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僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
外の世界との接触

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13 サザンクロスへの護衛依頼を受ける1

まだ暗いうちに目を覚ました僕とジルベールは二人でオデッサに向かう。約束の時間の15分前にギルドの前に到着すると、そこには、以前助けたジャルたちがいた。


「おーい」


ジャルが手を振ってくれる。


「一緒に行くの、この間、助けたパーティだ。よかった変なやつじゃなくて。」


「ほんとだな。俺もほっとしたよ。」


ん?ちょっと引っ掛かりを覚えたけど、まあいいか。


「みんな久しぶり。」


「蒼、この間は本当にありがとう。おかげでみんな元気だ。」

ジャルが飛び跳ねながら挨拶してくれる。


「おい、ジャル落ち着け。すまん、先日は本当にありがとう助かったよ。今回の護衛依頼は俺たちとあともう1パーティの3パーティでの共同受注になる。よろしく。俺たちのパーティー名は【旅する羅針盤】で、俺がリーダーで剣士のゴードン、斥候のジャル、剣士のキース、魔術師のマリナ、ポーター兼付与術師のデビの5人だ。」


「紹介をありがとう。僕たちは、二人のパーティでパーティ名決めてなかったね。」


「そうだ、登録の時に色々あって忘れたまんまになってるな。」


ギルドの中から、アンジーさんと6名の一団が出てきた。


「皆さんおはようございます。護衛依頼よろしくお願いします。本日の依頼者の代表がこちらのデリルック・シンクレアさんで、シンクレア商会の副会長です。それから、Bランクパーティ【暁の境界】の皆さんです。」


「デルリック・シンクレアだ。よろしく頼む。」


商人の代表者が、僕たちに向かって挨拶した。


「僕たちは【旅する羅針盤】で、俺はリーダーで剣士のゴードンです。


「僕たちは、二人のパーティでまだ名前を決めてません。僕は蒼、相方はジルベールです。」


「ああ、そうだ。パーティ名決めてなかったね。今登録しちゃう?」


「ジルベールどうする?」


「うん、そうだな、決めないとめんどくさいだろうし。【アイテール】澄んだ輝く星っていう意味だけど、どうだろう?」


「いいね。そうしよう。アンジーさん【アイテール】で登録お願いします。」


「わかったわ。登録しておく。」


「おいおい、パーティ名も決めてない雑魚パーティのお守りなんぞごめんだぜ。」


【暁の境界】の体がでかい男が、絡んでくる。


「安心してくれ。俺より弱いお前たちに助けてもらうことなんざゼッテーないから。お前らもせいぜいやられないように頑張れや。」


可愛い顔して、散々煽ってやる。ジルベールとニヤッとアイコンタクトして、この男の次の動作に備える。

案の定遅い。


『スリップ』


何もないところでコテンと転んでみんなの前で醜態を晒す。


「おい、いい加減にしろ。クライアントの前で何してんだ。」


奥からギルマスが出てくる。


「おい、これから護衛するってのに、護衛のパーティで揉めてどうすんだ。フィリップお前を今回のリーダーに指名したが間違いだったか?」


「いや、すまない。蒼だったか、ベンが失礼なことを言って申し訳なかった。」


全く申し訳ないとは思ってないであろう、嘘くさい笑顔を貼り付けていう。


「僕たちは別に仕掛けられなきゃ何もしない。だけど敵対行為を見せれば、絶対許さない。これはギルマスにも言っておく。Bランクパーティにリーダーを任せるのは構わないが、ランクを傘に来た行為や、敵対行為に対しては他のメンバーが謝罪しても許さない。命がなくなっても文句は言わないでくれ。そうでなければこの依頼降りる。」


ギルマスが奥歯を噛み締める音が聞こえる。そりゃ腹が立つだろう、駆け出しの冒険者にこんな生意気なこと言われたら。でも、ギルマスの腹づもりがわかってるこっちからすると面白くはないわけで。普通の依頼ならまだしも隠された目的を説明せずに俺らを利用しようとするなんて。僕はジルベールを見て肩をすくめる。


「フィリップさんだっけ?俺たちは冒険者になったばっかりで、Gランクで初めて、次の日にはDランクになって、今回Cランクになるために必要だから護衛をするだけだ。なぜかわかるだろう?俺たちはイレギュラーなんだよ。だから悪いことは言わないから余計な欲をかかず真っ当に仕事しろ。お前とギルマスの裏の目的もわかってる。ここで俺たちに抜けられたら困るんだろ?だったら死ぬ気で自分のやるべきことをしろ。あと、その嘘くさい笑顔やめろ。気持ち悪い。」


ジルベールがあまりにも僕が思ってることを言ってくれるので、すっきりした。ふふふと笑ってると、クライアントが不安になったのか


「ギルマス、こいつら大丈夫なんだろうな。ただでさえも色々めんどくさいことになってるのに、護衛同士が内紛とか笑えないぞ」


と言い出す。俺もそう思う。こんなパーティ編成したギルマスが悪い。

俺とジルベールは二人で何も言わず首を何度も上下に動かす。それをギルマスがジト目で見てから言った。


「フィリップ、絶対蒼とジルベールは怒らせるな。特にベン、何かしやがったらお前の席はこのギルドにはないと思え。」


「・・・・。」


「あんまりゆっくりしてる暇ないんじゃないのか?急いだ方がいいと思うけどな。」


ゴードンが冷静な仲裁。ゴードンがリーダーの方がいいんじゃないのか?


「「賛成」」

俺とジルベールが右手を挙げて声をそろえる。


【旅する羅針盤】のみんながくすくす笑ってる。


「ギルマス、【暁の境界】はクライアントの指名か?」


気になったので聞いてみた。


「そうだ。」


「そうか、デルリックさん、俺たちがいることでギスギスするなら抜けるけどどうする?」


クライアントに直接尋ねる。


「いや、そんな直前になって言われても困る。君たちには依頼失敗で損害を請求することになる。」


「損害?何を言ってるんだか?そんなもの請求できると思うなら、やってみろ。」


「何を。ただのガキが偉そうに。」


「おいやめろ、デルリックさん。それ以上は言っちゃならねえ。蒼の言ってることは正しい。護衛に入る前に問題が明るみになって、冒険者が受注を断ることは権利として認められている。なぜなら、仕事に入る前で、報酬を全く受け取っていないからだ。あんたは大店のトップであることを傘に着て今までやりたい放題やってきたんだろうが、蒼には通用しねえぞ。俺の言葉が信じられないならやってみればいいが、全てを失う覚悟を持ってやるんだな。」


「それじゃあ、私たちが、【アイテール】さんと【旅する羅針盤】さんの2つのパーティと護衛依頼の契約を結ばせてもらってもいいでしょうか?」


ずっと、デルリックさんの後ろで話を聞いていた女性が僕たちに声をかけてきた。


「失礼。私は今回シンクレア商会さんと行き先が同じだということで、経費を浮かせるために旅団に入れてもらった、リンゼ・カーシュと申します。カーシュ商会の代表を務めています。皆さんのお話を聞いていて、このままだと【アイテール】の皆さんが抜けてしまわれるのはとても残念に思いましたので、我々が旅団から離脱すれば、人数が少なくなりますから、【暁の境界】さん単独、もしくはサポートパーティ一つで事足りるでしょう?」


「僕達は、リンゼさんの提案に賛成します。」

「俺たち、【旅する羅針盤】もリンゼさんの提案に賛成します。」


「なっ。・・・・」


「ギルマス、クライアントに疎まれてるのに護衛なんてできません。正式に私たちはデルリックさんの護衛をお断りします。」


「ギルマス、僕たちも【アイテール】とご一緒しようと思います。」


ギルマスは、はあーー。と大きくため息をつくと


「わかった。アンジー手続きをやり直してくれ。あとCランク冒険者の

【空帝の沈黙】に連絡をとってくれ。」


「わかりました。」

アンジーさんたちがギルドに引き返していく姿を見送りながら、僕とジルベールは、ゴードンさんたちと一緒にリンゼさんのところに向かう。


「リンゼさん、素敵なご提案をいただきありがとうございました。安全で快適な旅をお約束しますから、楽しみましょうね。」


「ふふ、冒険者から、安全で快適を約束されたのは初めてだわ。私も可愛い男の子と優しそうなパーティの方が気が楽だもん。ピリピリするのはごめんよ。」


「だよね。」


「リンゼさんのお仲間を紹介してください。」


「ええ。みんなこっちにきて。」


リンゼさんの呼ぶ声に従って5人の男女が走ってきた。


「紹介するわね。クルム・エリーゼ・テト・ゴリアテ・フィンケルの5人よ。私たちの馬車は3台。あなたたちは一番後ろの馬車に乗ってくれる?」

「ああ、それね必要ないから。僕たちは自前の乗り物で行くから、【旅する羅針盤】の二人をかわりばんこに乗せてあげてくれたらいいよ。だから、荷台にもっと荷物入れられるよ。寝る時も、荷台を使わないで寝る場所は用意してあげるから心配しないで」


「ええ?どういうこと?本当に大丈夫なの?」


「うん。護衛費用が若干増えるでしょ?その分荷物を増やせばいいよ。荷物がないならぼ僕が売れそうなもの売ってあげるから、それを売ればいいよ。」


「え?どういうこと?っていうかあなたはいったい。」


「まあまあ、いいじゃない。悪いことにはならないから。」


「じゃあ、クルムとテト商会に戻って、3台目に荷物積んできてちょうだい。二人乗るだけでいいみたいだからその辺考えて荷物積んできてね。」


「へい、サクッと行ってきます」


この人たち動きが早い。迷いがなくてとても機敏だ。優秀な商人の匂いがする。


僕はジルベールとリンゼさんと一緒に、馬車の方へ向かう。

『盗難防止』

『軽量化』

『頑丈化』

『衝撃吸収』


の4つの魔法をかける。そして馬たちに角砂糖を食べさせる。馬たちは大喜びで尻尾を振っている。


「何をしたの?」


「馬には砂糖を食べさせただけだよ。頑張ってもらわないといけないからね。あと、4つの魔法をかけてあるから、馬車旅が快適になるよ。」


そうこうしていると、アンジーさんがやってくる。


「リンゼさん、こちらが新しく作り直した依頼書になります。今回の依頼料金はギルドカードから引かせていただきました。少し料金が高めになっております。」


「全然問題ありません。これで私たちは出発できるんですか?」


「はい、どうぞお気をつけて。」


「ありがとうございます。あっ帰ってきました。それでは先に出発させていただきます。」



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