山での作業
集めた木材を使って、双子の精霊の社を【クラフト】し直す。
「お社を一旦回収します」
「「お、おう」」
一応一声掛けてから社をインベントリに収納する。
このサイズでも普通に入るインベントリって、マジで何なんですかね? ありがたく使わせていただきますけど。
屋根の改造し、窓用に壁を三カ所四角く切り抜く。
ガラスがあれば使いたいところだが、今のところ手持ちにはない。
その辺で砂を大量に回収すればガラスも【クラフト】できるかもしれないが、他にやりたいことだらけで試す余裕が今のところなく、後回しにするしかなさそうだ。
ガラス窓というわけにはいかないので、木板が両開きするタイプのものを取り付ける。
換気と明かり取り用の窓の完成。
改築を終えた社を同じ位置に設置し直す。
「「おお、おー」」
若干二人が引いている気もしないでもないが、これが俺なので受け入れてもらおう。
「屋根の高さを変えて、窓を設えてみました。どうでしょうか?」
アップデート情報。屋根の頂点が一メートル程高くなりました。窓を三つ設けました。――てなところか。
「いいんじゃないか?」「そもそも不満も無かったし」
双子の精霊が言うので、とりあえずはこれで良しとするか? いや、祭壇みたいなのが必要か?
「他にこういうのが欲しいみたいなのがあったら言ってくださいね」
「社より」「あの跳ねるやつ」「「みたいなのを頼む!」」
遊具希望ということか。
すべり台とかブランコかなあ。
バンジージャンプはやめておこう。
他にできるとしたら、ボールとかフライングディスク的なやつを【クラフト】して、それで遊べるゴールとかそういうものか。
サッカーかバスケットボールか、フライングディスクを使ったディスクゴルフか。
野球とかテニスなどの、さらにもう一つ以上道具を使うものは避けておこう。
「わかりました。考えてみますね」
「「頼んだぞ!」」
「それとは別の話なんてすが、今度獣人の子どもたちを連れてくるんで、面倒を見てもらってやってもいいですか?」
「「気が向いたらな!」」
双子の精霊の社作りの次は、獣人の村と社を繋ぐ道の整備だ。
道そのものは【クラフト】で固めた土によって整え終えているので、次は両サイドに柵を立てていく。
柵を立てるといっても、道を外れたら崖だとか、危険だとかというわけではない。
柵の目的は、魔物と遭遇した時に、逃げるにしても迎撃するにしても、行動に移すまでの時間を少しでも作ろうというものだ。
もう一つ理由があり、柵に沿って十センチ程の溝を掘っており、足を取られて転ばないようにするためのものだ。
ではその溝は何のためかというと、雨水を流すために設けた。
溝は村の近くまで続いており、その先には雨水を溜める池――というか穴。
生物が生きていくためにはやはり水は欠かせない。
ここに溜まった水を飲むことはないだろうが、農業用水として利用できたらなと考えている。
穴といっても、現状は落ちたりしないように蓋代わりに上辺だけ土で閉じてある。
俺だけが使うのであれば、このままで必要な時だけインベントリに出し入れすればいいが、村の獣人たちも使うようになるのであれば、常に水を汲み出せて、穴に落ちることの無い状態にしておかないといけない。
ちなみに村の飲み水だが、近くの沢から汲んできているようだ。
湧き出ている水を、ある程度汲みやすいようには整えてあるようだが、多少の不便さは否めない。
どこからか水を引き込む上水道も作りたいところだ。
やりたいことが無限に湧いてくるな。
そもそもまず、我が家から獣人の村までを地下トンネルで繋ぎたい。
谷を越えるのに、いちいち橋を出したりしまったりするのも面倒だ。
それにリアサから、何かあったときに直接俺を迎えに行けるようにして欲しいとお願いされている。
行き来できるようにトンネルも延長しなければ。
リアサも使うかもしれないとなると、トンネルの出入り口も考えなきゃだなあ。
特定の位置に魔力を通すことで入口が開いたり閉じたりする機構を作って、知らないとわからない出入り口にしたい。
あー。ほら、もうまたやりたいことが増えてしまった。
とにかくまずは場所選びか。
この辺のことならリアサに聞くのが早いだろう。
そこから数日かけて、村と社を繋ぐ道の整備、社周辺の遊具の設置を終えた後、リアサに谷の向こうのような固い地質で壁のようになっている所か、洞穴のようなものが村の周辺にないか聞き、案内してもらった。
結果、村からは少し離れるが、崖になっている固い地質の場所を選び、こちら側の出入り口にすると決めた。
今後はここと谷の向こう側のトンネルとを繋ぐ作業も加わることになる。
谷底より深い地点まで掘る必要がある為、単純に谷向こうの出入り口と繋ぐのではなく、これまでに掘ってきたトンネルのどこかと接続させた方が良さそうだ。
トンネル堀りは慣れたとはいえ、一朝一夕でできるものではないので、時間をかけてゆっくりと進めよう。
さて、本日は獣人の子どもたちとリアサのお父を引き連れて、双子の精霊に会いに行くイベントの日になっている。
整備された道――当然俺がしたものだ――を進み、双子の精霊の元へと到着した。




