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【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


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精霊と子どもと

 獣人の子どもたちとリアサのお(とう)、そしてリアサ共に、双子の精霊――ルートとスークの社がある場所へと到着すると、いつも通りルートとスークはトランポリンで跳ね回っていた。


「二人ともちょっといいですかー?」


 双子の精霊に声を掛けると、あっさりと飛び跳ねるのを中断してくれた。


 俺が獣人たちを引き連れてくることは事前に話してあったし、その目的も伝えてある。


 それがわかっているので、遊ぶのは後にしてくれたのだろう。


 俺らの前で仁王立ちする双子の精霊。


 まずはあの日、社を壊してしまったという子どもたちを前に立たせる。


 自分である程度の距離を歩ける子どもたちは全員連れてきているので、無関係な子どもたちは、引率をお願いした何人かの大人とともに後ろで待っていてもらう。


「「「「「お社を壊してごめんなさい」」」」」


 前に出た子どもたちが頭を下げる。


「ちゃんと謝れて偉いぞ」「もう怒っていないから大丈夫だ」


 続いて村の長であるリアサのお(とう)、ユーヒが前に出る。


「村の子どもたちが申し訳ないことをした。すまない」


 ユーヒも頭を下げる。


「きちんとしたお詫びの品を贈りたいが、いかんせん物が無い。

 せめてもと思い、子どもたちが果実や山菜を集めてきた。受け取ってほしい」


「「わかった」」「ありがたく」「いただこう」


 必要な謝罪を終えたので、次は双子の精霊との距離を縮めてもらうターンだ。


 ということで、ルートとスークの前に出て話しかける。

 

「今日これから、ここの遊具を子どもたちにも使わせたいんですけどいいですか?」


「「わかった」」


 謝罪の後、子どもたちを遊ばせたいので相手をしてやって欲しいという話も事前にしてあったので、あっさりと了承してもらえた。


 とはいえ見たこともない遊具を前に、子どもたちもどうしていいのかわからず戸惑っている様子だし、ルートとスークの二人から積極的に子どもたちを遊ばせることもないだろう。


「みんな、こっち」


 ここまでは一応想定してあったので、リアサに率先して動いてもらいたいと頼んでおいて正解だったようだ。


 リアサは精霊の二人ともすでに打ち解けていて、トランポリンで張り合う仲だし。


 トランポリン、すべり台、ブランコとリアサがやってみせると、子どもたちも倣って遊び始める。


 一通り先導し終えたリアサは、精霊――ルートとトランポリンで対決し始めた。


 ルールとか勝ち負けとかよくわからないが、跳ぶ高さや跳び方、ポーズなどで競っているようだ。


 他の遊具で遊んでいた子どもたちも徐々にトランポリンの周りに集まり始め、リアサとルートの対決に声を上げて応援しだす。


「リアサ姉がんばれー」「精霊さますごーい」


 盛り上がる子どもたちを横目に見ながら、俺は娘の運動会をハラハラと見守る状態のユーヒに近付く。


「ちょっといいですか?」


「今リアサが良いところだ」


「そのリアサについてなんですけど」


「リアサはやらんぞ」


「そういう話ではなくて」


「リアサをいらないというのか!?」


 うわー。めんどくせえ……。


「……何の話だ?」


 俺が面倒くさそうな表情をしていたことに気付いたらしい。


「聞きにくいんですが、その、血の繋がりはあるんですか?」


「見ての通り、血の繋がりは、無い」


「そのことをリアサは?」


「知っている」


 実の親子ではなく、それをリアサ自身も理解していると。


「では、リアサが竜の血を引いているというのは?」


 おそらくリアサが竜属性の魔力持っているというだけで、竜の血を引いているかは確かではない。


 定かではない情報を元にしたただの推測だが、決めつけて訊く方が話が早いだろうと判断した。


「……どこでそれを? いや、君は特別、か」


 ユーヒの目が大きく見開かれる。


「リアサも自身のことをわかっています?」


「いや、おそらく知らないだろう」


「そうですか」


 お父は知っているようなので、捨て子を育てているというのではなく、託されたということだろうか。


「リアサに伝えても?」


「君がその方が良いと判断したのならば」


「良いんですか?」


 伝えて良いものか、正直迷っている。


「あー。なるほど。俺らに気を使っているのか」


 実の親子ではないとわかっていたとしても、本当の両親に繋がる話を知って、リアサの心を揺るがせてしまうかもしれない。


 リアサたちの関係をギクシャクさせたり、壊したいわけではないのだ。 


「安心しろ。俺らの絆は簡単には壊れない」


 ユーヒの表情からは読み取れないが、親子の絆に絶対の自信があることはわかる。


「わかりました。時期を見て伝えたいと思ってます」


「なぜリアサに伝えようと?」


「強くなりたいと言ってました。自身のポテンシャルを把握しておいたほうが、早く、より強くなれると思っています」


「うちの娘に、無理も、無茶も、ケガもさせるなよ」


 低く脅しをかけるような声のユーヒ。


「はい」


 俺だって無理も無茶もケガもさせたくないし、させるつもりもない。俺にできる最大限のケアをするつもりだ。


 ユーヒとの会話が一段落するとほぼ同時に、リアサとルートのトランポリン対決も決着したようだ。


 勝ち負けについてはよく分からなかったが。

 

「うおお、リアサ姉かっけえ!」

「精霊さますっごく回ってる」

「キレが半端ねぇ!」

「かっこいいポーズだ!」

「横になりながら跳んだ!?」

「めちゃくちゃ高いなぁ」

「あ、同時にぴたりと止まった」

「着地カッコいい」


「ふむ。やるな」

「そっちこそ」


「「「おおおー!」」」

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