わかった。聞く」


 少し悩んだ素振りを見せたが、リアサはあっさりと答えた。


「オウギが、必要だと思ったなら、きっと必要」


 リアサは真っ直ぐな瞳で俺を見る。


 その瞳から強い信頼を感じる。


 俺はトレーナーでもなければ戦闘に長けているわけでもなく、武術の達人でもなんでもないが、やれる限りのことをして、リアサの信頼に応えなければ。


「リアサのもつ魔力って、おそらく竜属性だと思う」

 

「竜?」

 

「うん」


「竜属性だとすごい?」


「たぶん珍しいし、視る限り魔力の質感、濃さみたいなものが他の人とは全然違うから、しっかりと自分の魔力を把握できれば、今よりさらに強くなれると思う」


 確証があるわけではないが、潜在能力(ポテンシャル)は高いんじゃないかと思われる。


「オウギはなんで、あたしが竜属性だってわかったの?」


「俺には魔力が視えるからだね」


 竜属性だと判断したのは、【クラフト】で使える『属性』として追加されたからではあるが、そのへんは端折らせてもらおう。 


「オウギ、そんな能力もあるのね」


 リアサからキラキラと輝く尊敬の眼差しを受ける。


「これも内緒で」


「ん。わかった」


 頷くリアサ。

 

「でもなんで、あたしは竜属性?

 ――なるほど。だから迷ったのね」


 ここまでの話でリアサが察したらしい。


「あたしの()()()(とう)かお(かあ)が、竜属性ね?」


「うん。おそらくそうだね。

 魔力の属性は、親から引き継ぐとは限らないんだけど、竜属性が急に出てくることは無い気がするんだよね」


「あたしと、お母と、お父なら大丈夫」


「お父も同じこと言ってたよ」


「む。それはそれでちょっとイヤかも」


 年頃の娘というのは、世界や種族が違っても父親に対する感情は、同じようなものなのかもしれない。


「それでオウギ。どうやって、竜属性を活かせばいい?」


「竜属性ならではのナニカ、魔術とかスキルがあるんじゃないかなって思ってて、知っていないとそれを探そうとも思わないだろうから、まずはリアサが自分の魔力をもっとつかむところからかなあ」


「ん。なるほど」 


「竜属性のスキルを使えればいいんだろうけど、何かない?」


「んー? わかんない、かも」


「じゃあ試しに、竜属性のスキルを使ってみようか」


「え? あたし?」


「いや、俺が」


「え? オウギも竜属性なの?」


「違うけど」


「え???」


 混乱している様子のリアサ。


 竜属性のスキル使ってみせようとか言われたらそうなるか。


「そういう能力があるんだよね」


「なんでもできる?」


「なんでもはできないかなあ。習得していってできることが増える、みたいな感じかな」


「オウギは竜属性を使えるようになった?」


「そうだね」


「そうなんだ? よくわかんないけど、わかった」


 理解できないけど一旦飲み込んで話を進めようということだろう。


「オウギの竜属性、見せて」


「うん。じゃあまずはあっちで」


 アレコレ言うより見せた方が早い、というやつだな。


 実は、リアサに見せるために数日前からスキルを【クラフト】し、試し打ちしてきたのだ。


 とはいえ、見せてもわかりにくいスキルもあるし――わかりにくい方から順にやっていくか。


 大きな岩の前に移動して、一つ目のスキルを披露する。


「ドラゴンパンチ!」


 『属性』の「竜」と『特性』の「殴打」から【クラフト】したスキルた。ぶっちゃけただの魔術で強化しただけのパンチで、岩の一部を壊すくらいの威力しかなかった。


 タイプ一致してないと、威力が出ないのに消費魔力が増えるという、酷い有様になるのかもしれない。


「ドラゴンクロー!」


 「竜」と「切断」から【クラフト】したスキルだ。細い枝をスッパリと切るくらいはできた。


「ファイアブレス!」


 「竜」と「燃焼」から【クラフト】したスキルだ。口から火炎の息を吐き出すことができる。


「おおお」


 それまでのスキルと比べて、リアサのリアクションがすこぶる良くなった。


 わかりやすいよねこれ。


「あたしもやる」


 リアサがテンション高く、「はー」とか「ふー」とか、息を吐くが、火は出てこない。


「オウギ、もう一回(もっかい)火吐いて」


「いや、今日はちょっと魔力が厳しいかなあ」


 ただでさえ消費魔力の多い「竜属性」のスキルな上に、口から火を噴くべきだというこだわりから、顔をやけどしないように顔面防御策まで組み込んでみたせいで、一回使うだけで魔力がめちゃくちゃ減ってしまうのだ。


「むー」


 むくれるリアサ。


「火、吐きたい」


 吐きたいと言われましても。


「なんとか教えて」


 教えようにもスキルによって作られたスキルだ。使うためのコツなんてものがあるわけもない。


「どうしたもんかなあ」


 リアサが強くなるために最大限やれることはやると決めたのに、いきなり何もできないと投げ出したくはない。


「うーん」

  

 考えていると、頭をつかまれる。


「うん?」


 リアサが両手で俺の頭をつかみ、額と額をくっ付けてきた。


「頭に直接伝えて」


「いやいやそんな無理でしょ」


 そんな脳に直接話しかけるみたいな無茶苦茶できないよと思ったのだが。


「あれ?」


 これ、もしかしていけるのか?

ドラゴンファイアーか?

ドラゴンブレス? いや、別属性も使いたくなるかもだな。

ファイアブレス? うーん?

いっそ、火の息? 火炎の息? 灼けつく息?

てか、ブレス攻撃の前にスキル名言うなんて、呼吸の問題でやらないからなんでもいいか?

吐いてから吐いたら大変だもんな。

スキル名なんてなんでもいいか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ