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僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
僕らの国を作ろう

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人材育成開始

19 人材育成開始

【新暦586年11月13日】

ジルベールのところに飛んだら、ジョセフィン様とお茶していた。

僕の姿を見た二人は手を振ってくれる。

歩いて行くと、ジルベールが隣に座るようにいうので、その通りにした。


「ほら、蒼が想像した通りエステ体験がしたいんだって。それで侍女の方達もやりたいみたいでさ。」


やっぱりね。想像通り。


「なんとなくそういう感じになると思ったので、グレンには準備を整えてもらっています。ただ、施術ができるのが、一人なので何人もは無理なんです。今日は、ジョセフィン様だけでお願いします。それでラシーヌ様が興味を示してくださったので、エステサロンの運営と施術者、エステティシャンと呼んでいますが、の養成事業も始めてもらいます。それで、ジョセフィン様のところの若くて意欲に溢れた女性と男性のスタッフを出してもらいたいのですが、いかがでしょうか?私たちの街に新設する学校に通ってもらって技術を習得してもらいます。それで、高位の侍女達は避けてもらって、まだ下働きの若い子を回して欲しいんです。」


「そういうことなら、喜んで協力させてもらいますけど、どうして高位の侍女はダメなの?」


「高位の方はすでに重要な仕事についておられて代わりを育てるのはたいへんでしょう?それにエステの技術も習得に時間がかかります。若い人の方が長く仕事についてもらえます。あと、高い給与を取る人を増やしたいのです。経済を回すために。」


すると、後を継ぐように僕の説明にジルベールが補足をしてくれる。


「お母様にわかりやすく説明すると、一部の人にお金が集中すると、使わない、市場に出回らないお金が増えてしまって、経済活動が滞るからなんです。欲しいものがない人はお金を溜め込んでしまうでしょ?お金がない人は稼いだお金をすぐ使いますよね。食べられない人を減らすためにも、稼げる人を増やしたい。これが今僕達がやってることなんです。」


「お金を使って手に入れたい物やサービスを作る。それを買える経済力を持つ人間を育てる。次に来るのは、ルール作りとそれを守っているか監視する仕組みづくりです。」


「お母様がこれから始める、化粧品事業も、その一つです。そちらにも人を雇用してもらわないといけません。ですから、この新しい事業を統括できる代表者をまず選んでください。以降はその方とやり取りして具体的な作業を指示します。」


「では、このリリを任命します。私のお世話は他の侍女達に頼むようにするわ。」


「わかりました。リリさんよろしくお願いします」


「では、当面やるべきことをまとめた資料を作ってきました。これを読んで作業を進めてください。完了したらボタンで知らせてください。」


「わかりました。まあ、こんなに。それもとてもわかりやすくて。蒼様ありがとうございます。」


「蒼は頭がいいんだよ。年下なのに、ちゃんとしてる。」


「ジルベール、あなたも頑張らないといけないのでは?」


「俺は蒼を守るのが仕事だからな。」


「まあ。本当に調子のいいこと。」


「では、お母様、僕たちそろそろ失礼します。庶民街のレストランのスタッフ達がうちの街で研修を受けに来るんです。新しい料理の屋台を、このオローラと、デボラータ、オデッサ、ハレルヤで出すようになるんです。それでまだ改良の余地はあるんですが、一応サンプルをお持ちしましたので、少し召し上がってください。」


アイテムボックスに入れてきたものをジルベールと侍女さんに渡した。


「ホットドッグとハンバーガーか」


「そうそう。今朝エレンとアンドレさんが試作してたやつだよ。」


「あら、意外に悪くないわね。私にはちょっと食べにくいけど、若い人にはいいかもだわ。」


「お母様には食べづらかったですよね。」


「でも、そうやって新しいものをこの国に教えてくれて、それで稼ぐ人ができて、仕事の少ない地方でもそれをやろうという人が増えて。あなた達と過ごすようになって、私の毎日は何倍も楽しく意味があるものになったわ。幸せも経済も繋がって、広がって行くのね。」


「そう言ってもらってうれしいです。じゃあお母様僕達の城にご案内します。よろしいですか?」


「ええ、大丈夫よ。」


「ではリリさん、またこちらにお連れしますので、3時間ほどとご承知ください。」


「はい。いってらっしゃいませ。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回は3階の北側玄関の前に転移してきた。


「これが僕たちの城で、向かいが真神教の教会です。エステの後にご案内しますね」


「まあ、なんて美しいの?あとで見学を楽しみにしています。」


「お母様御手を。1つ上の階のエステルームにご案内します。」

ジルベールが案内を買って出てくれる。


「お母様、エステが終わった後にお迎えに参ります。ごゆっくり。」

ジルベールに目で挨拶して僕はオローラに転移した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ああ、坊ちゃん待ってました。もうみんな集まってます。」


「みんな早かったね。家族は大丈夫だった?」


「逆でさ、さっさと行って覚えてこいって言われました。」

そう言ってブブカさんが笑う。


「じゃあ、行こうか」


『転移』


転移して最初に目に入ったのが皆が働いていたレストラン。


「あ、店だ。」


本当だとわいわい言ってる。


「本当に店ごと運んだんですね。すげー」


「なんか空っぽになった空き地見て寂しかったのよね」


「わかる私も。またここで働けるんだ。嬉しい」


ちょっとしんみりしてると、隣からエレンが出てきた。


「きたわね、あんた達。ちゃんと作れるようにならないと帰さないんだからしっかりやってよね。」

「はい。鬼がいたよ。」


「誰が鬼よ。」


「エレン、アンドレさん、それじゃあレストランで早速研修始めて。今朝のハンバーガーとホットドッグは手直しが必要だから、明日の朝手直ししたものを出すから、基本的なことを教えてあげて。」


「わかったわ」


「僕は隣に従業員のための寮とお風呂を作るから。銭湯ね。銭湯の管理もよろしく頼むよ。ボイラー作れる?」


「ええもちろん。図面があればすぐ作れるわよ。」


マジックブックを出して

ボイラーの図面を出して。


出てきた図面をエレンに渡す。


「これも作っとくわ。あんた達は荷物を店に一回置いたら、一階の厨房に入って、カレーライスの野菜の仕込みをやっといて。やり方はアンドレが知ってるから聞いてね。あとで様子見に行くわ」


「じゃあ僕も隣に寮と銭湯作ったら、王大后のところに行くからみんな頑張ってね」


お店の隣の敷地に線を引いてイメージを固める。

3階建ての木造のアパート。中央に階段と廊下、2階と3階は廊下を挟んで東と西に同じ大きさの部屋を5つづつ。計20室。

1階は管理人室を玄関口に。リビングとキッチン。奥に洗濯室。トイレは4つ全て個室で水洗。あとで間取りを変えられるように壁は無し。部屋には、壁に寄せてシングルベッドが一つ、その下に収納。奥の壁に窓。その前に机と椅子。配管が楽になるようにシンプルに作ったけど、許してくれるでしょう。イメージが固まったので、材料の木材、金属を出して

『アーキテクト』

『クラフト』


2つの魔法を同時に展開。これは驚いた。建物が立って行ってる最中に中で家具も同時に作成されている。壁ができたことで中の様子は見えなくなったけど、これはすごい。放たれていた光が消えたので、扉を開けて入ってみる。すべての回を回って確認したけど、問題なくできていた。

ベッドは木枠のみだったので、布団を別に入れないといけないなあ。

布団は買いに行った方がいいな。僕の手持ちの中に使えそうな材料がない。あとでジョセフィン様送っていく時にオローラで既製品を買おう。


そして、銭湯も同じようにアーキテクトとクラフトで作成。

今回は豪華にも浴槽の内側に銅を張った。高い抗菌殺菌効果があるので。雑菌の繁殖を抑えてくれるから、清潔に難があるこの世界の人たち向けかなって。

みんなが驚いてくれるのが楽しみだ。


じゃあ、時間もちょうどいい頃だ。


『転移』


教会と城の間の中庭でジョセフィン様が降りてくるのを待つ。

ジルベールに手を引かれて外に出てきた、ジョセフィン様。

すごい艶々だ。


「ものすごく艶々のお顔をされてますよ。お母様」


「また驚かされたわ。クリームを塗るだけよりも効果があるわ。」


「喜んでいただけて嬉しいです。でも、お値段が高いので月に1回できたらいいかなっていうものなので、毎日のお手入れが重要なんです。そのためには高性能の化粧品は欠かせません。進化を続けるのは大変ですけど、より良いものを求めるのは楽しいですよ。」


「そうよね。金額だけの問題じゃなく、手が足りないってことも起こりそうだしね。」


「エステサロンで使う化粧品も、ジョセフィン様の会社で作る化粧品にかかってます。よろしくお願いします。」


「わかったわ。歳をとって毎日新しいことに触れて、本当に幸せだわ。

蒼ちゃんありがとう。」


そう言って、手を握ってくれる。やばい泣きそう。


「ええ、これからは笑って過ごしたいですね。教会をご案内します。」


お母様は僕とジルベールと手を繋いで、ゆっくり教会へ向かう。僕は扉を開けるために手を離して前へ。


中に促すと言葉をなくして立ち尽くしてしまう。


「こんなに素晴らしい教会は初めてみるわ。これは蒼ちゃんが一人で作ったの?」


「はい。神様方の前で魔法を使ったので多分かなりお助けいただいたかと。

神様方も喜んでくださいました。」


「そうでしょうとも。このステンドグラスは物語を表しているのね。この床も天井も」


「多分、多くの話はジョセフィン様がご存じのものだと思います。ただ、

32代教皇ザイムンフェルドのやらかしを隠すために、その罪を破壊神様に押し付けたこのことは絶対に許すことができません。破壊神様は邪神ではありません。破壊がなければ創造はないのです。本当の邪神は当時の管理神であったアロンであって、大神様ではないのです。」


「まあ、なんてこと。私たちは大神様に対して許されない不敬を働いていたのね。」

「こちらに正しい神話と真神教の教義を記したものがあります。よろしければ読んでみてください。そして正しい神に感謝を捧げてください。それだけで破壊神様は気づいてくださいます。」


「わかったわ。そうするわ」


僕たちは、教会の中に夕陽が差し込んでくるまで中で話し込んでいた。

神々に一緒に祈りと感謝を捧げ帰ろうとした時だった。

破壊神様の塔の前に一つの透明の丸いものが落ちてきた。

二人に断って落ちたものを探しに行った。

床にビー玉ほどの大きさの丸いものが落ちていた。


『鑑定』


【破壊神の涙の雫】


僕は、それをハンカチで包み二人のところに戻る。


「何だったの?」


「詳しくはわかりませんが、破壊神様が気づいてくださったのかも。」


「そうだといいわね。」


そう言って笑いかけてくださる。僕は前世も今世も母はいない。本当にいたらこんな感じだったのかな。


僕はそっとその玉をポケットに入れると、破壊神様に感謝を捧げる。


あなたが送ってくださった想いが、僕に母の優しさを気づかせてくれましたよって。わからないけど、ちょっと笑ってくださった気がして、胸がいっぱいになった。


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