挿話:ある不動産屋の独り言1
挿話:ある不動産屋の独り言1
私は、アデル・サックス。サザンクロスっていう港町で代々不動産屋を営む婆さんさ。私で4代目。娘はあたしよりも先に死んじまったから、今は孫娘を5代目にするために教育中さ。
うちは、この町では売る上げ上位の不動産屋だが、初代の社長の時に引き受けた一軒の屋敷がどうしても売れず、困っていた。売れないで持っていると、維持費もバカにならない。建物としても立地としても素晴らしく問題ないので、多くの貴族や裕福な平民達からたくさんの購入希望を受けて売ろうとしてきた。しかし一度として最後まで契約がうまく行ったことはなかった。いつも何らかの妨害が入り、契約がなくなってしまう。曰くつきのやしだ。
ある普通の昼の昼間に、黒髪の10歳ぐらいの男の子と少し年上の金髪の男の子があの曰く付きの屋敷を買いたいと店にやってきた。
ついてきている大人はいない。格好は冒険者のような格好だが、いいものをつけているのはわかったので、それな理に裕福な家の子なのだろう。それで、親はどこにいるのかと尋ねたら、少しムッとした様子で黒髪の男の子が
冒険者ギルドに白金貨30枚以上の貯金があるときた。疑うなら冒険者ギルドに問い合わせろと。その返事っぷりに嘘を感じなかったから、早速孫娘と一緒に現地に行かせた。
孫娘のマリルは何とか二人の素性を引き出そうと色々話しかけたそうだが、二人に完全に無視されたそうだ。その上、屋敷に着いたら二人で中を見たいから案内は不要だと言って屋敷から追い出されたらしい。
地下に入りて行って、しばらくして上がってきたら、2階を見もせずに購入を決めたらしい。あの屋敷が売れ残りの曰くつきだってことはちょっと調べればわかることなのに、一円の値下げ交渉もしてこないで、言われた額を現金で払いやがった。
わたしゃあ、なんか見逃してることがあるんだろうか?もしかしてすごいお宝を手放したんじゃないだろうか?
売れた瞬間は我が家系4代の悲願達成に喜んだものの、その後になって急に不安が押し寄せてくる。監視が必要だね。もし、お宝が隠されてたんなら何としても取り返さなければ。




