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僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
外の世界との接触

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14 サザンクロスへの護衛依頼を受ける2

帰ってきた馬車にも同じように仕掛けを行い、僕らは先に旅立った。出発する前にえらい時間ロスだ。門を出るまでは僕らは走って、門を出てから、魔道バイクに乗る。リンゼさんたちは驚いてたけど、僕らがスタートすると、馬たちがいつもの2倍以上の速さで走り出したのにびっくりしていた。


「なんなの、早いし、揺れないし。」


いや、いいことだけじゃない?そんなに叫ばなくても。


大きな街道を行くなら、ハレルヤ、リシアを通るルートになるんだけど、今回は早く着くために、ハレルヤを通らない峠を抜けるルートを選択。護衛依頼に慣れてるゴードンは盗賊や魔物が出るルートだから、街道を行くことを主張したんだけど、今回の影の目的は盗賊の討伐だから、気に入らないクライアントを切って護衛させてもらったお礼に討伐してあげようかと。それを正直にいうわけにもいかないので、


「本当に大丈夫だから、ちゃんと守るから安心して。」


「うん、安心してる。」

いつも黙ってる、デビが突然話し出したから、みんなびっくり。

ゴードンが


「デビ、どうした。いきなり」


「あのね、蒼ちゃんが馬車に施してる付与魔術はありえないレベルなの。こんなの宮廷魔導士でもできないわよ。そんな人が大丈夫っていうんだもん。大丈夫よ。」


「え?デビさんは解析できるの?すごいね。」


「全部わかるわけじゃないわ。悔しいけど。でも私ができない、魔法陣の複層化ができていることだけですごいこと。その上、表面に描かれてる言葉の少なさ。言葉を減らしても効果を落とさない技術は高等技術。」


「冒険者辞めたくなったら、いつでも会いにきてね。学校の先生の口を紹介するから。」

ちょっと感動した僕はすかさず勧誘。


「やめろー、うちの貴重な魔法戦力を勧誘するのは。」

ジャルが叫ぶ。


「ははは。」


「来る」

ジルベールが耳元で囁く


「だね」


『ミラージュ』

『バリヤー』


幻影魔法をかけて、盗賊たちに射られた矢で馬たちが動けなくなり馬車が止まっている状況を見せる。実際はただ、馬車を止めているだけで被害はない。

『索敵』

近くに18人。少し離れたところに1名。それから多分拠点だろう、そこに10名。


「ジルベール、この離れてる一人が、中継役だと思うんだ。こいつを仕留めて連れてきてくれる?ここにいるのはまとめて処置するから。」


「了解」


そうやって影に潜っていった。


僕は近くに寄ってきている連中をダークバインドで捉えると、全員を


『スリープ』で眠らせる。


「今、魔法で眠らせてるから、紐で手足をくくってくれる?」


【旅する羅針盤】のみんなにお願いする。あまりにもあっという間の出来事だったので、みんな驚いている。ゴードン・ジャル・キースの三人は順調に縛り上げていくが、マリナとデビの動きが不穏だ。


「蒼ちゃん、ちょっとやってみてもいい?」


「何を?」


「逃げようとしたら、足の裏に針が突き刺さる付与魔術」


「・・・・・」


みんなが、沈黙を貫き、ジト目でデビを見つめる中、僕だけが


「え?面白そう。やってやって」


とあおる。すると、正確に魔術を付与してしまったので、試しにスリープを解除する。

「え?なんだ、なんでみんな捕まってるんだ。逃げないと・・、ぎゃー〜ーー」


目を覚ました盗賊は、仲間が全員眠らされて縛られて寝ている状況に驚いて逃げようとしたが足に針が突き刺さる感覚に叫び声をあげ、うずくまってしまう。


「逃げちゃダメでしょ?」


マリナの緑魔法が発動し、棘のついた蔦が、盗賊を縛り上げる。


「逃げようとすればするほど、蔦は食い込んで、棘が体に食い込むわよ」


鬼畜だ。魔法の仕様が鬼畜だ。でも、盗賊たちは商人や無抵抗の村人たちを殺して奪ってきた奴らだ。何も躊躇する必要はない。


「二人とも素晴らしい。二人の魔法の練習にこいつら使えばいいよ。それからこいつらを入れる檻を作るからちょっと場所開けてね」


土魔法を使って頑丈な檻を作る。


「じゃあこいつらここに掘り込んでおいて。」


僕たちのやることを見ていた商人の皆さんは唖然としていたが、リンゼさんが、やっぱり私の勘はすごい。と自画自賛していた。


ジルベールが戻ってきたから、中継役の男も一緒に縛り上げて牢に入れる。


「皆さん、すみません。今ここにバリアーを張っていて安全なので、しばらくここで待っててもらえますか?残りの仲間に追撃されると面倒なので、ちょっと片付けてきます。すぐ戻ります」


そう言って、ジルベールと二人アジトだと思われる場所に影渡する。


そこは、洞窟だった。入り口に二人の見張り。ジルベールに目配せすると、

指先から、小さなスライムジェルを二つ飛ばし、鼻と口を完全に塞いでしまう。

息ができなくなってパニクっているところを、刀で一刀両断する。


中の様子を伺うと、中には男が一人だけであとは女のようだ。全員が誘拐された女だと判断するのは危険だから、姿を隠して近づく。


『インビジブル』


一人の男が、酒を飲みながら腕の中の女をなぶっている。女は諦めたのか、顔を背けたまま黙って行為を受け入れている。


「クソだな」


『毒棘蔦』


誰も見ていないので緑魔法を発動。強力な蔦に毒を持った棘が無数についている。それを首に巻きつけて締め上げる。じきに正気を保てなくなり苦しむ間もなく絶命した男の体を女から引き剥がす。


突然、自分の上の男がぐったりして動かなくなったところで、体から引き剥がされたことでびっくりした女はボロボロの打ち掛けの前を合わせる。


『インビジブル解除』


「助けに来ました。盗賊は全員排除しました。皆さんは自由です。僕と一緒に来たければ連れて行きます。自分でここから去りたいなら無理強いはしません。どうしますか?」


そう聞くと、全員一緒に行くと言ってくれた。


「じゃあ、全員にクリーンをかけます。」


『クリーン』


薄汚れていた姿が一気に綺麗になる。服は僕は持ってないけど、リンゼさんんたちが持っていたはず。


「ジルベール、悪いけどここでみんなを見ててもらえる?荷台に女物の服があったはずだから、もらってくる。」


「わかった。」


転移して、馬車のところに戻った。リンゼさんのところに行って、事情を話す。するとリンゼさんとエリーゼさんが服を持ってついてきてくれることに。三人で洞窟に転移する。


「お待たせ、服をもらってきたよ。サイズが合いそうなのを着て。リンゼさんあとお願いしていい?他に囚われてる人がいないか奥を見てくる」


そう言って奥に向かう。人はもういないのはわかってたんだけど、溜め込んでた盗賊のお宝の中に気になる反応を示すものがあった。基本的に盗賊を捕まえたものに、彼らの財産を受け取る権利が発生するので、全てをアイテムボックスの中にしまう。気になる反応を示す腕輪だけは、箱に入れて、カバンの中に入れる。僕の鑑定でも弾かれたものだ。これは神様案件かも。


「奥には誰もいなかった。これで全員みたいだ。」

さあ、戻ろう。


馬車のところに転移で戻ってきた。


殺した三人の死体はアイテムボックスに収納してきた。おいてきたかったけど、ボスの遺体は確認したいだろうし、仕方ないよな。


「皆さんすみません。盗賊は全て壊滅させました。お待たせしました。先に進みましょう」


盗賊たちの牢屋と、救出した7人の女性を乗せる荷車を2台の馬車にそれぞれ接続し、『軽量化』の魔法を強化した。そのおかげでなんの問題もなくいつもより少し早いスピードで進み、野営予定の広場に到着した。もともと利用する予定だった広場とは違いかなりサザンクロスに近い場所だ。


安全を確保するために、馬車の周りに壁を作る。


『ストーンウォール』


空間魔法を利用したムービングハウスを取り出す。


「これは旅用の家です。リンゼさんとエリーゼさんで1部屋。クルムさんたち4名で一部屋使ってください。クルムさんたちの部屋は2段ベッドが二組入ってます。」


部屋へ、クライアントの皆さんを案内する。


「【旅する羅針盤】の皆さんは、ゴードンさん達で一部屋、デビさんとマリナさんで一部屋使ってください。」


四人部屋と二人部屋をあてがう。

みんなを部屋に案内してから、救出した女性達を部屋に案内する。


「あと、皆さんはこの二つの部屋を使ってください。」


救出した女性達には四人部屋を二つ用意した。


「トイレとシャワーは部屋につけてあるので、代わりばんこに使ってください。シーツやタオルはこの戸棚にあるものを使ってください。」


女性達は、薄汚れた感じは取れているが、返事をする気力もないのか、みんな言われたことをただ黙々とするだけ。誰も声を出さない。そのことになぜかすごく心が痛む。


「食事は、ハンバーガーを用意しました。部屋に人数分置いていくので召し上がってください。」


女性達の部屋にはハンバーガーと水を人数分置いてきた。


「あんな目にあったんだ。すぐに気持ちを切り替えることなんかできないさ。今はそっとしておいてやろう。」


ジルベールが僕の手を握っていってくれる。やけにジルベールの手が温かく感じる。


「こんなに手が冷え切って。」

それで初めて、僕が青ざめた顔をしてるんだろうって気がついた。


「ありがとう。ジルベール。」


「どういたしまして。飯にしようぜ。腹へった。」


「うん。みんな呼んできて。ご飯にしよう」


僕たちは外に出て、そこで火を囲みながらシチューとパンを食べた。

これは事前にアンドレさんに作っておいてもらったものを、アイテムボックスに入れてきたものだ。みんな楽しそうに喋ってる、笑ってるし、怒ってるし。あんなふうに何も感情を表せなくなるってどういうことだろう。

また考えの深みにハマりそうになった時、ジルベールがそっと手を握ってくれた。何も言わず、ただ手を握ってくれる。ただそれだけのことがこんなにありがたいってことに初めて気づいた。


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