MESH TOWER hotel&residence 3
次に案内したのはエステサロン。名前は『NAMTILAGIGI』意味は命の洗濯
基本カラーは生成り色とセージグリーン。少しオレンジや赤が混ざった白で、光を優しく反射します。それに煉瓦色のオレンジ系の色をアクセントに使いました。
床はエクリュ、壁はエクリュにセージグリーンのライン。マッサージベッドのレザーは煉瓦色。お客様のガウンとタオルは、セージグリーンとエクリュを用意。テーブルは白大理石で椅子とソファは煉瓦色のスエード生地。
受付のカウンターの前には待合のソファ。ドリンクをを提供できるように、
そばに給湯室を設置。施術・カウンセリングは個室で行うが、3名横並びで入れてカーテンで仕切れる部屋も1つある。施術室はすべてビュー付き。
「グレン、どうかな?」
「すげえ。よくこんなに上手く作れたな。感動。」
「ありがとう。近々、研修が始まるので、ここで授業してもらうからよろしくね。必要なものとか、勤務条件については要望があればぜひ教えてね。ベロニカは、研修生として技術を学んでもらいながら、グレンのアシスタントもお願い。」
「わかりました。グレン様こんなに素敵なサロンを用意していただいたんですもの、失敗できませんね。」
「本当に。ちょっと緊張してきた。」
「キャハハ、グレンが震えてる。」
キリル笑わないでいてあげて。
今回はマジックブックに色々提案してもらってそれに従って作ってみたけど、これからはプロを育てて任せていきたいな。まあ、うちは人手不足すぎなんだよ。仕方ない。
「じゃあ、最後のフロアのレジデンスフロアに行くよ。」
19階の中央部の広場部分にエスカレーターで上がってきた。北、東、西の方角は他のフロアと同じ細めの通路が続いているが、南の僕の屋敷に向かう方角は、広い遊歩道とそれに沿って植物が並べられている。
「これからみてもらうのは、僕とジルベールの家だよ。このフロアにある、一般的な家の4倍の広さがある。レジデンスフロアーの部屋は、半分以上がメゾネットタイプと言って、2フロアがつながっている。通常のメゾネットタイプは1フロア400平方メートルの計800平方メートル弱の面積があって、僕らのは3200平方メートルだよ。」
「ちょっと数字で言われても全く想像がつかないよ。」
「だよね。公式に国賓を迎える迎賓館は別に建てる予定だけど、簡単な応接やパーティは開くことができるように計算されて作ってある。ただカジュアルな私邸という位置付けなので、無駄なものは省いてあるよ。」
話しているうちに入り口門の前にくる。両開きのゲートが自動で開く。
小さな可愛い噴水が皆様をお迎えする。玄関を開けて中に入ると、中央大階段と吹き抜けのホール、ウェルカムラウンジを備えたグランドアトリウムが現れる。
その奥には、大厨房・パントリー・食品庫・ワインセラー・リネンルーム・使用人控室、屋敷管理ルームが作られており、小さな庭とお茶会のできる東屋、プールが備えられている。洗面所は5つ用意してある。クラフトルームも庭の片隅に用意。
2階はカジュアルな宴会場兼会食場、主寝室2つ、ゲストルーム6つ、侍従・侍女待機室。ゲスト控え室5つ。洗面所は各部屋に1つづつ、外に4つ用意してある。執務室・執務室控えの間・書斎が用意されている。
みんな結構な規模の屋敷に驚いていたけど、他国の王族や上級貴族の屋敷はもっと広いので、僕の思いを汲んでもらえたら嬉しいな。
「もう、なんとも言えないわ。この広さのお屋敷が地上20階の高さにあるって、どう考えても不思議じゃない。蒼は、こじんまりしたサイズにしたことで、他国と争うつもりはないとアピールしたって思ってると思うけど、この超越した技術を見せられると、いつでもあんたの国なんか滅ぼせるよっていうプレッシャーにしか見えない。と思うわ。」
エレンのいうことももっともだな。技術屋さんらしい考えだ。
「そっか、まあこればっかりは僕が同行できることじゃないし仕方ない。張り合ってくる馬鹿がいないことを願おう。」
広いところは落ち着かないから、主寝室のリビングテーブルの周りにみんなを集めて、お茶を出す。
「みんなMESH TOWERの見学お疲れ様。箱はだいぶ整ったのでここから色々始めていこう。僕はラシーヌ様に預けている開放された奴隷のうちここにきたいと願う人たちを迎えに行ったり、各地の冒険者ギルド・商業ギルドに求人票を出しに行こうと思うんだ。それと約束してる、おばあさま・お母様方のご招待と宴会をここで開こうと思っていて、料理はエレン、アンドレさん達と一緒にお願いできる?」
「ええ、大丈夫よ。貴族相手の料理って経験少ないけど、いつも出しているようなものをちょっと見栄え良く出せばいいのよね?」
「うん、それでいい。みたことない料理が多いだろうから、楽しんでもらえたらそれでOKだから。それから、クレリック様に手紙を託けたけど、キリルのお母さんのことも心配だから、ちょっと様子を見に行ってこようかと。」
「私たちは同行しなくていいの?」
グレンが心配そうに聞いてくる。
「グレンはここでエステの仕事があるから、それでお願い。キリルもグレンのそばの方が安心するだろうから、そのままで。二人が必要になったら転移で戻ってくるから、その時はよろしくね。」
「わかったわ」
にっこり笑ってキリルの頭を撫でる。それで緊張した顔のキリルも落ち着いたようだ。
「ベロニカは、僕がいない間にやってきた人たちの受け入れと、仕事の割り振り、給料の管理をお願いしたい。でも一人では絶対に無理だから、下で働いてもらえる人材を回してもらってくるよ。使えそうなら、そのまま雇用して、政府機関に割り振って。」
「わかりました。細かいところまで想定して書き込まれてるこのマニュアルに従って作業を進めておきます。」
「ありがとう。よろしくね。ジルベールは僕と一緒に来てくれる?」
「もちろんだ。護衛は任せとけ。」
もちろん任せた。次の日は細かい調整に時間をかけて、準備をしてついに王族以外の一般人との初遭遇を果たすんだなあ。楽しみだ。




