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「本当に申し訳ありません。セイディア様があんなことを……」
「いいえ、お気になさらず。私は気にしていません。それに、あなたのほうがひどいことをされていると噂に聞きましたあ。私が原因だとも。それこそ謝らねばなりません」
片膝をつき、深々と頭を垂れる。リーシュラはあわてて両手を振った。
「いいえ。謝らないでください。私……」
「リーシュラ様?」
顔に血が上るのが分かって、リーシュラは手で顔を覆った。
「ファーデス様。こんなこと、本当はセイディア様の妻である私が言うべきではないのでしょうが、あの、私……中庭でお会いしたときから、あなたのことが頭から離れないのです……」
「おっしゃらないで」
ファーデスは今にも泣き出しそうな彼女の言葉をさえぎった。
「そんなこと、口にしてはなりません。お立場をお考えなさいませ」
「ですが、ファーデス様」
ファーアデスは頭を振る。金髪がうねった。リーシュラはこぼれた金髪をそっと手にし、嗚咽を漏らした。
「どうしてあなたに会ってしまったのでしょう。いいえ、どうしてセイディア様より先にお会いできなかったのでしょう」
ファーデスは横に座り、、声を押し殺す彼女の頭を胸に抱いた。
「リーシュラ様」
頬を伝う涙を指で拭い、上を向かせた。幼い唇に、自分のそれを重ねる。軽くついばむように。
驚いでリーシュラはたじろいだ。が、彼の腕は力強く彼女をかき抱いた。
「私はセイディア様がうらやましかった。あなたのような美しい方を妻にできたあの方が」
そうつぶやき、再び唇を重ねる。リーシュラはもう抵抗しなかった。目を閉じ、互いの指を絡ませる。身も心も歓喜に震えるのを、彼女は受け入れた。




