↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
外の世界との接触

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/79

挿話 腕の長い公爵2

11月8日


「公爵様、御使様はジョセフィン様に接触なさりお二人はしばらく一緒にどこかに行ってしまわれたそうです。ジョセフィン様は数時間でお戻りになられたそうですが、お肌がみずみずしくお美しくなられていたそうです。それから、一部の侍女たちに肌の手入れ用のクリームを渡されたそうで、それが使用人たちの間で話題になっておりいます。」


今代の御使様は、齢10歳の黒髪の整った容貌のお子だと聞いていたが、中身はもっと年がいっているように見える。王家と関わりを持つ最初に、美容を持ってきましたか。これはなかなか面白いことになりそうです。一部の貴族や大商人たちに溜め込まれている金貨を市場に還元させることを目的になされているのか?この次の一手をどう打たれるのか?これは楽しみです。


11月9日


「公爵様、やはりご推察の通り、本日ラシーヌ様と御使様は接触された模様。同じようにラシーヌ様も数時間いなくなられたようです。ご帰宅された後、側近に優秀な若手女官の選定を指示されました。ラシーヌ様も大層美しくなられたご様子です。」


若手の女官の手配。ということは新しい産業を始める人材育成に取り掛かるということですか。クリームの生産や美容に関する薬品なら女官ではなくて薬師をあたるはず。そうではないということは別の何かということになる。

うーん、これだけの情報ではなんとも判断がつかないところですね。


「大変です。ベリスで奴隷商人たちが開いていた、秘密のオークションにラシーヌ様が手勢を引き連れて踏み込んだご様子。近頃ないほど若々しく活力に溢れたご様子で、捕えられていた違法奴隷たちの保護と解放を行ったようです。今の所御使様が関わっている情報は上がってきていないのですが、金髪と黒髪の二人の若い美丈夫と若い女が戦っていたという話が上がってきております。」


「子供ではなく、成人した男子だったんだな。」


「そう、報告を受けております。」


「なんらかの方法で姿をお変えになったのだろう。」


11月10日


「公爵様、やはり御使様たちは関わっておられた模様です。今日突然多くの囚人がランドサットの地下牢に繋がれることになった模様。そこまで護送されている囚人を見たものがいないことから、集団転移ということが考えられます。このようなことができるのは御使様だけでしょう。」


「やはり。暗部に手をお入れになられましたか。」


「はい、その上、多くの貴族家をお取り潰しに出来る証拠を王家に献上したとのこと。この方は血を流さずにどれだけのことをやってのけるんでしょうか?」


「暗躍の代名詞と自負していたわが家のお株をすっかり奪われてしまってるな。腹は立たないが、歯痒い思いは隠せないよ。」


これまで、何度も人を使って証拠を集めようとしたが一向に進まなかったことが御使様は呼吸をするように解決していかれる。これを当たり前だと思わないようにしなければ。


11月16日


「公爵様、御使様がオデッサの冒険者ギルドに現れました。」


ああ、やっと外の世界と交流を始められるのですね。思ったよりも時間がかかりました。多分先に王族との関係ができたせいで、王族に物資の売却をして、金や物の調達をしていたのだろう。


「商業ギルドで、トラブル発生のようです。領主のアーリントン伯爵とは良い関係が築けたようですが、商業ギルド長のザイン伯爵家の三男であるギルマスとトラブルがあった模様です。御使様は怪我の一つもされていません。」


「どのようなトラブルだったのか?報告は来ているか?」


「まだ詳しくはわからないようです。ただ、商業ギルドに入ろうとした御使様を受付の男が妨害し、侮辱したそうです。その現場にアーリントン伯爵が現れ、お二人の様子は悪くなかったそうですが、そこに、ザイン家のバカが割り込んだことで、蒼さまにぶっ飛ばされたそうです。取り巻き含め全員」


「ははは。さすがは御使様。やることが鮮やかすぎる。そうなると、あのバカがやることは多分一つ。御使様を害そうと暗殺ギルドか、闇ギルドか、不良冒険者あたりを金で雇おうとするだろう。その辺りを見張らせておけ」


御使様のことだからその辺りの備えも万全だろうが、我々はやれることをするだけだ。


「公爵様、全てご想像の通りにことが進み、御使様ご本人が我々の部下に直接公爵様宛のお手紙を託されました。」


もう夜中もとっくに過ぎた深夜。しかし、直接贈られた手紙と聞けば寝ている暇はない。思いの外分厚い手紙に目を通す。そこにはこれから起こるであろう事柄についてや、御使様がやろうと思われていることについて詳しく書かれていた。最後に、私に対する感謝とこれからの協力関係に関してのお願いが綴られていた。


3度読み返し、全ての事柄を頭にいれる。全く意識していなかったが、いつの間にか泣いていたようだ。涙なんかいつ流したか思い出せないくらい泣いたことのないこの私がだ。


「おりん、カシース、マルードの監視を強化せよ。」


11月17日


「黒鴉が暗躍し、王子3人を連れ出そうとしましたが、奴隷紋の呪いのせいで鉱山から出ることができなかったと報告が。カシースは逃げて実家に戻り、ガストンは黒鴉に保護されていた場所で謎の死を迎え、マルードは逃げることを拒んだそうです。」


やはり、御使様は全てを見通されているのですね。それではカシース一味に関しては私が対処いたしましょう。



11月18日


「御使様はランドサットで会議を開催された模様。詳しいことはまだわかっておりません。」


11月19日


「御使様は冒険者ギルドのギルドマスターたちを連れて、イリディングルに向かわれました。その後、街の結界が解かれたようで、巨大な塀に囲まれた街の存在を確認しました。そこに世界樹らしき巨木と見たことないほど背の高い建物が見えたそうです。」


ご自分の街に王族や冒険者ギルドの幹部を招いてこれからの相談をなさったのだろう。私も早く訪問したいものだ。我らの領地がイリディングルから遠いのが残念だ。


「公爵様、王家から親書が届いております。」


なるほど、協力の依頼はこういうことでしたか。

違法奴隷取引に関わった貴族家の処断ですか?ええ、ご協力いたしましょう。相手にぐうの音も出ささずに罪を認めさせることなど、私には朝飯前。


「カシースの父親と兄弟が兵隊を率いてランドサットに向けて旅立ちました。」


「そうか、では全員を処分しろ。」


「御意」


「おりん、これから忙しくなるぞ。王家と御使様からのご依頼しかと承りましたと返事をしておいてくれ。」


「御意」


御使様は、各貴族家にあった、徴税権、立法権、行政権、司法権を王家の元に一元化することで、民の暮らしを安堵することを選ばれたようだ。

地域差をなくし、領主同士の争いによる損失を防ぎ最適化を図る。10歳の子供が考えつくものではない。


「ファルシア」


「はい、ここに」


「御使様の描かれている新たな国の青写真には、新たな法整備を整えないといけない。お祖父様にお願いして、優秀な文官をこちらに回していただけるようにお願いに行ってほしい。」


「御意。直ちに行って参ります」


たったこれだけの言葉で機敏に動いてくれる執事長に感謝しつつ、依頼された案件の段取りに向かう。蒼様どうぞ安心してお任せください。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。