2 冒険者を助けよう
2 冒険者を助けよう
座り込んでしまったウサギ獣人の男に話しかける。
「どこだ?僕達がいくよ。」
「え?お前が?まだ子供だろう?お前冒険者なのか?」
「今日登録しにきたんだ。だが、魔物はドラゴンも討伐できるよ。こんな子供だけど。」
「本当か?」
「蒼は強いぞ。ちなみに俺も。Sクラスの冒険者でも勝てると思うぞ」
ジルベール、ハードル上げないで。
「Sクラスって。本当なんだろうな。じゃあ、頼む、仲間を助けてくれ。本当にやばいんだ」
「わかった、じゃあ行こう」
ああと言って飛び出していく。
「そうだ、すぐそこの森の中に入ってくれ。」
「森?奴らはこっちだが。」
「いいから。」
うさぎ獣人の背中を押して森の中に無理やり押し込む。
周りを確認してみられてないことを確認できたので、魔道バイクを出す。
「なんだよこれ。」
ジャルが大声で叫ぶ。
「うるさい、静かにしろ。蒼は準備してくれ。お前は、俺の前に乗ってくれ。俺はジルベール、あいつは蒼。それでお前名前は?」
「ジャルだ。」
「ジャルは蒼の後ろに乗って行き先を蒼に教えてくれ。」
「ジャルよろしくね。『認識阻害』『アンチグラビティ』『ウインド』ほんでこっちの方に向かうんだよね。」
必要な魔法を一気にかけて、ジャルの言う方向へ向かう。早く彼らを見つけるために3メートルの高さまで上がって木の隙間を抜けていく。最高速度に近いスピードでしばらく飛んでいると、ウルフの唸り声と男たちの怒鳴り声が聞こえてきた。
「あ、あそこだ。」
「了解。」
仲間のうち二人は負傷したようで、その前に2人の剣士が立ち塞がっている。フォレストウルフの群れに取り囲まれたようだ。軽く30頭はいる。
前で善戦している剣士たちも、反撃をいなすので精一杯で数を減らすところまでは行ってないようだ。
「ジャル攻撃始めるよ」
僕はそう声をかけると、認識阻害を解除しない状態でウルフに向けて魔法を放っていく。
『ストーンビュレット』
石でできた弾丸を高速で回転させながらウルフたちに打ち込んでいく。
ジルベールは風魔法をうった。
『ウインドカッター』
最前列にいた4頭はこめかみを撃ち抜くのに成功して、倒すことはできたが、後ろの列のウルフたちには致命傷を与えきれていない。そこにジルベールのウインドカッターが飛んできて、4頭の首を飛ばし、他のウルフの体を傷つけた。森の中だから、火魔法は使いたくない。
『トルネード』
ストーンビュレットで仕留めきれなかったウルフを風の渦の中に捉える。数頭は目を回して気絶したみたい。
『アーススパイク』
動き回れなくなったウルフならこれが一番。地面から大きな棘を出し、串刺しにしていく。
30頭ほど残っていたウルフはこれで全て討伐した。
邪魔にならないところに着地し、魔道バイクから降りて、認識阻害を解除する。不思議そうに固まっていたパーティの面々が、ジャルの顔を見て笑顔を見せる。
「ジャル」
そういうと、前線で頑張っていた剣士の一人が抱きついていく。
もう一人の剣士が俺の方を向いて話しかけてきた。
「本当に危なかったんだ。助けてくれてありがとう。俺はこのパーティのリーダーをやってる剣士のゴードンだ。」
「僕は蒼です。あそこにいるのがジルベール。今日冒険者登録するためにオデッサに出向いたんだけど、その時にジャルに会って助けに来たんだ。門のところで、ジャルと衛兵が揉めていて、衛兵が話が通じないみたいで、見てられなくて。それはそうと後ろの二人は怪我してるみたいだけど、ちょっと見せてもらえる?」
「助かる。」
「じゃあ見てみるね。『コンサルテーション』」
僕の手から出た青と金の光が二人を包んでいく。水魔法で体内の水分を使って体の中の異常を探っていく。二人とも、骨折と打撲で内臓には軽いダメージで済んでいるようだ。
『コレクト』骨の位置と捩れを元に戻す。
『キュア』骨、筋肉、血管、細胞などの異常を元に戻していく。
『ヒール』治癒効果を高めるために癒しを与える。
「うん、二人は骨折と打撲、軽い内臓損傷だったので直しておいたよ。ただ、体の修復には休養が必要だから栄養と休養をしっかり摂って。」
「ああ、ちゃんと療養させる。ただすまない。今手持ちがなくて対価を払えないのだが、必ずお礼はするので少し待ってもらえないだろうか。すまん。」
そう言ってゴードンは頭を下げる。
「ああ、お礼なんていらないよ。ただ俺が助けたかっただけだし。でもそれで気が済まないなら、ここのウルフは全部俺がもらっていっていいか?」
「いや、元々全部お前が討伐したんだからお前のものだよ。それに、怪我人抱えてウルフまで運べないしな。討伐証明だけ切り取って素材は諦めるつもりだった。」
「そっか。じゃあ俺がウルフの素材をまとめて運ぶから、ゆっくり気をつけて帰ってこいよ。俺たちは先に行ってるね。」




