秋が深まる ー特別の存在ー side:Woman
秋が深まる。
収穫の季節で、
紅葉に、木々が染まっていく季節。
過ごしやすいけれど、あたしは一番嫌いな季節。
自分が奪うことしか出来ないものだと、思い知らされるから。
秋に入った。
涼しくなって、やっとまともに活動が出来るようになった。
ビルの前を騒がしく、通っていく女子大学生どもの服装も、
タンクトップみたいなのから、長袖とかブーツ姿が増えて言った。
寒いと言う割には、足とかだす馬鹿は、減らないけれど。
季節が進むに連れて、航は少しづつやつれていった。
調べてみたら、院内感染だった。
血を頻繁に吐くようになった。
あたしは、マスコミにリークした。
多少、まともな治療はされたようだった。
同系列の他の病院から(俗に言う本店)スタッフが来たからだった。
依頼もないのに動いたのは、大爺に諌められたけど。
だけど、航は、どんどん症状を悪化させていった。
好きだと思ったヤツは、絶対に、あたしの側から居なくなる。
航も、そうなって欲しくない。
だから、お見舞いにも行かないようにしていた。
・・・・・・だけど、『好き』だってことを自覚してしまったせいか、
二週間に一度とか、つい、訪れてしまう。
自分には、あまり縁がなかったことだったけど、
女子学生が、恋して、パニックになるっていうのはこんな感じなのかもしれない。
・・・・・・・・『鮮血のライナ』とか呼ばれた女の思考じゃないよな。
一般人みたいに、おたおたしちまうなんて。
でも、悪くないんだよな、こう言う感情。
邪魔だとは思うけど、妙に胸が暖かくなる感覚。
『ねぇねぇ、ライナさん。
僕さ、ライナさんのこと考えると、
胸がギューってなったり、するんだけど。
これって、どういうことかな?』
その日も、1週間ぶりに、航の病室に見舞いに訪れた。
そしたら、開口一番これだ。
おもわず、混乱して、
あんまり上品じゃない言葉を言って、病室を飛び出してしまった。
エレベータホールで、エレベータを待ってたら、
航の姉の七海が来た。
顔が赤いわよ。っていわれて、事情を話したら、
航ちゃんのこと好き?って聞かれてしまった。
たぶん、もっと顔が赤くなったから、
答えなくても、七海には、答えてしまったも同然だろう。
それから、航が来る前よりも、仕事に打ち込んだ。
表裏関係なく、何かを吹き飛ばしたいかのように。
十一月も終わりに近づいて来た。
やがて、葉っぱも落ち、雪も降った。
十一月のあたまに、あの質問をされてから行っていない。
行っても、どんな顔をすれば良いのか解らない。
なぁ、航。
なんで、あたしなんかを好きになった?
いや、なんであたしは、航を好きになった。




